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【試乗:アストンマーティン・ヴァンテージ】俊敏かつ軽快!アストンマーティン史上もっともピュアなスポーツカー

2018/11/13

| 生まれながらのプレデター、アストンマーティン・ヴァンテージに乗る |

さて、待望のアストンマーティン・ヴァンテージに試乗。
本国で発表された201711月以来、ぼくが非常に高い関心を寄せているクルマです。

基本構造は「DB11」とシェアするものの、レイアウトを「2シーター」へと変更し軽量コンパクトに仕上げたことがDB11との大きな差異で、DB11がGT(グランドツアラー)だとするとヴァンテージは「ピュアスポーツ」。※実際にプラットフォームの70%はヴァンテージのために新設計

さっそくアストンマーティン・ヴァンテージがどういったクルマなのか、そして乗った印象はどうなのかを見てみましょう。

アストンマーティン・ヴァンテージのスペックはこうなっている

アストンマーティン・ヴァンテージは上述のとおりDB11(V8)と多くを共有しますが、それはV8エンジンそのものも同じ。
エンジン自体はメルセデスAMGから供給を受けた4リッターV8ツインターボで出力は510馬力、そして「今のところ」トランスミッションは8速AT(ZF製)のみとなっています。

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0-100キロ加速は3.6秒、最高時速は314km/hを誇り、0-100キロ加速については同じエンジンしかもAMGがさらにチューンした585馬力のAMG GT Rと同じ数字であり、いかにヴァンテージが高性能であるかがわかりますね。

運動性能に直結するところだと、「電制デフ」「アダプティブダンパー」装着が大きなトピックで、アダプティブダンパーはこれは三つのドライブモード(スポーツ、スポーツプラス、トラック)の間で変更が可能。

アストンマーティン・ヴァンテージのデザインを見てみよう

ヴァンテージのボディサイズは全長4465ミリ、全幅1942ミリ、全高1237ミリ。
DB11がそれぞれ4739、1940、1279ミリであることを鑑みるに、より短く低く、やはりスポーツカー的だと言えます。

なお重量は1530キロで、DB11が1770キロもあることを考えると相当に軽いと言えますが、DB11に見られる装飾が大幅に削減され、それはもちろんヴァンテージの性質を考慮してのことではありますが、実際の見た目は「画像で見るよりずっと」DB11とは異なる、というもの。

もしかすると「アストンマーティンらしさ」ではDB11に軍配があがるかもしれず、DB11を選ぶ人も多いかもしれません。

ぼくがヴァンテージで気に入っているのはグッと絞り込んだサイド部と、そこへ取り付けられたサイドウイング。
これによって大きな「くびれ」が発生し、結果的にリアフェンダーを大きく見せています。

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そしてその「サイドウイング」はフロントやリアバンパーまで伸び、それぞれグリルやリアディフューザーと一体化。

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つまりデザインの連続性があると言ってよく、そしてその各部のデザインは抑揚が大きく「ダイナミック」。

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これまでアストンマーティンは「同じようなデザインのクルマ」が多かったものの、DB11とヴァンテージは一目見て完全に「違うクルマ」だと識別できるように外観上の差別化がなされているようですね。

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アストンマーティン・ヴァンテージに乗ってみよう

さて、さっそくアストンマーティン・ヴァンテージをドライブしてみましょう。
ドアはおなじみ「スワンスイング」で、ちょっと斜め上に開きます(しかも、ドアは段階的に開くのではなく、どこでも好きなところで止めることができる)。
そしてサイドが絞られているのでドアが開いた隙間から「足を出しやすく」乗り降りがかなり楽だと感じます。
このあたり「毎日乗っても負担を感じない」と思われるところですね。

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ボディの幅はDB11とほぼ同じですが、実際に乗り込んでみるとその印象は「かなりタイト」。
おそらくシートポジションも低いようで(全高も4センチほど低い)、相対的にセンターコンソールが高く感じられますね。

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そしてセンターコンソール周りのデザインはDB11とはかなりデザインが異なるもので、操作系が「左手を下ろした場所に集中している」というイメージ。
各スイッチの間隔も狭く凝縮感があり、このあたりもアストンマーティンがDB11とヴァンテージとの性格を分けようとしたということがわかる部分でもあります。

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シートを合わせてセンターコンソールにあるエンジンスターターボタンを押してエンジンをスタートさせますが、そのサウンドは精密さを感じさせるもので、不安定さやバラつきを感じさせるものではなく、このあたりはさすが「メルセデスAMGのエンジン」。

室内から聞く始動音はさほど大きくはないのですが、ほかの人が試乗に出かける様子を見ているとかなりそのサウンドは大きく感じられ、外から聞くと相当に刺激的な音を出しているようですね。

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なおヴァンテージにシフトセレクターレバーはなく、センターコンソールにある「D」ボタンを押すと自動変速モードに入って普通のAT車と同じように走行が可能となり、さっそくヴァンテージをスタートさせます。

