| 空冷ポルシェのチューンに新星あらわる |
現在はジンガーはじめネオクラシック/クラシックポルシェのレストモッドが盛んですが、昨年993世代のポルシェ911カスタム”400R”を発表したことで話題になった「ガンサーワークス(Gunther Werk)」が、なんと今回はそのカスタムに使用される、993向けの「カーボンファイバー製ボディ」を公開。
ちょうど一年前のモンタレー・カーウィークにてガンサーは993のカスタムを予告し、その一年後に製品版を発表した、ということになりますね。
なんとボディは15センチもワイド化
基本的な形状はオリジナルに准ずるものの、前後フェンダーは片側7.5センチづつ(!)拡大されて超ワイドに。
さらにはダックテールスポイラーも装着されていることがわかりますね(大型ウイングとダックテールとが選択可能)。
なお、昨年発表された「400R」は993を完全に「現代の技術」でカスタムしたもので、エンジンこそ4リッター空冷(400馬力)ですが、アダプティブダンパーやブレンボ製のカーボンセラミックブレーキを備える本気仕様。
これは25台のみの限定販売で、価格は5800万円ほど、とアナウンスされています。
今回発表されたカーボン製ボディは「400R」プログラムの核となり、400R製造にあたってはまず993世代のポルシェ911を完全に分解。その上でプロジェクト・ゴールド同様に「ドンガラ」にまで持ってゆき、そこからこのカーボン製ボディを装着するようですね。
構造としてはこんな感じ。
これを見るに、カーボンボディは「ガワ」だけではなく、前後バルクヘッド以降も含むようで、カスタムにあたってはボディそのものを「切った張った」することになりそう。
ヘッドライトユニットのハウジングもカーボン製で、プロジェクターユニットはチタン製(T-6061)。
バイLED仕様となりデイタイムランニングランプも内蔵。
この表面には「航空機グレードの」ハンドポリッシュが施されたカバーが装着されることになります。
エンジンはオレゴン州のロススポーツによるチューンが施され、鍛造ピストン、そして削り出しのコンロッドとクランクシャフトを持ち、スロットルボディは独立式、制御はモーテック。
見た目も非常に美しく仕上げられていますね。
組み合わせられるトランスミッションはゲトラグ製G50ですが、ギアレシオは専用にチューニングされ、シングルマスフライホイールとシングルプレートクラッチをドッキング。
インテリアはこういった感じで「近代的」。
アルミとカーボン、レザーが組み合わされ、エッジの効いた独特のデザインを持っています。
パネルの多くはカーボンむき出しの処理となり、直線的な形状を持つエンボス加工も。
外観はこんな感じ。
オリジナルの要素を生かしつつ、そのポテンシャルを最大限にまで引き出し、かつ現代最高水準の仕上げを施すという意味ではジンガー、とくに「DLS」同様だと言えそう。
現在のところ「400R」の価格は約5800万円とされているものの、内容を見るに実際はもっと費用がかかりそう。
ジンガーも当初は「2500万円くらい」とされていながらも実際に完成してみるとその倍ほどの費用がかかっているので、このガンサー400Rも「予定通り」ではゆかないだろう、と考えています。
ただし今回発表された内容を見るに「5800万円以上」支払ってもいい、と思わせるものではありますね。
VIA:Gunther