>VW(フォルクスワーゲン/Volkswagen)

EV革命の急先鋒、VWですらEV注力姿勢を弱めPHEVへと軸足を移行。「過去6カ月以内に、突然誰もがハイブリッドを望むようになった」

VW

| それにしても、昨年11月辺りからの「急激なハイブリッド、PHEV人気」には驚かされる |

ただし現時点ではアウディのみが「電動化計画に変更なし」

さて、現在の自動車業界は大きな荒波にもまれており、その理由のひとつ(しかし大きな)が「EV販売ペースのスローダウン」。

EV市場自体は成長しているものの、その成長速度が鈍っていること、そして現在まだそれほど大きくないEV市場へとたくさんの自動車メーカーがなだれこんできていることが主要因で、そしてその多くが中国からであり、中国のEVメーカーは政府から多大な補助金を得ているために日米欧の自動車メーカーはこれに対抗することが難しいわけですね。

よって現在のEV市場は「投資に対するリターンが小さい」、つまり割に合わないマーケットとなってしまっていて、そのためいくつかの自動車メーカーは「EVへの注力(投資)を控え、より利益の出るハイブリッドとPHEVに注力する」というコメントを出しているほど。

ダッジ
ステランティスも「EV注力の方針を取りやめて内燃機関の開発を行い、マルチパワートレーン戦略を採用」。いったい自動車業界で何が起きているのか

| メルセデス・ベンツ、ルノーに続きステランティスまでもが「EVのみではなく様々な選択肢を持つことにする」 | 現在の自動車業界は「全く先が読めない」状態にある さて、トヨタは少し前に「どれだけ電気自 ...

続きを見る

ついにフォルムスワーゲンも「EVへの変革を見直し」

電動化への急先鋒といえばメルセデス・ベンツそしてフォルクスワーゲンですが、メルセデス・ベンツはつい先日「ガソリンエンジン搭載車撤廃の期限を廃止し、しばらくガソリン車を作り続ける」という発表を行っており、そして今回はフォルクスワーゲンもついにその方針を見直す意向を示しています。

メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツが「EV集中」戦略を転換し2030年以降もガソリン車を作り続けるとコメント。「2030年であっても、EV / PHEVの販売比率は50%にとどまるだろう」

| もはやEVの販売減速、ガソリン車の存続は誰の目にも明らかに | 今後さらに多くの自動車メーカーがメルセデス・ベンツ同様に「方針転換」を行うものと思われる さて、昨今は「EV離れ」「ハイブリッド / ...

続きを見る

今回報じられた内容によれば、フォルクスワーゲンの最高経営責任者(CEO)、トーマス・シェーファー氏が「バッテリー式電気自動車(BEV)の販売は現在少し頭打ちになっているため、まだ過渡期の技術が必要だ」と述べたとされ、つまりこの過渡期の技術とは、すでに過去のものになったとみなされていた”ハイブリッド”。

実際のところ、トーマス・シェーファーCEOは「過去6カ月以内に、突然誰もがハイブリッドを望むようになった」と語っており、昨年末からの急激な状況の変化に対応する必要性を認めていて、ゴルフ、パサート、ティグアンのプラグインハイブリッドバージョンの提供継続の決定したことについて「喜ばしい」と語り、さらには「プラグインハイブリッドが当初の予想よりもさらに長く存続する可能性がある」とも。

L1001960

しかしフォルクスワーゲンは新規にハイブリッド技術を開発するわけではない

ただ、ここで注意を要するのは、フォルクスワーゲンは完全電動化への野望を捨てたわけではなく、ただそのトーンが弱まっただけで、「プラグインハイブリッドは単なる電気時代への架け橋であり、いずれは不要となる技術であるため、新規開発は行わずに「私たちがいま持っているものを継続する」ということについても触れています。

よって、フォルクスワーゲンがしばらく使い続けるというプラグインハイブリッドパワートレインはあくまでも現行技術の範囲内にとどまることになり、しかしEVモードでの航続距離を伸長するための小幅な改良が行われるということになりそうです。

加えて、フォルクスワーゲンがラインアップするすべてのプラグインハイブリッドパワートレイン搭載車を「すべての国や地域で」提供することはなく、どの地域で度のモデルを販売するかは「吟味」されることになるといい、しかし(充電インフラが整っていないなど)完全電動化の準備が整っていない市場に向けてプラグインハイブリッドが集中的に投入される可能性が高く、問題なくBEVが売れる地域については「このまま」BEVを中心とした販売を続けることになると考えていいのかもしれませんね。

合わせて読みたい、関連投稿

ベントレー
ベントレーがガソリン車全廃を「2033年に後ろ倒しにする」とコメント。メルセデス同様、現在の状況を鑑みてハイブリッドに注力し市場の動向に歩調を合わせる

| あと何年化すれば、「電動化ブームとはいったい何だったのか」というくらいの雰囲気になるのかも | ベントレーは急速に電動化を進めただけに、「後戻り」も容易ではないだろう さて、かなり早い時期に「電動 ...

続きを見る

ポルシェ
ポルシェが2030年代に入ってもV8エンジンを存続させるとコメント。「現在のV8はハイブリッド無しでもユーロ7に対応できます。ただ、サウンドについては物足りなくなるでしょう」

| それでも、ポルシェがV8エンジンを存続させるというのは大きな決断である | かつてないほど先行きが不透明な状況に突入し、自動車メーカー各社の対応は大きく方向性が分かれている さて、現在自動車メーカ ...

続きを見る

メルセデス・ベンツがガソリン版Gクラスの販売終了方針を撤回し「求める人がいる限り、ガソリン、とくにV8エンジン搭載Gクラスの販売を継続します」
メルセデス・ベンツがガソリン版Gクラスの販売終了方針を撤回し「求める人がいる限り、ガソリン、とくにV8エンジン搭載Gクラスの販売を継続します」

Mercedes-Benz | メルセデス・ベンツはいまGクラスの販売を失うことは絶対にできない | かつては生産効率に優れないとして整理対象車種であったが、現在では稼ぎ頭のひとつに さて、メルセデス ...

続きを見る

参照:Autocar

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->VW(フォルクスワーゲン/Volkswagen)
-, , , , ,