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アストンマーティン「今後、ロードカーもF1と同じ思想で開発する。1/10秒を削るために思案をめぐらし、常にライバルを注視し、その先をゆくことでベストであり続ける」

アストンマーティン「今後、ロードカーもF1と同じ思想で開発する。1/10秒を削るために思案をめぐらし、常にライバルを注視し、その先をゆくことでベストであり続ける」

| アストンマーティンは新しい経営者を迎え、大きく変革しつつある |

そしてアストンマーティンは、過去を尊重しながらまったく新しい方向へ向かおうとしている

さて、ここ最近大きく方向転換を図っているアストンマーティン。

具体的には「数から質へ」、そしてミドシップ量産車計画をキャンセルして「ミドシップカーはすべて超高価な限定モデルへ」、そして「コアバリューを超高級、超高性能」と設定し、それに向かって進んでいるわけですね。

そして今回、アストンマーティンの最高技術責任者であるロベルト・フェデリ氏がカーメディアに対して語ったのが「今後、F1プログラムと同じアプローチでロードカーを開発する」ということ(技術面のみではなく、思想面も含むようだ)。

今後、アストンマーティンは新しいDNAに沿って変革を進める

アストンマーティンは上述の通り大きくブランドシフトを行っている最中ではありますが、これは経営者が現在のローレンス・ストロール氏(現アストンマーティン会長)へと変わったからであり、しかしひとつ留意すべきなのは「ローレンス・ストロール氏は、自身の好みに基づきアストンマーティンを変えようとしているのではなく、アストンマーティンをビジネスとして成功させるのに最も確実な方法を選んでいる」ということ。

これは同氏が投資家そしてビジネスマンであるということに起因しているのだと思われますが、その成功のためにアストンマーティンを慎重に見直し、そこで成功するための要素としてピックアップしたのが「超高級、超高性能」というファクターなのだと思われます。

そしてローレンス・ストロール氏が正しくアストンマーティンを(ビジネスとして)成長させようとしている証左が「エンブレムをクラシカルなスタイルに戻したこと」で、これは過去の伝統を重視したからにほかならない、と捉えているわけですね。

さらには新体制下となってはじめて発表されたニューモデル「DB12」についても、「DB」という伝統のネーミングを採用し、そしてスタイリングにおいても「アストンマーティンらしさ」を意識しており、こういったところはしっかりとアストンマーティンの価値を理解していないとできないことかもしれません。

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アストンマーティンはF1チームであっても、ロードカーであっても、同じ思想のもとに行動する

そしてこのDB12につき、前出のロベルト・フェデリ氏がはじめて監督したアストンマーティンとなっていますが(同氏は1年前にアストンマーティンに加入している)、このDB12の開発に際し「私は、ブランドの新しいDNAに従って製品を変えるよう、ローレンス・ストロールから説明を受けました。ブランドの”強み”を活かすという新しい方針に従い、その強みをより明確に定義する必要があったのです。アストンマーティンは、現在、その”強み”を重視しています。並みの製品を作るメーカーと見られたくはありませんでした」とコメント。

さらには「アストンマーティンは常にベストを目指します。それがローレンス・ストロールの想いでもあるのですが、この思想の根本は我々のF1チーム(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ・ワン・チーム)とも共通します」とも。

同氏が言うには、「F1チームでは毎日、ライバルに10分の1差をつけるため懸命に働き、かつ常に自分たちの周囲を見渡してライバルと比較し、その先を行くようにしなくてはなりません。自分たちしか目に入らないようでは勝てないのです」。

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こういったF1チームが置かれる”厳しい競争”がアストンマーティンのロードカービジネスにも反映されているといい、つまりは「ライバルを研究し、その動きに注視し、そのうえで自社の強みを最大限に発揮してライバルの先をゆく」のが新しい方針だということになりそうですね。

これは、前々CEOの「他社と同じ土俵で勝負すべく、アストンマーティンもミドシップスーパーカーを発売し、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンに対抗する」という方針と似て非なるもので、似ている部分としては”ライバルを研究する”、しかし根本的に異なるのは”ライバルにぶつける製品を開発する”のではなく”ライバルが持たない(自社ならではの)強みを製品に与え、ライバルとは比較されないような、しかしそれを選んでもらえる製品を開発する”ということなのかもしれません。

そしてロベルト・フェデリ氏は現在の(F1と同じ思想に基づいてアストンマーティンのロードカーを開発するという)仕事につき、「これほどエキサイティングなプロジェクトは、世界でも他にないと思います。このブランドは、過去を尊重しながらも、まったく違う方向へ向かおうとしているのです」とも。

そして今後のヒントとして、「フェルナンド・アロンソは、(ロードカーの)能力にも興味を持つ数少ないF1ドライバーの一人です」とも語っており、もしかすると(アルピーヌ在籍時にそうであったように)フェルナンド・アロンソが開発に関わったアストンマーティンのロードカーが登場することになるかもしれませんね。

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参照: Autocar

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