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FCAとルノーが経営統合へ向け動く。ここで両者の合併後の影響、自動車メーカー各社のランキングを見てみよう

2019/05/28

| ざっと考えられる影響、自動車メーカーの販売台数をピックアップしてみた |

さて、先週末に突如出てきた「FCA(フィアット・クライスラー)とルノーとの経営統合」話。
週明けには正式にFCAがルノーへとこれを申し入れ、ルノーとしても「前向きに検討」していると報じられています。

両者の経営統合にかかる比率は50:50つまり「対等」ということになりますが、日産を含まずとも年間の販売台数は870万台、日産と三菱を入れると1500万台程度にまで合併後の規模が拡大することに。

世界一の自動車メーカーが誕生

なお、2018年の年間販売台数だと、トップはフォルクスワーゲンの1083万台、2位は日産・三菱=ルノーの1075万台、3位はトヨタの1059台、4位はGM(838万台)、5位ヒュンダイ・キア(739万台)、6位フォード(598万台)、7位ホンダ(523万台)、8位FCA(484万台)、9位PSA(プジョー・シトロエン/387万台)、10位スズキ(333万台)。

ちなみにメルセデス・ベンツは243万台、BMWは249万台、マツダは159万台(世界的に見て、スズキのほうが売れている・・・)。

この数字を見てもわかる通り、今回FCAとルノーが経営統合されれば「世界一」の規模を持つ自動車メーカーが誕生することになりますが、この意図としては「開発リソースの共有」。

昔の自動車といえば「シャシーとエンジンとボディ」で構成されていたものの、今や自動車はセンサーの塊で、予防安全技術、コネクティビティ、さらにはエレクトリック化、と「これまでになかった」技術を開発し盛り込む必要があります。

当然それにはお金がかかり、規模の小さなメーカーは自社で開発した場合、そのコストを「台数で割ると」一台あたりそうとうな金額が上乗せされ、とうてい売ることができないような金額に。

その解決策として「提携」や「他社から技術を買う」ということが出てきますが、もう一つの手段が「経営統合(合併)」。
これによって単純に規模が大きくなり、しかし開発を一元化することで無駄を省くことができ、「一台あたりに転嫁される」コストが安くなって競争力を発揮できるということに(技術力も高められる可能性がある)。

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各ブランドにとってはどういったメリットがあるのか?

そこでまず各社の持つブランドをピックアップしてみると、下記の通り。

FCA
・フィアット
・アルファロメオ
・アバルト
・ランチア
・マセラティ
・クライスラー
・ジープ
・ダッジ
・ラム
ルノー
・ルノー
・ダチア
・アルピーヌ
日産
・日産
・インフィニティ
・三菱

ルノー、日産はエレクトリック分野において非常に優れた実績とノウハウがあり、エレクトリックブランドへと舵を切りたいマセラティにとっては「渡りに舟」。

さらに日産の持つスポーツカー、モータースポーツ上のノウハウはアルファロメオ、マセラティにも役立つはずで、F1やフォーミュラEにおいてもなんらかの効率化が期待できるかもしれません。

そしてコンパクトカー分野においても日産、ルノー、フィアットの経営統合によるメリットを出しやすいセグメントで、商用車も同様かと思われます。

北米市場においては日産やルノーが、FCAの持つ「SUVやトラック」の車体、技術を流用でき、これによってフォードやGMはもちろん、トヨタやホンダのシェアを奪えるかも。

そうやって考えると、今回の経営統合は「お互いにとって、持てるものを差し出し、かわりに得るものがある」話ではないか、という印象ですね(負け組どうしが手を組むわけではない)。

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気になる要素は?

ぼくが「気になる」要素としてはいくつかありますが、まずはFCAの品質。
これは各種統計でも明らかになっている通り、あまり「良くない」。
仮にルノーや日産のクルマをFCAの工場で生産することになれば、当然それらは「FCA」品質となり、ルノーや日産の評判を大きく下げることに。

ちなみにメルセデス・ベンツはかつてクライスラーと提携県警にあったものの、これを解消していますね(それによってメルセデス・ベンツは大きく飛躍した)。

ほかの案件としては各社の現在の提携先。
ルノーはメルセデス・ベンツ、サムスンと提携していますが、これらはどうするのかということ。
そのほか中国で提携する現地企業も影響がないとは言えず、このあたりも「ルノーとFCAが経営統合したメリットを最大限に発揮するならば」整理を行う必要がありそうです。

そしてFCAの中核、フィアットをコントロールする創業者一族(アニエッリ家)の関与も気になるところですが、これはFCAがルノーに経営統合を申し出たということは「解決済み」なのでしょうね。

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加えて、先日「フェラーリがマセラティと手を切る」という報道があったのは、今回の経営統合をにらみ、一線を引く構えだったのかもしれません(マセラティ側からの話だったそうですが)。

なお、面白いと思うのは、FCAが子会社の「マニエッティ・マレリ」を日産の子会社「カルソニックカンセイ」に売却しているものの、今回の経営統合が成立すれば、「マニエッティ・マレリがまたFCAと同じ傘下に」まわりまわって戻ってくる、ということ(すでに名称を変更し、新会社を立ち上げていますが)。

もしそうなると、マニエッティ・マレリ側も「まさか」と思うかもしれず、マニエッティ・マレリ取得のためにカルソニックカンセイが支払った金額について「あれは何だったんだ・・・」ということになりそうですね。

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