| フォルクスワーゲン/ブガッティのデザイナーがアストンマーティンへ |
アストンマーティンがフォルクスワーゲンのデザイナー、トビアス・シュールマン氏を獲得し、アストンマーティンのエクステリアデザインのトップに就任する、と発表。
トビアス・シュールマン氏はフォルクスワーゲンにて「アルテオン」「トゥアレグ」をデザインしてフォルクスワーゲン最新の「顔」を作り上げた人物でもあり、ブガッティでもエクステリアデザインの責任者を努めた優秀な人材でもあります。
”ミドシップシリーズ”を担当?
今ここでトビアス・シュールマン氏が抜けるのはフォルクスワーゲンにとってかなりの「痛手」かもしれませんが、フォルクスワーゲンは比較的人材流出が多いグループで、デザイナーだと初代アウディTTをデザインしたペーター・シュライヤー氏、ベントレーやランボルギーニで手腕を発揮したルク・ドンカーヴォルケ氏、ブガッティ・シロンをデザインしたアレクサンダー”サシャ”セリパノフ氏、グループ全体で影響力を発揮しデザイン面を牽引したワルター(ワルテル)・デ・シルヴァ氏、そのほかベントレーの内装デザイナーも離職済み。
離職にはそれぞれの理由があるとは思うものの、フォルクスワーゲン・グループでの仕事は相当に「キツい」のかもしれません。
そしてアストンマーティンは比較的「引き抜き」に積極的な企業で、電装関係の信頼性向上、品質向上のために日産とトヨタから人材を獲得し、ミドシップスーパースポーツを開発するためにフェラーリから3名のエンジニアをスカウト。
さらに最近はマクラーレンのテストドライバー、マセラティの車両ダイナミクス担当を獲得したと発表しており、人材面において重点的に強化中といったところ。
なお、これは日産で副社長を努め、その後アストンマーティンCEOへと転身したアンディ・パーマー氏の辣腕ぶりをよく示している戦略で、「各部門のトップに重要人物を配置することで組織全体を活性化する(下から組織を変えるのは難しく、上から変えるのが効率的)」という考え方がよく現れていると思います。
万年赤字のアストンマーティンを復活させた男、アンディ・パーマーCEO。日産副社長からの転身に「トップでいることに意味がある」
アストンマーティンがフェラーリの重要人物3人を引き抜き。「488GTBを超えるミドシップを作る」
アストンマーティンがフェラーリだけではなくマクラーレン、マセラティ他からも人材引き抜き。仁義なき戦いに
なお、アストンマーティンは現在「セカンド・センチュリー・プラン(次の100年)」を推進中ですが、直近で7つのニューモデル(それ以上の数が出そう)を発売するとしており、トビアス・シュールマン氏はすでにデザインが完成しているであろうDBSスーパーレッジェーラ、DBX(ヴァレカイ)、バンキッシュ以降のニューモデル、つまりラゴンダやフェラーリ/マクラーレン/ランボルギーニに対抗するミドシップスポーツのデザインにおいてその手腕を振るうことになりそうですね。