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マツダ・アテンザにリコール。調べてみたらマツダ、スバルの「リコール率」がトヨタの7倍以上だった件

2017/06/23

マツダ・アテンザにリコール。
パーキングブレーキの制動力が低下し、最悪の場合は(パーキングブレーキをかけていても)車が動き出す、というもの。
発表の内容は下記の通りです(対象となる生産期間は平成24年10月2日~平成28年6月13日、対象台数は49,166台)。

後輪のブレーキキャリパにおいて、ブーツのシール構造が不適切なため、キャリパ内部に水が浸入し、シャフトに錆が発生し腐食することがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、シャフトの摺動性が悪化し、駐車ブレーキの制動力が低下し、最悪の場合、車両が動き出すおそれがある。

製造物である以上リコールは常に付きまとうもので、リコールを届け出てちゃんと対応を行う、というのはいいことだと思います。
ただ、マツダ・スバルはちょっとリコールが多いような印象があり、ここで正確に数字で見てみよう、ということに。
件数は国土交通省への届け出から拾ってきたものですが、リコールの件数は下記の通り(主要ブランドだけ抜き出してある。6月までの累計)。

トヨタ/レクサス・・・8件
ホンダ・・・3件
日産・・・5件
マツダ・・・7件
スバル・・・6件
メルセデス・ベンツ・・・12件
BMW・・・9件
ポルシェ・・・4件

こうやって見るとメルセデス・ベンツやトヨタ、BMWの件数が多く、メルセデス・ベンツは圧倒的。
ただ、「販売台数」も見ないと公平ではなく、販売台数も見てみましょう(こちらは5月までの累計)。
※スラッシュのあとは販売台数に対する「リコール率」

トヨタ/レクサス・・・627,037台/0.00127%
ホンダ・・・167,902台/0.00179%
日産・・・180,372台/0.00277%
マツダ・・・71,557台/0.00977%
スバル・・・64,770台0.00926%
メルセデス・ベンツ・・・26,105台/0.0474%
BMW・・・18,987台/0.0474%
ポルシェ・・・2,686台/0.148%

数字だけを見るとやはりメルセデス・ベンツが圧倒的で、そしてリコール件数の割に販売台数が多いポルシェはそれを超える数字。
ただ、ここで注意しないといけないのは、「輸入車は本国の指示でリコールを実施しており、その影響が日本に及んでいる」「世界販売台数を考えると、リコール率はむしろかなり小さくなるであろう」ということ。



現在は国産車メーカーと言えども世界中で販売しており、日産やホンダにおけるグローバル生産の中の「日本市場」は30%ほどしかないので、輸入車に近い状況も考えられますが、それでも輸入車における日本のシェアは非常に小さく(数%から10%台)、やはりそこは加味すべきと言えます。

よって比較は「国産車メーカー同士」でないと意味をなさなくなりますが、国産車メーカーだとトヨタのリコール率が最も低く、次いでホンダ(トヨタの40%増し)、そしてマツダやスバルはトヨタの7倍以上、という高確率。

もうひとつ、リコールで考えねばならないのは「リコールの原因となった理由をどうやって把握したか」。
これは国交省への届け出時に記載されていますが、トヨタで多いのは「供給先からの情報による」。
つまりパーツを購入しているサプライヤーからの情報を得て動いている、ということです。

対してマツダ、スバルで多いのは「市場からの情報による」。
これは消費者からのクレーム、ということですね。
どちらがどう、とは一概に言えませんが、トヨタはサプライヤーの管理ができている(問題報告体制がしっかりできており、問題を消費者より早く見つけている」とも言えます。
本来は製造時や出荷前に不具合がわかれば良いのですが、それがわからなくても出荷後になんらかの品質管理体制によって「問題を見つける」ことができている、ということに(サプライヤーやQCに対して報奨やペナルティがあるのかもしれない)。

マツダ、スバルの場合は「消費者から指摘されてはじめて知った」というケースになり、特にマツダの場合はその件数が「多く」、今回のアテンザに関しては「88件」。
一方トヨタは消費者が知るより早く動いているので、この「市場からの」報告は殆どの場合において「0件」。

加えて輸入車に多い理由が「本国からの通知による」。
つまり本国で問題を把握し、本社が日本のインポーターに「リコールしろ」と指示をしているわけですね。
これも動きが速い場合が多く、メルセデス・ベンツはリコール件数が多い割に「市場からの報告」つまり消費者からのクレームは0件。

数字の信憑性、これを見る角度によって様々な見解があるとは思いますが、「マツダ・スバルはリコールが(生産台数に比較して)多い、そしてメーカーが問題を把握するよりも消費者が問題を見つけることが多く、かつその件数が多い(生産過程や出荷後にメーカー側で問題を把握できていない)、ということではないか、とも考えています。

よって、リコール件数の多寡以外にも、リコールに至った経緯が重要ではないかとぼくは考えており、これも品質(=メーカーの取組みや考え方)を判断する一つの基準なのかもしれません。
※ここに数値は記していないものの、たとえばVWのリコール率が低かったり、クライスラーやジャガー・ランドローバー、フィアットのリコール率が非常に高い、という現実もある

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