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ようやくエンジン問題が解決し開発に光が見えた?メルセデスAMG Oneがついに「2021年から」納車が始まると公言される

2019/11/27

| AMG Oneには多くのチャレンジが詰まっており、そのぶん開発は難航していた |

何度かその販売が延期されているメルセデスAMG ONEですが、今回AMGの生産と販売を管理するミヒャエル・ノウラー氏によって「2021年に納車を開始する」と正式にアナウンスがあった模様。
ちなみにメルセデスAMG Oneは2017年に発表され、当初の予定では2019年から納車予定。
ただし、その売り物のひとつである「F1のエンジンをそのまま市販車に搭載する」ということが予想外に難しく、幾度となく納車が先送りとなっていたわけですね。

メルセデスAMG Oneはこんなクルマ

メルセデスAMG ONEはF1マシン(W08)に積まれるのと同じ1.6リッターターボエンジンを搭載し、さらにギアボックスにひとつ、タービンにひとつ、フロントアクスル左右に一つづつ備えた合計4つのモーターにて1000馬力「以上」を発生します。
エンジンの許容回転数は11,000回転、モーターはなんと50,000回転。
そしてエンジンはその代償として50,000キロごとにオーバーホールが必要とされていますね。

生産台数は275台のみ、価格は3億円という「名実ともにハイパーカー」。

何がメルセデスAMG Oneの発売を遅らせているのか?

そこで「なぜ発売が遅れているのか」ということですが、これまでの報道だと「パワートレーンの開発遅れ」。
F1のエンジンは完全なる競技用であり、「停車状態からの発進」や「ストップ&ゴー」については重要視されておらず、しかしそういったパワーユニットを公道走行用に調整するのが非常に困難だとされています。

そして公道走行であればレースとは異なって高回転を常用する機会は少なく、一般に使用するのは1,000~5,000回転だと思われ、「レースではほとんど使用しない領域を逆に常用域にする」という変更が必要に。
つまりはF1マシン用のエンジンを根本から否定するような作業が必要となるわけで、ここがかなり難しい、ということになりそうですね。

さらにはF1のエンジンは内蔵スターターによって、ボタンをポンと押すことでスタートさせるようにはできておらず、油温等の環境が整った状態でのみでの始動や使用を前提としているため、ここも大きな障壁となるのかもしれません。

そのほか、アイドリング回転数が「高すぎ(4,000回転くらい)」て排ガスと騒音の規制をクリアできなかったりという問題もあり、ハイブリッドシステムとの相性の問題も。
もちろんF1ではKERSと組み合わせられているので「ハイブリッド化」の実績があるということになりますが、やはり常用回転域が異なること、停車からの発進が多用されること、誰がどんな使い方をするのかわからないことなどが開発難易度を上げているのだと思われます。

実際のところ、イベントでは「不動」になったり、実装テストを始めたもののすぐにその姿が見られなくなっているので、まだまだ「走ることすらままならない」というのが現状なのでしょうね。

いずれにせよ、メルセデスAMGは「F1のエンジンを積む」と決め、それをAMG Oneのコアバリューに設定してしまったので「あとには引けず」、やり遂げるしか無いのが今の状態。

ただ、内外装についてはすでに完成の域にあると思われるので、エンジンとハイブリッドシステムの問題さえ解決できれば、あとはスムーズに進むのかも。
そして、いい方に考えれば、2019年と2021年とではバッテリー関連技術に大きな差異があり、あとで見かえしてみると「2019年に発売しなくてよかった」ということにもなりそうですね。

VIA: Road and Track, Top Gear

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