| ボクはずいぶん前からベル&ロスの腕時計を購入しているが、この数年での品質向上が著しい |
立ち上げ当初の荒々しさ(それはそれで良かったが)がまるでウソのようである
さて、ベル&ロス(Bell & Ross)の腕時計、BR-05 「カーボンオレンジ」を購入。
このモデルについては昨年に発表されたのち強く心を惹かれていたものの購入する機会がなかなかなく、しかし今回そのチャンスに恵まれたために購入となったわけですね。
ちなみにこのX5「カーボンオレンジ」は世界限定500本にて発売され、しかし現時点ではわずかながら在庫が残っていて、「売り切れてしまう前に」滑り込みにて入手しています。
ベル&ロス BR-05 「カーボンオレンジ」はこんな腕時計
そこでこのBR-05 「カーボンオレンジ」をざっと紹介してみたいと思いますが、その前に「BR-X5」というシリーズから紹介する必要があり、この「BR-X5」はBR-05の派生ともいえるラインアップ。
そしてこのBR-05はそれまでの無骨で実用性を重視したBR-01やBR-03シリーズとは異なり、スマートでラグジュアリーな「アーバン」ウォッチとしての位置づけで、ベル&ロスが新しい客層を開拓するのに成功したモデルです(2019年登場)。
実際のところ、それまでのベル&ロスの腕時計はとてもスーツに合わせることができるようなものではなく、しかしこのBR-05(2022年登場)はドレッシーにも決めることができ、そうとうに汎用性の高い腕時計だと考えています。
-
ベル&ロスが久しぶりの新作腕時計「BR 05」発表!40ミリと小ぶり、そしてレトロなデザイン
| 四角と丸との融合、そして1970年代風のブレスレットが特徴 | ベル&ロスが久々のニューモデル、「BR 05」を発表。ベル&ロスは真四角型のケース「BR 02」を採用したことで一気にブレイクしたブ ...
続きを見る
そしてこの(BR-05のエボリューション版ともいうべき)BR-X5の大きな特徴は「中空立体ケース」を採用しているということで、「視覚の中に円」という(航空機の)計器にルーツを持つベル&ロスのDNAを構造面においてもあらわしており、「丸い」ムーブメントを「四角の」上下ケースにて挟み込むという3D構造を持っているわけですね。※オーデマピゲのコード11.59にも似た構造
-
ベル&ロス(Bell & Ross)が最新作にして上位モデル「BR-X5」発表!マルチコンポーネントケース採用、同社初のCOSCムーブを搭載。「アイスブルー」はなかなか格好いいぞ
| ベル&ロスはこれで念願のアッパーマーケットへと進出できるかもしれない | このアイスブルーはおそらくかなりの人気が出るだろう さて、ぼくにとって購入頻度が非常に高い腕時計ブランドの一つが「ベル&ロ ...
続きを見る
これによって「強度」「軽量性」を高いレベルで実現することとなっていて、そしてこのBR-X5 カーボンオレンジでは「外側とベゼルインサートにカーボン、内側に挟み込むミドルケースは(ブラック仕上げの)チタン、そしてエッジはオレンジラバーという特殊な構造が考案され、現時点ではX5シリーズ唯一の「カーボンケース採用モデル」。※ミドルケースのエッジにラバーを採用しているのもおそらくこのモデルのみ
そしてベゼルとケースとの間にはオレンジラバーが挟み込まれることでアクセントとしても機能します。
ちなみに「上下ケース」の接合部分がほぼわからないほど「ぴったり」合わさっていることからもベル&ロスの技術力の高さを伺えますね。
秒針の先端はオレンジ、パワーリザーブの針そしてインジケーターもオレンジ。
文字盤そのものはマットブラック、そしてインデックスはアプライド。
反対側のビッグデイトはパワーリザーブ計との視覚的ボリュームを合わせるように「あえて」大きくデザインされたもの。
ミドルケールやベゼル外周、リュウズなどのチタンパーツはマイクロブラスト加工によってマットな仕上がりに。
ベル&ロスはそのデザイン性、加工技術を大きく向上させている
ケースサイズは41ミリですが、ベゼルが先細りになっていること、ラグが大きく(腕のカーブに沿って)傾斜しているため、そして文字盤そのものがコンパクトなためにけっこう小さな腕時計という印象も。
ストラップは立体的な構造を持つラバー。
クイックリリース機構を持たないのが残念ですが、「替えベルト」としてブラックラバーを改めて購入したいと考えています。
