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中国資本となった新生スマートから第一号車「#1」発表!過去最大サイズでSUV、ピュアEVに264馬力へと変貌を遂げメインストリームで勝負に出る

中国資本となった新生スマートから第一号車「#1」発表!過去最大サイズでSUV、ピュアEVに264馬力へと変貌を遂げメインストリームで勝負に出る

| このクリーンでスマート、丸っこい外観は中国でかなりの人気となりそうだ |

新スマートは米国では販売されず、日本市場への導入も不透明

さて、スマートが新生代モデル「#1」を発表。

これはスマートの株式の50%が中国の吉利汽車(Geely)に渡ったのちのはじめてのニューモデルで、吉利汽車によるSEAオールエレクトリック・アーキテクチャーを採用したピュアエレクトリックカーであり、66kWhのバッテリーパックをフロアに配置し、一回の満充電あたり最大航続距離440kmを実現しています。

なお、スマートが吉利汽車に渡るまでは紆余曲折があって、まずは吉利汽車CEOである李書福氏がメルセデス・ベンツの大変なファンであり(よって吉利汽車の第一号車は当時のメルセデス・ベンツEクラスのコピーだった)、よってメルセデス・ベンツに提携を持ちかけるもあっさりと断られ、しかしこっそりと同社の株式を買い集め、およそ9.7%を取得してメルセデス・ベンツの筆頭株主となったわけですね。

ただ、メルセデス・ベンツはすでに中国市場において「提携できるのは二社まで」という枠を使い切っており(北京汽車=BAIC、比亜迪汽車=BYDと提携済み)、物理的にメルセデス・ベンツと吉利汽車との合弁は難しく、よってスマートを「譲り受ける」ことで李書福氏は自らの自尊心を満たしたのかもしれません。

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ベンツの買収に動いた中国吉利汽車。その第一号車は「メルセデス・ベンツEクラス」のまんまコピーだった・・・。

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もともとスマートは中国では人気だった

ちなみにスマートはもともと中国で人気が高く、多くのコピーも登場しているほどですが、中国では「比較的丸っこくて可愛らしいものが受ける」という下地があったからだとも考えられ、よって今回のスマート#1は「ツルっと丸い」スタイルを持っています。

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ただしこれはスマートが吉利汽車に渡る前に、メルセデス・ベンツのデザイナーであるゴードン・ワグナー氏が考案したものをほぼそのまま採用しており、さらにはこれまでのスマートのロゴを採用しているところを見ても、李書福氏の「メルセデス・ベンツへのリスペクト」が伺えるところでもありますね(メルセデス・ベンツをどうこうしたい、というよりは、メルセデス・ベンツとともに何かをしたったんだと思う)。

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そしてスマートの欧州法人によると、今回のスマート#1は「今後のスマートの核となる」モデルだとされ、スマートの過去のどのモデルよりも大きく、吉利汽車によれば、キア・ニーロEV、MINIクロスオーバー、ルノー・メガーヌEテックとほぼ同じ車体サイズではあるものの、室内はそれらよりも広く、むしろメルセデス・ベンツ「Eクラス」に匹敵する、とのこと。

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なお、室内を「最大化」する手法としては、サイドウインドウを上に向けて「絞り込まず」、そしてリアウインドウを垂直に近い角度に立てることにおいて達成されているものと思われ、しかし違和感を感じさせないデザインを持っていると思います。

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このSEAアーキテクチャについては最大で3つのエレクトリックモーターを搭載することができるといいますが、まずスマート#1は264馬力のシングルモーター(リアに搭載)からスタートするとされ、この数字はスマートとしては相当にパワフルということに。

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さらにはEVらしくポップアップドアハンドルも装備。

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ドアはサッシュレス。

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新スマートのひとつのデザイン的な特徴は「チェック柄」であるようで、内外装の随所に採用されています。

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ヘッドライト、テールランプは「左右連結」そしてボディ一体型。

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新型スマート#1のインテリアはこうなっている

そしてこちらはスマート#1のインテリアですが、エクステリア同様に完全に「オーバーホール」。

12.8インチのインフォテインメント・システムと9.2インチのドライバー・インフォメーション・ディスプレイ、そして10インチのヘッドアップ・ディスプレイが搭載されて一気に「未来」へと向かっています。

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ダッシュボードやセンターコンソールにはゴールドが用いられ(これは中国市場を意識したところだと思われる)、シートやグラスルーフにもチェック柄。

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アダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットモニター、アダプティブハイビームヘッドライトなどの先進安全技術も盛り込まれ、自動車としての完成度が非常に高くなっているようですね。

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このスマート#1の価格はまだ発表されておらず(けっこう高いクルマとなりそうだ)、しかし生産は今年後半に開始、そして2023年初頭には納車が開始される予定だそうですが、現時点では米国での販売予定はなく、購入できるのはヨーロッパかアジアということに。

ちなみに日本だとスマートのウエブサイトは残っているものの実質上撤退状態で、販売はすでに「ほぼゼロ(在庫を処分しているのみ)」となっています。

おそらく吉利汽車に株式の半数が渡ってしまったのちにメルセデス・ベンツが販売から手を引いたのだと思われ、新スマートが日本で販売されるとしても「新しい販路」にて行われることになるのかもしれませんね(ただし吉利汽車は日本での販売網を持たないため、新スマートは日本に導入されない可能性も)。

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