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ベントレーがV字回復を遂げ黒字化。日本ではなんと前年比87.7%の伸びを示し「史上最高」の台数を記録する可能性が大。その成長のヒミツとは?

2019/11/03

| それはシックな高級さを持つロールスロイスに対し、きらびやかな高級さを押し出して差別化が明確になったから(だと思う) |

レスポンスによると、2019年1月〜9月におけるベントレーのグローバル販売は7,224台を記録し、売上高が前年比18.2%増の13億ユーロにのぼった、とのこと。
なお、この伸長によって同期間の営業利益が6500万ユーロとなり、前年の赤字(マイナス1億3700万円ユーロ)から黒字転換を果たすことに。
そして驚くべきは日本市場における成長で、なんと前年比87.7%の伸びとなる396台を販売した、と報じています。

ちなみにここ数年のベントレーの販売を追ってみると、2015年が370台、2016年が434台、2017年が418台、2018年が437台。※いずれも年度での集計
それ以前の2008年までさかのぼったとしても今年ほど販売台数が伸びている、そして多い年はなく、このままのペースでゆけばまず間違いなく今年は日本におけるベントレーの「新記録」が生まれそうですね。

伸びているのはコンチネンタルGT、コンチネンタルGTコンバーチブル

そしてこの成長を牽引しているのは、コンチネンタルGTそしてそのオープン版であるコンチネンタルGTコンバーチブルだと報じられており、たしかにこれは最近良く見かけるようになったクルマ。

現行コンチネンタルGTそしてコンチネンタルGTコンバーチブルは、先代のデザインイメージを踏襲した内外装を持っていますが、ベントレーならではの「きらびやかな」豪華さを追求したことが奏功したのかも。

例えばロールスロイスもそのずば抜けた高級さを持つことで知られるものの、こちらは意外と「シック」。

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対するベントレー最新モデルはメッキやポリッシュパーツを多用し、複雑な凹凸を用いた「きらびやかな」外装が特徴。

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こういった傾向は2019年に発表されたコンセプトカー「EXP100GT」にも顕著で、「目ヂカラ」が強いデザインが印象的。

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なお、こういった「ヘッドライト強調」はかつてのベントレーの名車「ブロワー」に顕著であり、最近のベントレーはこれを意識したデザインを行っている、と言えそうです。

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ロールスロイスとベントレーとは同じ会社の仲間だった

ちなみにロールスロイスとベントレーはもとはというと同じ会社。
ロールスロイスは1906年に創業され、1931年に(それまで別会社だった)ベントレーを吸収しています。
この後は「ロールスロイスはサルーン、ベントレーブランドはスポーツカー」というイメージで展開を行い、その後1988年にロールスロイスとベントレーとがそれぞれBMW、フォルクスワーゲンへと売却されることに(この辺の経緯は複雑で、新生ロールスロイスのスタートは2003年から)。

そういった経緯もあって、ベントレーはこれまで「ロールスロイスのサブブランド」的なイメージもあって、ロールスロイスに対して明確な差異を発揮できなかったのだと思われるものの、近年ではそのルーツに立ち返ったデザインを行うことで「ロールスロイスとは異なる」高級感を打ち出し、独自性を強めるとともに確固たるファンを増やしているものと思われます。

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端的に言うならば、ロールスロイスは「シックな高級さ」、しかしベントレーは「わかりやすい高級さ」を持つということで、同じ高級車であっても異なる路線を採用したということになり、それが外装だと「きらびやかなグリルやトリム」「キラキラしたランプ類」、インテリアだと「メッキパーツや木目、シートのステッチ」ということになりそう。

加えてギザギザの「ナーリング加工」をインテリアに多用し(一部オプション)、それと同じ意匠をヘッドライトやテールランプに採用していることもブランドとしての先鋭化を進めることになり、こういった方向転換がベントレーを成功に導いたのかもしれませんね。

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