| これだけ秀逸なコンセプトカーはなかなか出てこない |
シトロエンが最新コンセプトカー「19_19」を発表。
コンセプトは「ウルトラコンフォート」だとされ、パリにおいて開催されたイベント「ビバテック(VivaTech、名称からするにテクノロジー関連イベント)」にてお披露目されています。
この19_19はフルエレクトリックカーとなり、一回の充電あたり走行可能距離は800キロ。
そしてハイドロシステムを活用したサスペンション、自動運転がこのコンセプトカーの「核技術」のようですね。
フランス人はいつも奇っ怪なコンセプトカーを考える
フランスの自動車メーカーはルノー然り、プジョー然り、シトロエン然り、なんとも奇妙なコンセプトカーを作ることで知られます。
そしてシトロエンは今回この19_19コンセプトを「自動車業界におけるUFO」と表現しており、それは自動車らしくないデザイン、そして航空機をモチーフにしたインテリアを表してのこと。
実際にその印象は「自動車」というよりは「未確認走行物体」という感じで、ヘリコプターや戦闘機のキャノピー形状にも似たデザインを持つキャビンや、直径が大きく細いタイヤは、これまで他メーカーが公開したコンセプトカーには見られないもの。
さらにはレンダリングアーティストが考える「未来のクルマ」よりも未来に行っているように思われ、「相変わらずフランスのメーカーはブっ飛んでるな」という印象です。
ドアは「観音開き」で、これは乗員を出迎える、つまり「ウエルカム状態」を表現しているのだそう。
なお、多くのコンセプトカーがこういった観音開きを採用するものの、市販モデルになると「普通のドア」になってしまうのはちょっと残念ですね(ポルシェ・タイカンですら)。
そして実際に乗員が誰であるかを認識し、様々な「おもてなし」機能も楽しめる、と述べています。※AIを装備し、「ハロー、シトロエン」で起動する
なお、シトロエンはこの19_19につき、ハイドロサス、そしてスマート・アクティブ・コントロールシステムによって「魔法のじゅうたん」のような乗り心地を実現する、とコメント。
なおホイールは「30インチ」。
これはアメリカ西海岸でカスタムに使用されるホイール並みでもありますね。
タイヤはグッドイヤーとの共同開発となり、幅は「225」。
そしてルーフにあるのは自動運転のために周囲の情報を認識するLiDARシステム。
多くの自動運転コンセプトがこのシステムを採用していますが、その形状が(往々にして)ダサく、しかし19_19コンセプトではスタイリッシュにデザインされ、よってほかのコンセプトカーのように「格納式」ではなく「出っぱなし」。
これは自動運転に必要なものであり、隠すよりも魅せる、という逆転の発想なのかもしれません。
パフォーマンスにおいては、0-100キロ加速を5秒でこなし、最高速度は200km/hとかなり優秀。
ピークパワーは456HP、駆動方式は4WDと、とのこと。
全長は4,655ミリ、全幅2,240ミリ、そして全高は1,600ミリ。
ホイールベースは3,100ミリという超ロングサイズです。
ヘッドライト、そしてテールランプは共通した形状を持っていて「未来感」を演出しているようですね。
適度な「メカメカしさ」もあり、そこがまた魅力的。
一部に鍛造カーボンを使用しているようです。
現時点では市販可能性については言及されておらず、使用する技術や構造、コンポーネントについても「現実的」ではないため、今のところは「単なるコンセプト」にとどまるものと思われますが、ぜひ「発売して欲しい」と思わせる一台ですね。