面白いのはヴァンテージに備わるドライブモードが「スポーツ」「スポーツ+」「トラック」の三つというところですが、DB11ではこれが「GT」「スポーツ」「スポーツ+」の三つ。
つまりDB11では「よりスポーティー」な位置付けのドライブモードがヴァンテージでは「標準」というところですね。

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それだけヴァンテージが「スポーツ寄り」ということですが、実際に走ってみるとかなり「締まっている」という印象。
そこに曖昧さはなく、とにかくガッチリしている、という感じです。

そしてアクセル操作に対するレスポンスも良く(何と言ってもデフォルトが”スポーツ”モード)、ハンドリングに関してもDB11よりも俊敏でレスポンスに優れ、遊びが少ない模様。

そしてそのほかにDB11との差異が大きいと感じたのは「ブレーキ」。
DB11に比較するとけっこう「クイック」な印象を受け、踏み始めからガツンと効くようです。

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つまりは「走る」「曲がる」「止まる」すべてがDB11に比べピュアスポーツ寄りということになりますが、言うなればDB11とヴァンテージとの関係はメルセデスで言う「SLとAMG GT」。

つまり似て非なるのが両者ということになりますが、とにかく乗っていて気持ちいいのがヴァンテージ。

その気持ち良さはポルシェ718ケイマンにも通じるものがありますが、それおそらくフロントに積むのがV8エンジンという比較的軽いユニットであることに起因するものと思われ、これがV12だとまた違う結果になるのかもしれません。

実際にアストンマーティンは「ヴァンテージにV12を積むと、ヴァンテージの完璧なバランスが崩れる」とも語っており、それも頷ける鼻先の軽さを持っています。

https://intensive911.com/?p=119974

その後、運転に慣れてきたところでモードを「スポーツ+」へ、そして「トラック」へ。
感覚的には「スポーツ」と「スポーツ+」はそう大きく変わらず、しかし「トラック」に入れると性格は激変。

「トラック」はつまり「サーキット」という意味ですが、メーターのカラーが「レッド基調」となって視覚的な変更があるほか、シフトタイミングが「上に」変更され、アクセルに対するエンジンレスポンスが鋭くなり、エキゾーストサウンドも大きく変化します。

ちなみにステアリングと足回りについて、多くの車がそうであるよう「モード変更に連動」はしないようで、ステアリングについては速度に応じてその特性が変化し、ダンパーについてはステアリングホイールのスポーク「左」にあるロッカースイッチにてダンピングを変更可能(走行モードは右のロッカースイッチで変更)。

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「トラック」に入れても自動変速を維持できるのも独特な設定ですが(多くの車はサーキット走行専用モードに入れると、ATやDCTでも手動変速になる)、やはりトラックモードでは手動変速で走るのがベター。

そのほうが意のままにクルマを操ることができますし、なんといってもシフトダウンした時の「バブリング」がなんとも刺激的。

なおトラックモード時のエンジンサウンドは「かなりV8っぽい」音だと感じます。
アストンマーティンはAMGサウンドを消すべく独自のチューニングを行なっていると述べており、実際にAMGの「低いデロデロした音」よりも、ヴァンテージは「自然吸気エンジンに近い、高い音」を発するようですね。

結局どうなのアストンマーティン・ヴァンテージ?

最後にアストンマーティン・ヴァンテージの印象について、これは今までのアストンマーティンには無い、軽快で俊敏なピュアスポーツ。
ヴァンテージは「GT3」「GTE」といったレーシングバージョンをリリースしていますが、たしかにこれはレーシングカーへと転用するに十分なポテンシャルを持っていると感じます。

とにかくコントロール性に優れていて「意のままに操れる」という印象があり、走っていてとことん「楽しい」クルマ。
そして神経質さはなく、DCTのようなギクシャクした動きも(トルコン式ATなので)なく、とにかく乗りやすいスポーツカー。

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かつデザイン性は非常に高く、かつカスタマイズ性はクラス最高とも言え、インテリアのデザインも独自の世界観があり、実際に所有し乗っている時の満足感は格別なこと間違いなし。

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加えてメルセデスAMG GTと同じ加速性能を持つ車を1980万円で購入できるというのは驚きで、「アストンマーティン最大のヒット」となりつつあるのも理解できますね。

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試乗をお願いしたのはアストンマーティン八光さん

今回アストンマーティン・ヴァンテージを試乗させていただいたのはアストンマーティン八光さん。
八光さんとはレンジローバー・イヴォーク購入以来のお付き合いですが、色々とお世話になり大変感謝しています。

アストンマーティン大阪八光ショールーム

住所:〒556-0023 大阪市浪速区稲荷1-9-22(Google Mapで表示する
TEL:06-4392-1085
E-Mail:astonmartin-osaka@hakko-group.co.jp
定休日:水曜日
営業時間:10:00~19:00

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