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BMWが車両リサイクル率を50%(現在30%)にまで向上させると発表!関連各社との取り組みにてこの計画「Car2Car」を進め、これによってガソリンエンジン車の製造を正当化できるか

2023/05/23

BMW

| BMWは昔からリサイクル素材の使用に熱心ではあったが、これによる品質の低下は避けてほしい |

とくにリサイクルプラスチックは「割れやすい」「強度不足」という問題も

さて、BMWグループが「Car2Car」と呼ばれる新たな取り組みを通じたサステナビリティ目標を設定したと発表。

同社はこれまでの目標を修正し、新型車におけるリサイクル素材の使用数を50%に増やすことを目標としていますが、これを実現するため、BMWはリサイクル業界や関連業界における複数の関係者と提携し、「使用済み」自動車から収集される副資材の品質を向上させる方法を考え出そうとしています。

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この目標の達成にはドイツ連邦政府も全面的に指示

なお、今回のBMWの取り組みに際してはドイツ連邦経済・気候変動省もバックアップしているといい、同省からは640万ユーロの助成を受けつつ、BMWは鉄、銅、アルミニウムなどの貴重な素材(プラスチックやガラスも)を、より持続可能な方法で再利用する方法を模索する、とアナウンスされています。

このプロジェクトには、ミニ、BMW、ロールス・ロイスから合計500台の使用済車両が提供される予定だといい、ガソリン車、プラグインハイブリッド車(PHEV)、完全電気自動車にこだわらずBMWグループの全製品を網羅する車両を使用することになり、BMWのパートナー企業それぞれは、提供された各車両を検証し、再利用フローをどのように改善できるか、またそれがリサイクル材料の品質にどのように影響するかを検討するのだそう。

ただ、BMWはプレミアムカーメーカーなので、リサイクルされた原材料が高級車にふさわしい品質基準に適合してることも保証しなければならず(たとえばリサイクルされたプラスチックは耐久性が低いこともある)、現在のリサイクル比率である30%を50%にまで向上させるには様々な障壁があるもよう。

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フルモデルチェンジ版 ミニ・クロスオーバーはその先駆的存在に

なお、こういった試みが真っ先に反映されるのは次世代のミニ・クロスオーバーであることも公表され、たとえば70%リサイクルされたアルミニウムを使用したホイールの装着に加え、インテリアにはペットボトルや廃棄されたカーペットも再利用される予定だと発表されています(正直言うと、BMWの樹脂の品質は昔からあまり良くはなく、リサイクル率の上昇でこれ以上品質を下げるのはやめてほしい)。

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参考までに、BMWは以前から持続可能な活動に熱心に取り組んできた企業のひとつであり、1994年以来、年間1万台もの車両を処理するリサイクルセンターを運営中。

これに加え、BMWは今回発表された新しい取り組みによって、さらに高度な循環型経済を確立したいと考えているわけですが、BMWは(今話題の)人工知能を取り入れることについても発表していて、これによって今まで手作業で行われていたプロセスをスピードアップし、自動化することで、このプロジェクトを大きく前に進めることができるのではないかと期待している、ともアナウンスされています。※AI技術は、再利用可能な材料を検出するために使用し、選択された副資材の品質向上に貢献する、とのこと

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BMWのウーヴェ・コーラー氏によれば、「BMWグループは、バリュー・チェーンのあらゆる領域において、より高い持続可能性を実現するための技術革新に厳しく取り組んでいます。このプロジェクトに関わるさまざまなパートナーの持つ蓄積されたノウハウは、貴重な二次原料(リサイクル原料)を得るための全く新しい方法を解き放つ可能性があります」ともコメントしており、このプロジェクトに対する並々ならぬ意思を感じるところ。

なお、こういったリサイクルは非常にお金のかかる活動ではありますが(結果的には消費者がそのいくばくかを負担することになるにせよ)、生産時の排出量を削減することによって、BMWは今後何年にもわたってガソリンエンジン含む内燃機関搭載車を製造することを正当化することができ、これはこれで必要な取り組みということになりそうですね。

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