パワーウエイトレシオもマクラーレンのプロダクションカー史上最高
マクラーレンが「セナ」をベースにしたサーキット走行専用モデル、「セナGTR」の最終スペックを公開。
スピードテール同様、先行発表がなされていたものの「市販」モデルのスペックはこれまで確定しておらず、そこで今回晴れて「諸元が決定」したということになります。
そしてマクラーレンによると、セナGTRは、「これまでに生産したクルマの中で、F1マシンを除くとこれより速いクルマはない」。
マクラーレン・セナGTRのスペックはこうなっている
そして今回発表されたマクラーレン・セナGTRにつき、まずエンジンはおなじみの4リッターV8ツインターボ。
出力は825馬力とも公開されており、これはロードカーバージョンのセナに比較すると「+25馬力」。
これはエンジンコントロールプログラムの変更、公道走行可能な基準に合わせる必要はないので「第二触媒」を外したことによって達成しています。
そして重量は1188キロ。
公道走行可能なセナの重量が1198キロなので10キロのみの軽量化にとどまるものの、逆に考えれば「通常のセナでも限界まで軽量化がなされている」。
マクラーレンP1においてもそのサーキット専用モデル「P1 GTR」が存在しますが、こちらはP1に比較して+84馬力の1000馬力(ハイブリッド含む)、そして車体重量は1400キロ(1440キロという情報も)。
ただしこれは公道走行可能なP1の1395キロよりも重く、その理由は謎です。
セナとセナGTRは思ったよりも差が小さい?
ただ、「パワーウエイトレシオ」という観点では「P1に対するP1 GTR」の向上比率よりも「セナのセナGTRに対する」向上比率のほうが小さく、となるとP1 GTRのように「これをわざわざ公道走行可能な仕様へとコンバートする」必要はないのかも(セナをチューンしたほうがよほど安上がり)。※セナGTRのパワーウエイトレシオはマクラーレンが生産したクルマの中では”F1マシンを除いて”最高値を誇る
セナGTRのトランスミッションは7速シームレスシフトギアボックス(SSG/デュアルクラッチ)で、これは公道走行可能なセナと同じ。
ドライブモードについては「ウェット、トラック、レース」が選択可能です。
なお、セナGTRはダウンフォースを追求したために最高速はセナに比べて10キロマイナスの330km/h。
サスペンションについてはマクラーレンのGT3レースプログラムから直接フィードバックを受けたものを使用している、とのこと。
セナGTRの生産台数は75台のみで、購入権を持つのはセナ(150台限定)を購入済みのオーナーだけ。
価格は1億6000万円、とアナウンスされています。
参考までにマクラーレンP1の生産は374台で価格は1億円ほど。
そしてサーキット走行専用の「P1 GTR」の生産は58台のみで(やはり購入できるのはP1のオーナーだけ)、価格は3億円だと言われており、価格差についても「セナとセナGTRのほうが小さい」ということに。
これはP1とP1 GTRとの関係に比べてセナとセナGTRとの間では「サーキット走行専用にアップグレード」されている幅が小さいとも考えられますが、やはり「セナはもともとサーキットに特化したハイパーカーであり、そもそも改良の余地が少ない究極のクルマ」である、とも言えそうです。