| アルファロメオは新CEO、新デザイナーを迎えて大きく動き始めた |
さらにはラインアップ通じての統一感やブランディング施策にも注力している
フェイスリフト(マイナーチェンジ)版となる新型アルファロメオ・ジュリアとステルヴィオが発表に。
大きな特徴としては、アルファロメオの真髄でもある「ドライビング・ダイナミクスと、アルファロメオのクルマを感動的な芸術作品に仕上げるタイムレスなデザイン」を磨き上げ、最新のデザインを持つトナーレとの類似性を押し出したこと。
納車は2023年第1四半期から開始される、とアナウンスされています。
新型アルファロメオ・ジュリア / ステルヴィオの外観はこう変わった
そこでまずは新型アルファロメオ・ジュリアですが、盾形フロントグリル、その下の2つのグリルの仕上げ(これら3つをあわせてトリロボグリルと呼ばれる)が変更され、全体的に凹凸が少なくなり、スマートで洗練され、エレガントな印象に(文字通りタイムレス感が強くなっている)。
ここで特筆すべきはヘッドライトであり、トナーレ同様に「3+3」デザインが導入され、かつフルLEDアダプティブマトリックスヘッドライトへ。
これはトナーレとの強い類似性を生み出すと同時に、ブランドの象徴ともいえるアルファロメオSZザガートとアルファロメオ・プロテオ・コンセプト(1991年)が導入したディティールの現代版である、とのこと。
フロントに合わせてリアのLEDテールランプのレイアウトも変更され、ていますが、新型ステルヴィオの場合はクリアレンズ、新型ジュリアだとスモークレンズとグロスブラックのコンビネーションといった具合にちょっとした変化が付けられています。
ちなみにドアロック / アンロック時には照明にてお出迎え / お見送りする「ウエルカム / グッド・バイ」機能も追加されたようですね。
フォーンダイヤルの「円」はちょっとクローバーの葉っぽい形状へ。
アルファロメオは「走る歓び」を追求
アルファロメオによれば、新型ジュリアと新型ステルヴィオのドライビング・ダイナミクスは、それぞれのセグメントで再びクラス最高を達成したとされ、「イタリアンデザイン、最新鋭のエンジン、完璧な重量配分、技術的ソリューション、優れたパワーウェイトレシオ」によって本物のアルファロメオのみが持ちうる官能的で直感的なドライビングエクスペリエンスを提供する、としています。
技術的なところだと、こういった高いレベルのドライビングダイナミクスの実現のためには「エンジンのベースとなるアルミニウムやドライブシャフトに使用されるカーボンファイバー」など、モータースポーツから直接導入された超軽量素材の幅広い使用があるといい、そのほかだと「Q4テクノロジーによる全輪駆動」「Q2機械式セルフロッキングディファレンシャル」「アルファリンクサスペンション」「IBS(スタビリティコントロールとブレーキシステムを統合した電気機械式システム)」が紹介されています。
さらには「極めてダイレクトなステアリング」「素早いレスポンスを誇るアルミニウム製シフトパドル付きのZF製8速オートマチックトランスミッション」もこの楽しさを増幅させる、とも。
これらに加え、運転の楽しさとアシストシステムの完璧なバランスを実現するため、新型ジュリアとステルヴィオではレベル2の運転自動化を実現する先進運転支援システム(ADAS)が装備され、これはドライバーの監視下に加え特定の条件下にてアクセル、ブレーキ、ステアリングホイールの制御を車両に任せることができることが可能となり、これらのシステムがドライバーをサポートすることで長時間の移動においても快適なドライビングを実現し、その状況にあった使い方を選べるようになっています。
グレード展開についてもトナーレに倣ったシンプルなもので、「スプリント」と「ヴェローチェ」の2つ。
スプリントはアルファロメオならではの基本的な体験ができるエントリーモデルであり、一方ヴェローチェはクルマの性能とスポーティさをさらに向上させたという位置づけ。
ジュリアシリーズには後輪駆動と280馬力のガソリンエンジン、ステルヴィオには全輪駆動の280馬力ガソリンエンジンまたは210馬力のディーゼルエンジンが選択可能です。※日本でのグレードやパワートレインの展開はまだわからない
新型アルファロメオ・ジュリア / ステルヴィオの内装はこう変わった
そして新型アルファロメオ・ジュリアのインテリアも外観に合わせた進化が与えられ、最先端のテクノロジー、コネクティビティを与えるとともに「ドライビングプレジャー」を強化。
まずメーターは12.3インチのフルデジタルへ、そして「エヴォルヴド」「リラックス」「ヘリテージ」という3つのモードを持ち、伝統的なテレスコピックデザインの表示も可能です。
加えて新型ジュリア(ステルヴィオにも)最新のヒューマンマシンインターフェース(HMI)が搭載され、このインフォテインメント・システムは、オプションのアルファ・コネクト・サービスとの組み合わせによって、無線によるアップデートや、スマートフォン/スマートウォッチから車両の一部の機能(ドアのロック/アンロック、ライトの点滅)を制御するマイ・リモートなどの機能を提供。
アルファロメオの新CEO、ジャン・フィリップ・インパラート氏はかつて「我々が売るのは走るiPadではなく自動車である」とコメントしていますが、その発言のとおり、インフォテイメントシステム強化は「必要最小限」にとどめており、その信念もうかがうことができるように思います。
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なお、トナーレにて提供されたNFT(Non-Fungible-Token)も新型ジュリアとステルヴィオに搭載され、今後アルファロメオの全ラインナップに搭載される予定なのだそう。
この技術は、ブロックチェーンカードの概念に基づいて各車両の主要な情報が記録されるといい、ユーザーのリクエストに基づきNFTは証明書を生成し、そこに車両に関するデータが記録されることに。
これが何になるかというと、この証明書によって「ちゃんとメンテナンスを受けている」という車両の適切な保存を保証し、その残存価値を高めるために使用され、世界中で指摘されている「アルファロメオの売却価格が低い」ということに対する施策だとされています。
これについても、アルファロメオの抱える問題に正面から向き合い、適切に対応してゆくという姿勢が感じられるところですね。
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さらにアルファロメオは新型ジュリアとステルヴィオのデビューを記念し、アルファロメオはコンペティツォーネ(Competizione)なるスペシャル・シリーズを発表しており(ローンチエディション的な扱い)、これは上位グレードのヴェローチェをベースとし、ボディカラーは専用のムーンライト・マット、そしてレッドにペイントされたブレーキ・キャリパーなどを備える、とのこと。
参照:Alfaromeo