
| 今年のル・マンはハイパーカークラスが新しく創設され、多くのチームが参戦することで近年にない盛り上がりを見せる |
クラッシュ続出、トヨタ、ポルシェがそれぞれ1台を失うというサバイバルレースに
さて、50年ぶりにル・マン24時間レースへと復帰したフェラーリがなんと優勝を飾るという快挙を成し遂げることに。
2023年のル・マン24時間レースは序盤から荒れに荒れたレース展開となり、6時間を超えたあたりから終盤までフェラーリ499P(51号車)とトヨタGR010ハイブリッド(8号車)とが首位争いを繰り広げる形となっていますが、わずか81秒という僅差にてフェラーリがトヨタを制しています。
これによってフェラーリはル・マンでの優勝回数を10に伸ばし、トヨタの連勝記録は「5」でストップしています。
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今年のル・マン24時間レースは「ハイパーカークラス」の創設で大きな盛り上がりを見せる
なお、2023年のル・マン24時間レースは100周年というひとつの大きな節目となっており、しかしそれ以上に大きな意味を持つのがハイパーカークラスの新設。
このハイパーカークラスは、当初ル・マン24時間レース開催元(ACO)が考えたものとはおそらく異なる形になってしまったとは思いますが、結果的に活性化の案として導入した「LMDh規定(条件を満たせば、北米中心に展開するIMSAを走るレーシングカーを参戦させることができる)」にて多くの参加チームを呼び込むことに成功し、今年はポルシェにキャデラックか参戦し、そして来年はBMWとランボルギーニ、アルピーヌも参加予定です。
ただしフェラーリはこのLMDh規定を利用せず、ル・マン含むWECに焦点を合わせたマシンづくりをゼロから行って挑戦するという、ライバルたちの多くとは異なる手法を用いており、そして同じくLMDh規定を使用しないトヨタとの一騎打ちとなったわけですね。

そう考えると、LMDh規定を利用したレーシングカーよりも、自社にて設計を行った車両のほうが競争力を発揮できるという可能性もありますが、これはもちろん容易なことではなく、ル・マン24時間レースにずっと参戦しているトヨタであればいざしらず、この50年ル・マンに参戦せず、プロトタイプレーシングカーからもずっと遠ざかっていたフェラーリにとって「ル・マンで競争力のあるマシン」を作ることは非常に困難かつチャレンジングであったことは想像に難くありません。

そしてあえて「茨の道」を進んだフェラーリに勝利の女神が微笑んだのが今回のル・マン24時間レースではありますが、正直なところ「まさか優勝するとは」というのが偽らざる心境であり、フェラーリ自身はもっと驚いているかもしれませんね(ポールポジションを獲得したときも、”びっくりした”というコメントを発している)。※トヨタは予選前に開催された”ナゾの”調整に異議を唱えるかもしれない

2023年のル・マン24時間レースの順位はこうなっている
そこでこちらが今年のル・マン24時間レースの結果。
これを見ると正直侮れないのがキャデラックであり(もしフェラーリとトヨタが接触して共倒れになっていたら、キャデラックのワンツーフィニッシュだった可能性もある)、来年は大きな脅威になる可能性もありそうですね。
そしてスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスが安定の強さを見せているのも印象的で、そしてもちろんポルシェは来年このポジションに甘んじるとは到底思えず、来年は(BMW、ランボルギーニも参戦するので)今年以上の接戦になることは間違いないかと思われます。※アルピーヌはLMP2からハイパーカーにクラスを上げてチャレンジ
順位 | クラス | チーム | 車両 | ラップ |
1 | HYPERCAR | フェラーリAFコルセ | 499P | 341 |
2 | HYPERCAR | トヨタ・ガズー・レーシング | GR010ハイブリッド | 341 |
3 | HYPERCAR | キャデラック・レーシング | Vシリーズ.R | 339 |
4 | HYPERCAR | キャデラック・レーシング | Vシリーズ.R | 337 |
5 | HYPERCAR | フェラーリAFコルセ | 499P | 336 |
6 | HYPERCAR | グリッケンハウス・レーシング | SCG007 | 333 |
7 | HYPERCAR | グリッケンハウス・レーシング | SCG007 | 332 |
8 | HYPERCAR | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ | ポルシェ963 | 328 |
9 | HYPERCAR | プジョー・トタルエナジーズ | 9X8 | 329 |
10 | LMP2 | インターユーロポル・コンペティション | オレカ07・ギブソン | 327 |
11 | LMP2 | チームWRT | オレカ07・ギブソン | 327 |
12 | LMP2 | デュケイン・チーム | オレカ07・ギブソン | 326 |
13 | LMP2 | アルピーヌ・エルフ・チーム | オレカ07・ギブソン | 326 |
14 | LMP2 | チームWRT | オレカ07・ギブソン | 326 |
Racing is in our DNA, it’s who we are.
— Ferrari Hypercar (@FerrariHypercar) June 11, 2023
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