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ブガッティ・シロン後継モデルにはW16エンジンの搭載「無し」。デザインチームはすでに小型・小排気量エンジンの搭載を前提に動いているようだ

ブガッティ・シロン後継モデルにはW16エンジンの搭載「無し」。デザインチームはすでに小型・小排気量絵エンジンの搭載を前提に動いているようだ

| たしかに公式に「W16エンジンを積むのはミストラルが最後」だと語られている |

しかしブガッティが他ブランドのクルマよりも小型のエンジンを積むというのは想像が難しい

さて、先日ブガッティはシロン世代最後のハイパーカー、そして初のオープンモデルである「W16ミストラル」を発表していますが、この発表の場では非常に重要な発言がなされており、それはこのW16ミストラルが「W16エンジンを搭載する最後のクルマになる」ということ。

この事実は公式プレスリリース内でも言及されていて、さらに今回、モンタレー・カーウィークにて、ブガッティのデザインディレクターを務めるアキーム・アンシャイト氏がカーメディアに対し、「エンジンを小型化する」という内容について語っています。

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ブガッティは可能な限り大排気量ガソリンエンジンを維持する考えだったが

なお、ブガッティは前CEO、ステファン・ヴィンケルマン時代には「ガソリンエンジンを継続し、ハイブリッド化を行わないまま(規制によって制限されるまでは)行けるところまで行く」と明言しており、その意図としては、ブガッティのクルマはいずれも芸術品としてのコレクターズアイテムとしての価値を持ち、しかしハイブリッド化するといずれはバッテリーの劣化等によってバッテリーを交換する必要が生じ、そうなると「オリジナルの状態をキープできない」というもの。

クラシックカーにおいては、車体、エンジン、トランスミッションなど、それを構成するユニットのシリアルナンバーが工場出荷時と同じ「マッチングナンバー」を維持しているかどうかが非常に重要となりますが、電動化された車両ではこのマッチングナンバーが長期的に維持できないというわけですね(加えて、保管が前提のクルマでもあるので、駆動用バッテリーが完全放電する可能性もあり、その際の対処にも懸念が残る)。

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しかしながらブガッティはその後、親会社であるフォルクスワーゲンから「グループ全体の戦略にそぐわない」として売却が検討され、しかし売却はなんとか免れるも、リマックとポルシェとの管理下に置かれることになり、「ブガッティ・リマック」なる新会社が設立され、発行済株式の51%はリマックが所有し、かつCEOにはリマックと兼任にてメイト・リマック氏が収まることに。

つまりブガッティは「電動ハイパーカーのみを開発・製造する」リマックの(事実上の)傘下に置かれることになり、その方向性を余儀なくされたわけですが、そしてリマックが主導権を握るからには、今後「ガソリンオンリー」を続けるわけにはゆかず、そしてこれからのブガッティは電動化の道を進むということに。

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電動化時代のブガッティはどうなる?

そこで新しい電動化時代のブガッティについて、今回アキーム・アンシャイト氏は「小型エンジンの存在がデザインに新たなチャンスをもたらす」とコメント。

具体的にエンジンのシリンダー数や排気量が小さくなるとは明言していないものの、上述のとおりW16エンジンは今後搭載されることはなく、つまりブガッティにもダウンサイジングの波が押し寄せるのは明らかで、アキーム・アンシャイト氏は「我々は、これまで送り出したクルマについて、1cm単位でその構造を熟知しています。よって、電動化によってもたらされる変化をチャンスへと変えることができ、その変化、つまりどこをどうすればどうなるかを正確に把握することができるのです」とも。

これからブガッティのエンジンはコンパクトそして小排気量へとシフトすることになるかと思いますが、それによって「空き」スペースも生じ、さらには前輪をエレクトリックモーターによって駆動させることでプロペラシャフトやセンターデフ、フロントデフの存在も不要となります。

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一方でバッテリーやエレクトリックモーターを搭載する必要もあり、これまでとは全く異なる手法にてクルマを再構築しなければなりませんが、ブガッティにて副デザインディレクターを務めるフランク・ヘイル氏は「新しいブガッティのクルマはミストラルよりも素晴らしいクルマとなります。プロポーション的にも、技術的にも、革新性においても、意外性においても、驚くようなクルマになるでしょう。このクルマに携われることは、本当に幸せなことです」と述べ、すでに具体的なプランが存在するもよう。

なお、ブガッティと同じくフォルクスワーゲングループ傘下にあり、そしてやはり同じように放出の危機にひんしたランボルギーニも電動化を進めていて、ウラカン後継モデルについてはV10エンジンを捨てるというウワサも。

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つまりはグループ上げて小排気量化に向けて一直線といったところではありますが、ブガッティの場合は「他を圧倒する大排気量エンジン」搭載がひとつのアイデンティティであっただけに、いかにエレクトリック化によって総合出力が向上したとしても、その核となるガソリンエンジンが「V8やV6」では排他性を維持することはできず、もしかすると、ランボルギーニがアヴェンタドール後継モデル用に開発している新型V12エンジンを(そのコスト吸収のために)採用するんじゃないかと考えたり。

ただしブガッティが「他ブランドのクルマと同じエンジンを(たとえそれがランボルギーニであったとしても)積む」というのも考えにくく、とにかく追加での公式コメントを待つしかなさそうですね。

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参照:Autocar

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