| もともとケン・オクヤマ(奥山清行)はマセラティ Tipo61 バードケージに強い関心を抱いている |
Kode61 バードケージの価格や生産台数、そしてベースモデルも現時点ではナゾのまま
さて、エンツォ・フェラーリのデザインを(ピニンファリーナ在籍時代に)手掛けたことで知られるケン・オクヤマこと奥山清行氏。
現在は自身のデザイン事務所を運営し、これまでにもKode 9 GT、Kode 57 Enji、Kode 0といったクルマを発表しています。
そんなデザインマエストロ、ケン・オクヤマ氏ですが、今回権威あるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにてニューモデル「コード61 バードケージ」を公開しており、これはマセラティのかつてのレーシングカーにインスパイアされたルーフレスのスーパーカーで、実際に限定ながらも生産に移される、とアナウンスされています。
なぜケン・オクヤマがマセラティ?
なお、ケン・オクヤマ氏は「エンツォフェラーリのデザイナー」としてその名が轟いているためか、「フェラーリのデザイナー」といった印象が強く、しかし実際は(当時)ピニンファリーナに在籍していて、フェラーリがピニンファリーナにデザインを一任していたことからエンツォフェラーリのデザインを担当することとなったわけですね。
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そして同氏はピニンファリーナ時代にフェラーリ(カリフォルニア、612スカリエッティ等)の他、マセラティ・クワトロポルテなどのデザインも手掛けているのですが、2005年にはマセラティ・バードケージ 75thなるコンセプトカーも発表。
今回公開されたコード61 ”バードケージ”と同じ名称を持ち、水平なライン、横に長いヘッドライトや・・・。
カラーリング、そしてリヤ周りの処理にも共通性を見出すことが可能です。
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こんなコンセプトカーもあった。ケン・オクヤマ氏デザイン、「マセラティ・バードケージ 75th(2005)」
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そしてこちらがオリジナルのマセラティ”バードケージ”。
1959年のTipo 61から、最終的にはTipo 65(後のモデルほどフロントが長くなって流線型になる)まで存在するようで、バードケージの名の由来としては、「軽量、高剛性」を実現させるために車体を設計した結果、その基本構造がまさに「バードケージ(鳥かご)のように」なったため。
コード61 ”バードケージ”はこんなクルマ
そこでこのコード61 バードケージを見てみたいと思いますが、雰囲気的にはフェラーリ・モンツァSP2のようなスピードスター。
ホイールはマセラティMC20と共通のものを使用しているように見えますね。
Kode61 バードケージの価格や生産台数、そしてスペックについても現段階では公表されていませんが、おそらくはマセラティのなんらかの車両をベースにしている可能性が大。
というのも、新規開発だとコストが掛かりすぎるうえ、合法的に登録するためには数多くのテストをクリアせねばならず、しかし「ベース車」があれば、そのベース車が取得したホモロゲーションを転用できるケースが多いため。
こうやってサイドから見ると、前後で共通したデザインや構造を取り入れていることがわかりますね(どうしもてマッハ号を連想してしまう)。
サイドには3つの「ギル」があり、ここはマセラティとの共通性を強く感じさせるところ(こういったデザインを見ても、やはりマセラティとの共同プロジェクトとだと考えるのが妥当かもしれない)。
テールパイプは往年のレーシングカーを思わせ、ナンバープレートが見えるのでおそらくは多くの国で合法に登録できそう。
なお、ナンバープレートの上には「バックカメラ」のようなものが見えるので、この個体は市販モデルとほぼ同じレベルの機能を持つであろうこと、そして日常性も考慮されているであろうことがわかります。
この細いテールランプはストップランプ、ウインカーを兼ねているのだと思われます。
ドアはフェラーリ・モンツァSP2のような開き方。
上下に短くなっているのは、ベースモデルをオープン化するに際し、サイドシルを大幅に補強したためだと推測。
ダッシュボードやセンタートンネルは細いパイプにて組み上げられており、これはもちろん「バードケージ」へのオマージュなのでしょうね。
そして「Hパターン」を持つシフトゲートも確認でき、つまりこのKode 61 バードケージは「マニュアル・トランスミッション」を持つということを意味します。
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