| アストンマーティンDBR1はフェラーリ250テスタロッサと並び「トリプルクラウン」を達成したクルマ |
アストンマーティン内部の者を名乗る人物がカーメディア、Supercar Blogに語ったところによると、アストンマーティンは今年のどこかのタイミングにて、「DB1-R」にインスパイアされたスピードスター計画を公開する可能性が高い、とのこと。
なお、スピードスターは最近のちょっとした流行で、ポルシェが「70周年」記念の一部として911スピードスターを発表し、その後はフェラーリが新しい限定シリーズ「ICONA」からモンツァSP1/モンツァSP2を発表。
さらにマクラーレンも新たな「アルティメットシリーズ」として、過去の「M1」にインスパイアされたスピードスターを発売するとアナウンスしています。
これがマクラーレンの新型ロードスターだ!サイドウインドウなし、フロントウインドウは申し訳程度。運転時にヘルメットは手放せない
なぜ今スピードスター?
なお、スピードスターとは文字どおり「スピード」を最優先したクルマで、重心を高くするルーフはもちろん、フロントウインドウまでチョップしてしまったクルマを指すことが多いようです。
つまりは純度の高いスポーツカーということになり、最近の「なにかとハイブリッド」「余計なモノがついて重くなってしまった」スーパーカーに対する”反動”をメーカー、そして消費者も求めているのかもしれません。
フェラーリが50年代にインスパイアされた新セグメント「Icona」発表。第一弾として「モンツァSP1」「モンツァSP2」登場
正直なところ、ぼくは「ピュアさ」を追求し、軽量化のためにコストが掛かって車両価格が高くなることは許容できますが、環境規制のためにハイブリッドを積み、ピュアさが失われた上に価格が高くなるのは許容できないとも考えていて、であれば「スピードスターみたいなクルマが一番いいんじゃないか」と思うことも。
スピードスターは(屋根がないので)駐車場所等に苦労することになると思うものの、クーペボディを持つスーパースポーツであってもそのへんに簡単に駐車できるわけではなく、だとするとスピードスターでも大差はないのかもしれません(雨が降ると困りますが、ほとんどのスーパースポーツカーオーナーはそもそも雨の日には乗らない)。
アストンマーティンDBR1とは?
そして今回のオマージュ元となるアストンマーティンDBR-1。
これは1959年のル・マン24時間レースを(トニー・ブルックス/ノエル・カニンガム組が)制したことで知られ、加えて同年のニュルブルクリンク、ツーリスト・トロフィーでも優勝を飾り、「トリプルクラウン」を達成したクルマとして有名です。
なお、このトリプルクラウンを成し遂げたのは、ほかにフェラーリ250テスタロッサのみ、といえばその偉業の度合いがわかりやすいかも。
もちろんアストンマーティンDBR1は純然たるレーシングカーとして生を受け、生産台数はわずか5台。
4台はアストンマーティンのレーシングチーム、1台はプライベーターが使用したという記録が残り、現存するのは4台のみ。
エンジンは2,493cc直列6気筒、トランスミッションは5速マニュアル、駆動方式はFR、車体重量はわずか801kg。
ボディサイズは全長4,026ミリ、全幅1,630ミリ、全高は978ミリと非常にコンパクト。
もしアストンマーティンがこのクルマを現代に蘇らせるとなると、おそらくは「6気筒」を使用することはないと思われ(そもそも現在アストンマーティンは直6を持たない)、他社との対抗上、そしてアストンマーティンらしさを出すために「V12エンジン」を搭載するのかも。
なお、アストンマーティンDBR1は現在「もっとも高い価値を誇る」クラシックカーのうちの一台で、直近の落札価格は25億円ほどを記録しています。
とんでもなくブッチギリな高性能を誇る「ヴァルキリー」もいいですが、優雅なフロントエンジンのスピードスターを、最新のテクノロジーにて再現したクルマにも乗ってみたいものですね。
VIA: TheSupercarBlog