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ブガッティ史上「最高落札額」が10億円超へと更新される。ブガッティのコレクターが死去し、個人で運営していた博物館から複数台が出品され「軒並み高額落札」に

ブガッティ史上「最高落札額」が10億円超へと更新される。ブガッティのコレクターが死去し、個人で運営していた博物館から複数台が出品され「軒並み高額落札」に

| まさか個人でこれまでのコレクションを保有し、それを博物館として公開していた人物がいようとは |

欧州の自動車に関する歴史は古く、まだまだ驚きのコレクターが存在するのかもしれない

さて、ブガッティが「同社史上、オークションでの最高落札額が更新された」と発表。

記録を更新したのは1936年型のタイプ57Cアラヴィス「スペシャル・カブリオレ」で、その価格はなんと660万5000(現在の為替レートだと約10億300万円)だとアナウンスされており、しかもさらに驚かされるのは予想落札価格である250万ドルを遥かに超える金額で落札されたこと。

今回のオークションはグッディング・アンド・カンパニーが主宰したもので、そのタイトルは「マリン・コレクション」。

これは旧マリン自動車博物館から提供されたものだからだそうですが、この旧マリン自動車博物館はなんと個人のコレクションを一般向けに公開していたもので、しかし2023年9月に創設者であるピーター・マリン氏が死去したために惜しまれつつも”永久閉鎖”されたのだそう。

マリン自動車博物館からは複数のブガッティが出品される

このマリン自動車博物館は、フランスのクラシックおよびアールデコ自動車の世界最大のコレクションとしても知られており、さらにピーター・マリン氏はとくにブガッティの熱心なコレクターでもあったと報じられ、ブガッティ創業者の父であるカルロ・ブガッティ(家具・宝飾品デザイナーであった)の制作した家具75点以上、エットーレ・ブガッティの弟で彫刻家のレンブラント・ブガッティの手掛けた多数の作品、そしてもちろん多数のブガッティ車が所蔵されているそうですが、この博物館のハイライトは1936年型のタイプ57SC アトランティック(タイプ57SC アトランティックは世界に3台しか現存しないと言われ、世界でもっとも高価なクルマのひとつ、ラ・ヴォワチュール・ノワールのオマージュ元として知られる)。

Bugatti (4)

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ただし今回のオークションではタイプ57SC アトランティックは出品されず(もし出品されていたらとんでもない金額で落札されていたであろう)、それでも1938年型ブガッティ・タイプ57Cアラヴィス「スペシャル・カブリオレ」が上述の通りブガッティのオークション史上最高となる10億円超で落札されることとなっています。

このタイプ57Cアラヴィス「スペシャル・カブリオレ」は、今日まで生き残ったガングロフボディを持つアラヴィスのわずか3台のうちの1台で、ブガッティチームのレーシング ドライバー、モーリス・トランティニャンのためにアヴィニョンの代理店であるグラナト & フィスが(当時)新車にて発注したもの。

シャーシナンバーは57768mダークブルーのフェンダーとトリムを備え、アイボリーのボディワークを備え、1939年のコマンジュグランプリではモーリス・トランティニャンのドライブによって成功を収めます。

なお、この車両がマリンコレクションに収まったのは2002年で、2005年にはサージェントメタルワークスによってフルレストアを受けたと説明されていますが、ブガッティのクラシックモデルは現存数が非常に少なく、常に流通しているわけではないので、いったんオークションに登場すると「これまでの落札履歴をはるかに超える」額で取引されることも珍しくないのかもしれません(売り物が出れば、お金に糸目をつけないコレクターが多いのだと思われる)。

Bugatti (3)

さらにはタイプ46 セミプロフォレクーペも「タイプ46 の世界記録」を破り、最低価格の 65 万ドルに対して110万5000ドルで落札されており、こちらはセミプロフィレスタイルのボディを持ち、プラハのブガッティ代理店ウラジミールグートによって新車で注文され、複数オーナーの手を経た後にマリンコレクションへと加わり、2000年代初頭には修復作業が行われています。

そのほか、1927年製のタイプ40 「ブレイク ド シャス」を含む”未レストア”のブガッティ数台もエスティメイトをはるかに上回る金額で落札されたといい、このタイプ40 「ブレイク ド シャス」は 1927年12月2日に注文され、最初のオーナーであるフェルナンド・ハックに引き渡されたのち、1930年代から1940年代にかけて木製の「シューティング ブレーク」ボディに改造されたという経緯を持つのだそう(落札価格は44万5000ドル)。

Bugatti (2)

このほかタイプ57 ヴァントゥー モデル(オリジナルのエンジンとボディワークを搭載)、1927年製タイプ40 フェイク カブリオレ、1931年製タイプ40A ロードスターも予想の2倍以上の落札価格を記録しており、あらためてブガッティの人気、そして価値の高さには驚かされます。

ブガッティは常に、自動車コレクターにとって最も尊敬されるブランドの一つであり、どのクルマであっても歴史、美しさ、革新性の宝庫です。 グッディング&カンパニーによるこれらの最新のオークション結果は、ブガッティに対する需要が維持されているだけでなく、加速していることを明らかにしています。 ブガッティの歴史の新たな一片を所有したいと願う情熱的な顧客間の熾烈な入札合戦により、期待をはるかに上回る価値が押し上げられました。 それはすべて、私たちのモデルの時代を超えた魅力のおかげです。 そのデザインと純粋さにおいて、ブガッティは他のものとは異なり、その DNA を私たちが現在、そして将来行うすべてのことに最も蒸留された形で適用しようとしています。

ブガッティ・オトモービルCEO クリストフ・ピオション

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参照:Bugatti

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