ボディカラーはロッソ・コルサ、アクセントはゴールド
ランボルギーニは自社のレストア部門として「ポロストリコ」を運営していますが、今回はそのポロストリコにてレストアを完了したミウラSVをパリで開催された”レトロモビル”にて公開。
この個体につき、もとは1972年に南アフリカへと出荷されたものだとされ、オリジナルのボディカラーはロッソ・コルサにゴールドアクセント、そしてインテリアはブラックレザー。
つまり今回レストアされたのは「当時と全く同じ仕様に復元した」ということになりますが、47年の時を経て「新車コンディション」に生まれ変わったということですね。
新オーナーはFIA会長、ジャン・トッド氏
このミウラSV(シャシーナンバー3673)がランボルギーニへと運び込まれた際、そのコンディションは万全とは程遠い状態であったそうですが、13ヶ月をかけてすべてのパーツを分解し、純正パーツを組み込むことで見事復活。
なお、このミウラSVのもうひとつのトピックは、その新オーナーがFIA会長、ジャン・トッド氏であること。
そしてレストア完了の折にはランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏から直接、ジャン・トッド氏へミウラSVのキーが手渡されたようですね(車両にはサインが入れられている)。
なお、キーはこんな感じでセンターコンソールへ差し込む形式。
いかにも昔のスーパーカーといった感じのシフトゲートがいいですね。
ランボルギーニ・ミウラSVはこんなクルマ
ランボルギーニ・ミウラSVは1971年に登場した、ミウラP400のハイパフォーマンスモデル(ミウラ自体は1967年に登場)。
ミウラP400のエンジンは4リッターV12で、しかしカウンタックや現代のアヴェンタドールと異なるのは「エンジン横置き」ということ。
そしてミウラSVは、ミウラP400をベースに350馬力から385馬力にまで出力を向上させており(エンジンはミウラP400と同じ4リッターV12のまま)、ランボルギーニにとってSVという名称が与えられた最初のクルマでもありますね(ただし現代のスーパーヴェローチェ=Super Veloceではなく、スプリントヴェローチェ=Sprint Veloce)。
そのほかサスペンション強化、リアタイヤのワイド化に伴うリアフェンダーのワイド化、ヘッドライトのまつ毛レス、グリル形状変更(ちょっと小さい)等が外観上での識別点。
生産数量は非常に少なく、ミウラが全体で750台生産されたうちのわずか150台のみが「ミウラSV」だと記録されています。
ステアリングホイールやメーター内のランボルギーニエンブレムも現代のものとはちょっと異なるようですね。
なお、この「レッド×ゴールド」はミウラSVにおける典型的なボディカラーのひとつ。
「車体下部とホイールのゴールド」はミウラ全体における特徴でもあり、アヴェンタドールに設定された「アヴェンタドール・ミウラ・オマージュ」にも用いられているモチーフでもあります。
そしてサイドステップ後部にあるエアインテークはランボルギーニ・ウラカンにも反復されているデザイン。
加えてリアの「ルーバー」もやはりウラカンに採用されたデザインでもありますね。
そう考えると、直接の後継モデルは存在しないものの、その魂が現代に至るまで生き続けている、ランボルギーニを代表するモデルの一つだと言えるかもしれません。
展示された会場はこんな雰囲気。
隣にあるのはシャシーナンバー0592の「400GT」。
オーナーはカナダ人のコレクターだそうですが、現在レストア中とのこと(完成すれば今回のようにお披露目されることになると思われる)。
VIA:Lamborghini