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製造わずか200台、ポルシェ911カレラRS 2.7「ナナサンカレラ」が2億7500万円で落札される。納車時にブルーにペイントされるも愛好家のもとで製造時のカラーと仕様へ

2023/12/05

製造わずか200台、ポルシェ911カレラRS 2.7「ナナサンカレラ」が2億7500万円で落札される。納車時にブルーにペイントされるも愛好家のもとで製造時のカラーと仕様へ

| さらにはマッチングナンバー、数少ない米国仕様車であるなど希少価値を高める要素がてんこ盛り |

加えて月に一度、各部が適温になるまで運転されるなどコンディションも抜群

さて、過去最大規模の個人コレクションが競売にかけられることとなった「ホワイトコレクション」。

これまでにも様々な高額落札記録が誕生していますが、今回紹介するのは1,875,000ドル(現在の為替レートにて2億7500万円)で落札されたポルシェ911カレラRS 2.7「ライトウエイト」。

911カレラRS 2.7(通称ナナサンカレラ)のうち200台のみがこのライトウエイトスポーツパッケージ(M471)を装着しているとされ、ナナサンカレラの中でも「もっともコレクターが欲しがる」と言われるのがこの仕様。

Porsche911-Carrera-RS (11)

このポルシェ911カレラRS 2.7はこんな仕様を持っている

このポルシェ911カレラRS 2.7をさらに特別な存在としているのが数少ない「米国仕様」という事実で、これは「左右のヘッドレスト、ヒーター付きリアウインドスクリーン、3点式安全ベルト」装着といった特徴を持っています。

Porsche911-Carrera-RS (5)

ボディカラーはグランプリホワイト、そしてインテリアはブラック、アクセントカラーは「レッド」です。

Porsche911-Carrera-RS (9)

なお、この車両には車両注文書、オリジナルの販売請求書、ポルシェ発行による証明書、および一部の当時の請求書と最新の請求書が付属するといい、マッチングナンバーのタイプ911/83マグネシウム製クランクケースエンジンと5速ギアボックスを装備し、アンダーダッシュにはポルシェの正しい製造番号も表示され、おまけにボディカラーも工場出荷時のカラーのまま(レストアによって復元)という「これ以上ないほどの」望ましい条件です。

Porsche911-Carrera-RS (2)

車両注文書の日付は1973年5月29日付で、そこには内外装カラーに加え工場装着オプション(カラード/ヒーター付きリアウィンドウ、3点式シートベルト、左右ヘッドセット)、そしてライトウエイトスポーツ パッケージ (M471)の記載があり、販売請求書の原本によるとペンシルバニア州ウォリントンにあるホルバートのポルシェ・アウディ(当時のポルシェ正規ディーラー)から1974年3月16日にハルゼー・フレデリックなる人物へと新車で販売されています。

Porsche911-Carrera-RS (10)

ただ、興味深いことに、カレラ RS 2.7 ライトウェイトの販売価格「15,000ドル」とともに、請求書には「工場出荷時のグランプリホワイトからポルシェ純正カラーのアルバートブルーに再塗装したため500ドルが追加」という文字があり、つまり新車納車時に「別のボディカラーに」塗り替えられたということに。

Porsche911-Carrera-RS (7)

ハルゼー・ フレデリック氏はペンシルベニア州ブリンマー居住であったものの、このナナサンカレラをニューハンプシャーに保管しており、1974年に記録された書簡には、車両に対して行われた軽度の整備作業が詳しく記載されていて、同地域の車両検査プロセスに合格させるためにシールドビームヘッドライトを追加したことも記録されているようですね。

Porsche911-Carrera-RS (6)

果たしてハルゼー・フレデリック氏は、この希少なポルシェを25年近くにわたって細心の注意を払いつつ所有し、このクルマにかけたコストを記録した請求書をファイルに保存しており、それらによると、定期的なサービスとメンテナンス項目に加え、1975年には車両の防錆処理と特注のレカロ シート装着を行ったことも反映しています(もともとの仕様では、軽量化のため防錆処理が省かれていた)。

Porsche911-Carrera-RS (4)

二番目のオーナーのもとでポルシェ911 カレラ RS 2.7 ライトウェイトは工場出荷時の姿に戻される

1990年代後半には走行距離32,000マイル未満の状態でこのナナサンカレラを売却しており、その次のオーナーは著名なコレクターであるオーティス・チャンドラー。

同氏はすぐにこのクルマを納車時の外観に戻す作業を開始し(この際の請求書と写真が残されている)、アルバート ブルーの塗装が剥がされ、グランプリ ホワイトとレッドレター/レッドアクセントという本来の姿へと復元され、さらにカスタム仕様のレカロ シートはポルシェ純正のカレラRS2.7用軽量バケットシートへと交換されたという記録が残ります。

Porsche911-Carrera-RS (8)

その後オーティス・チャンドラーはレストアしたこのナナサンカレラを2001年10月に売却し、その後10年にわたり3番目のオーナーのもとで保管され、2011年に入ってからホワイトコレクションへと加わることになりますが、ここではフックス ホイールのレストア、ヒートエクスチェンジャーの交換、ゴム製コンポーネント交換がなされ、さらにいくつかのパーツが工場出荷時の正しいものへと交換されることに。

Porsche911-Carrera-RS (12)

さらにホワイトコレクションでは毎月始動され、動作温度まで運転されるなど状態の維持に注意が払われており、「ライトウエイト」という希少性に加え、そのコンディション面からも高い評価がなされたものと考えられます。

Porsche911-Carrera-RS (3)

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参照:RM Sotheby's

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