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「EVブランド」へと仕切り直したロータスが危機を迎える。昨年比で売上は増加したものの目標に届かず予定販売台数を46%引き下げ、損失が拡大したことで「計画再考」

2024/08/30

ロータス

| 当初の計画では「現在の倍以上」のクルマが販売されているはずであったが |

実際には思ったようにクルマが売れず、追い打ちをかけるように米国と欧州が「中国製EVへの高額関税」を発動

さて、ロータスが2024年第2四半期に「納車台数が大幅に増加したにもかかわらず、数億ドルの純損失を被った」ことが明らかに。

これはロータス・グループからスピンアウトして上場し、自動車の製造と販売を担当するロータス・テクノロジー(つまりこれが自動車メーカー/ブランドとしてのロータスとなる)が発表したもので、2024年第2四半期の純損失が2億200万ドルとなり、2023年同時期における1億9,300万ドルから増加した、とのこと。

参考までに、ロータスは2024年に入って現在までに4873台の自動車を販売しており、これは2023年比で164%の増加です。

この急増は、ロータスの2つの新しい電気自動車、つまりエレトレ(SUV)とエメヤ(セダン)の納車開始に起因しており、それらの納車台数は2023年同時期の871台を大きく上回る2,389台。

一方でスポーツカーのエミーラの販売も好調で、昨年同期の568台から2024年では2,484台へと伸びていますが、これは(昨年は計上されていない)米国市場にて販売を開始したことが大きく寄与しているとも伝えられています。

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販売好調にもかかわらず、なぜロータスは大きな損失を被ったのか

そこで気になるのが「なぜ販売がここまで伸びたのに損失が拡大するのか」。

2024年上半期だとロータスの売上高は239%の増加を記録していますが(四半期では2億2,500万ドル、昨年はわずか1億1,100万ドル)、それでもこれは同社の「計画した」ほどの数字ではなく、事業拡大に関連する販売およびマーケティング費用が負担となっているのだそう。

つまり、予定していた販売ペースに達するまでは「黒字化」できず、現時点では「売れども売れども赤字」ということになりますが、販売台数については今後大きく伸ばせる見込みがなく、よってロータスは2024年の納車目標台数を26,000台から半分以下の12,000台へと下方修正しています。

ただ、この下方修正に大きく影響しているのは「エレトレとエメヤ」という2つのSUVで、しかしこれらが「人気がなくて売れない」というわけではなく、アメリカと欧州で導入された「中国製EVに対する関税の影響」によるところ。

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現在ロータスは中国の吉利汽車傘下にあり、そのためエレトレとエメヤは同グループ内のブランド(ポールスター、ボルボ、Zeeker、Lynk&Coなど)と一部車体やコンポーネントを共有し中国で製造されており、よってロータスが見込んでいた主戦場である米国と欧州では「高額な関税を課される対象」となってしまい、結果的に車両価格が高くなって売れなくなってしまうわけですね。

よってロータスはこういった不確実性を織り込んで販売目標を引き下げ、そして新しい計画「Win26」を発表しています。

これは「2026年までにキャッシュフローがプラスになるよう」社内構造を最適化してコスト管理を徹底し、製品をグローバル市場向けに再調整するという内容を含んでいますが(これから発売される予定の”2つの”EVの計画がキャンセルされるかもしれない)、状況は「ロータスの思惑を離れ」思わぬところで動き出しているというところでもあり、しかし今後の展開に期待したいと思います。

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参照: Automotive News

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