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マクラーレン「チップの保有在庫と供給が枯渇した・・・」。そのため新型車アルトゥーラが3度めの生産延期となり2022年7月から生産開始

2021/12/29

マクラーレン・アルトゥーラ

| まだまだチップ不足の余波は続きそうだ |

現在各社とも対応中なるも「すぐ」での増産はかなわず、早くとも半年ほどは準備期間が必要に

さて、マクラーレンが発表した新型「プラグインハイブリッド」スーパーカー、アルトゥーラですが、生産開始が「三たび」延期されることになったとの報道。

ただしこれはマクラーレン側になんらかの問題が生じたわけではなく、例によって「チップ不足」が原因です。

報じられた内容だと生産開始は2022年7月まで延期されるとのことで、「エルバや765LTスパイダーなどの利益率の高いモデルの生産に、限られたチップ供給を優先させる」とも報じられているため、それまでの間に一気にエルバ、765LTスパイダーを生産してしまうのかもしれませんね。

残念ながら半導体の在庫が枯渇

なお、マクラーレンの広報担当、ロジャー・オルミッシャー氏によると「生産停止に関しては他社よりも長く持ちこたえたが、残念ながら半導体の供給が枯渇してしまった」とコメントしており、この結果として生産台数が減ってしまううえ、アルトゥーラの生産が遅れることとなってしまうわけですね。

近年、この半導体不足については自動社メーカーに大きなダメージを与えており、生産台数が大きく減少していますが、マクラーレンのように生産台数が少ないメーカーにとっても、トヨタやフォルクスワーゲンのように生産台数が多いメーカーにとっても、このチップ不足は等しく深刻なダメージを与えることになりそうです。

ただ、ロジャー・オーミッシャー氏は「この現象は一時的なもので、現在供給は少しづつ戻り始めている」とコメントしているものの、様々な予測を見るに、”現在進行中”であるチップ危機は2022年まで、場合によっては2023年まで続く可能性が高いのかもしれません。

マクラーレン・アルトゥーラ

チップ不足はまだまだ改善しそうにない

なお、上述の通り、このチップ(半導体)不足についてはまだまだ続くと考えたほうが良く、大方の予想では2023年半ばくらいまで続くもよう。

そもそも「チップ不足」となった背景については、コロナウイルスの蔓延によって在宅ワークが普及し、そこでPCやモニターほか通信機器の需要が高まったこと(そして、それに使用されるチップの消費量が増加した)がことが理由だとされています。

そして自動車については、コロナウイルス拡大初期において大きく生産が減少し、そのためチップのサプライヤーに対して「供給を減らすよう」指示していたケースも見られ、こういった事情を鑑み、チップメーカーは「自動車向けチップの生産を減らし、電子機器向けのチップを増産する」という動きを取ったわけですね。

ただ、その後思ったよりも早く自動車の需要が回復するに当たり、自動車メーカーはチップメーカーに対して「チップをたくさん納入するように」と要求するも、チップメーカーはすでに電子機器向けのチップ増産のために設備を変更しているので(一様にチップといえども、納入先によって使用が違うので転用はできない)すぐには自動車向けのチップを増産できないという事情が存在します。

そして自動車向けチップの製造ラインを組み直すにはいったん稼働している生産ラインをストップさせる必要があり、しかし現在電子機器向けにフル稼働させているラインをすぐには止めることができず、電子機器向けのチップの生産(と需要)が一段落するまで待つ必要があり、そのために「しばらくは」自動車向けのチップを増産することが難しい、というのが一般に語られている事情のようですね。

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参照:Automotive News

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