バックル(ステンレススティール製)はプッシュ開閉とフォールディング機構を内蔵。
ケースバックもチタン製(グレード2)、そしてスケルトン仕様。
ムーブメントはケニッシ社との共同により2年の歳月をかけて開発されたBR-CAL.323.(クロノメーター認定、パワーリザーブ70時間)。
ローターは「極薄」ハーフ仕様ですが、ベル&ロスは「マイクロローター」「360度ローター」など様々なローターをモデルによって使い分けており、それはその腕時計の機能や構造(表裏スケルトン仕上げ、トゥールビヨンなど)によって、ベル&ロスの求める機能やデザインを再現すべく、ムーブメントの開発パートナーを使い分けているため。
そう考えると、ベル&ロスは「既存技術を用いて腕時計を作る」ブランドではなく、「こんな腕時計を作りたい」とまず考え、それを実現できる方法を考え、あるいはそれをできるパートナーを探して理想の腕時計を作り上げるという手法を採用するブランドであり、「コンセプトありき」ということがわかりますね。
そしてそういった姿勢がBR-05、そしてBR-X5のようなヒットを作り出した根幹にあるものと思われ(近年の腕時計業界において、ヒット作を送り出すことは容易ではなく、”売ろう”と思えばヒット作の模倣を行うほうがはるかに簡単で、これが「腕時計はどれもいっしょ」になってしまう理由ではあるが、ベル&ロスはそうではなく自分たちで新しいトレンドを作ろうとしている)、こういった理念がぼくを惹きつけるのだと思います。
ちなみに今回のBR-X5はちょっと特殊な場で購入したため、ベル&ロスの創業者、カルロス・A・ロシロとブルーノ・ベラミッシュのサインが入ったケースを頂くことに。
参考までに、ぼくはベル&ロスの腕時計につき、創業直後から購入していますが(当時は取扱店を探すのが大変だった)、初期のベル&ロスは非常に「荒々しい」作りを持っていて、ベゼルを留める4本のビスの向きもバラバラ、時針や分針・秒針は「打ち抜いたそのままでエッジが未処理」、そして巻き上げローターは常にどこかに接触しているのかシャリシャリと音を立てていたものですが、今では「ビスの向きが全て揃い、針のエッジが美しく処理され、かつ薄く(針の薄さと技術力は比例すると考えている)、そしてローターもスムーズに回るようになり、ブランド立ち上げ当初に比較すると驚くほどそのクオリティを上げた、とも認識しています。
一方、その価格は(幸いなことに)クオリティほども上がっておらず、タグ・ホイヤーやオメガ、ブライトリングのように「クオリティ以上に価格が上がっている」とぼくが考えるブランドに比較すると非常にお買い得な設定を持っていて、かなり良心的な腕時計メーカーのひとつだとも認識しています。
もう一つ参考までに、ぼくは「イエロー」「オレンジ」が大好きで、この二色を持つ腕時計が増加中(中にはのちにストラップをイエローもしくはオレンジに購入したものもある)。
ベル&ロス BR X5「カーボンオレンジ」開梱&インプレ動画はこちら
合わせて読みたい、腕時計関連投稿
-
オメガ×スウォッチ「ミッション トゥ ザ ムーンフェイズ ニュームーン(スヌーピー)」を香港で入手。けっこう在庫が豊富にあるようだ【動画】
| 他のムーンスウォッチ、ブランパンの在庫もほぼ全種類が揃い、何かと購入を勧められたがすべて断ってスヌーピーだけを買ってきた | 一応香港でも「一人一本」の購入制限があるようだ さて、ムーンスウォッチ ...
続きを見る
-
パネライの限定腕時計「サブマーシブル ビテンポ ネイビーシールズ(PAM1323)」を買う。久々のパネライ、その進化ぶりに驚かされた【動画】
| パネライはこの数年で大きく品質を向上させている | そのぶん価格も高くなっているが、その妥当性は十分にあるといっていいだろう さて、ぼくに似合わない腕時計の筆頭であるパネライの腕時計を購入。ぼくは ...
続きを見る
-
細腕(15.5cm)にオメガやシャネル、カルティエ、ルイ・ヴィトン、ベル&ロス、ブライトリングなどの腕時計を巻くとどうなるのか?実際に身に着け印象を述べてみる【動画】
| 腕時計は数字だけで語ることはできず、やはり身に着けないとわからないことが多い | さらにその「存在感」はますます数値だけでは語れない さて、腕時計とは不思議なもので、それ単体を見ると格好良く見えて ...
続きを見る