| 空力のために多くを犠牲にし、全長は5.2メートルと超ロング |
マクラーレンの正規ディーラー、マクラーレン・ブリュッセルが自身のFacebookページに、スピードテールの画像を投稿。
マクラーレン・スピードテールは1993年に発売された「F1」の後継とも受け取れる限定モデルで、かつてF1が市販車における最高速(公式記録として残るのは386km/h)を記録したことに敬意を表しつつも、403km/hという破格のトップスピードを標榜するハイパーカー。
限定台数は106台、価格は2億4000万円程度だと言われています。
なお、マクラーレンはそのラインアップとして、このスピードテールやセナ、エルヴァが属する「アルティメット」シリーズ、720Sや765LTで構成される「スーパー」シリーズ、540や570系を抱える「スポーツ」シリーズ、そして「GT」を持っています。
いずれも同じカーボン製モノコックシャシー、そしてV8ツインターボエンジンを持ち、さらにはミドシップに後輪駆動という「よく似た」パッケージングを持つものの、それぞれにおいては被らないようにキャラクターを分けているのもまた事実。
実際に「アルティメット」シリーズだと、サーキット走行にフォーカスしたセナ、原始的な走る楽しみに特化したエルヴァ、そして最高速とツーリング性能にシフトしたスピードテールといった感じ。
マクラーレン・スピードテールは突出した最高速を誇る
マクラーレンのクルマは基本的にサーキットでの走行性能を追求していて、したがって加速性能が重視されているために最高速はさほど重要ではなく、いずれのモデルでも最高速は340km/hくらい(これでも相当に速い部類ですが)。
ただしこのスピードテールについては、サーキット走行性能の代わりに最高速を追求したという(マクラーレンにとっては)珍しいモデルであり、よってほかのモデルとは大きくかけ離れた403km/hというトップスピードを持っています。
そして、その速度域を実現するためにはなにより「空力」が重要であり、スピードテールではこれまで以上にエアロダイナミクスに注力しています。
とことん突起物を削ってなめらかなボディ表面を実現していますが、そのためにはドアミラーも廃止してカメラに置き換えたほど(後方確認用カメラはほとんどの国で認可されておらず、登録できない国が出てくるが、それも認識の上で)。
スピードテールは昨年1年かけてロードテストを行っていて、今年2月から生産・納車が開始されると報じられており、タイミング的に見ると、おそらくこの個体は「顧客のもとへと納車されるプロダクションモデル」と考えられます。
フロントスプリッター、サイドウイング、リアディフューザーはカーボンファイバーを用いているようですね。
マクラーレン・スピードテールのテストは最終章へ。最高速403km/hを達成して有終の美を飾り、2020年2月から納車開始
今までにないボディカラーを持っていますが、そのためか印象もまた新鮮。
空力性能を第一義に考えて設計されているのは上述のとおりですが、デザインならずボディデザインも大きく(ほかのマクラーレンと)異なっているのも特徴です。
そして高速安定性を追求したということもあって「ロングテール化」され、その全長は5.2メートル(メルセデス・ベンツSクラスやポルシェ・パナメーラよりも長い)。
ホイールのスポークは「ブレード」形状ですね。
フロントホイールにはカーボン製のエアロカバー。
おそらくこの画像では段差を考慮し「車高を上げている」状態だと思われますが、逆に「ヴェロシティ(速度)モード」では通常の走行状態より車高が35ミリダウンする、とのこと。
フロントフェンダー状の突起物は後方確認用のカメラで、これもヴェロシティモードでは格納されるのかもしれません。