
| マツダRX-7にV8をスワップする例は珍しくないが、V12エンジンとはかなり珍しい |
このリヤタイヤの太さがこのクルマの性格を物語る
さて、フォーミュラDの公式フォトグラファー、ラリー・チェン氏が「パガーニのV12エンジンを積んだマツダRX-7」を収めた動画を自身のYoutubeチャンネルへと公開。
マツダRX-7は90年代のネオクラシックスポーツとしてはまだ比較的安価に入手できるためか改造車のベースとして選ばれることも多く、そして「ロータリーエンジンのフリングが好きになれない」ということからかエンジンスワップが行われることも多数あるもよう。
ただしこのRX-7はこれまで紹介してきたカスタムの中でも群を抜いく高い完成度、そしてクレイジーさを持っているようですね。

2次元から3次元へ
このマツダX-7はレンダリングアーティストであるキジル・サリーム氏とフロリダのチューニングショップ、グーイッチモータースとのコラボレーションによって製作されたものですが、このキジル・サリーム氏は「もしも系レンダリング」の第一人者とも言える人物であり、同氏の後に多くの(同じような作風を持つ)アーティストが誕生しています。

最初は文字通りの「2次元」にとどまっていたものの、現在ではそのデザインの素晴らしさに着目したチューニングショップが同氏との共同開発にてエアロキットを発売したり(Live to Offendというブランド名で販売されている)、その作品をコンプリートカーとして製作しショーへと展示することも(作品を発表しはじめた初期は、まさか自分の作品が3次元になるとは考えても見なかっただろう)。
ちなみにこういった作品を多数展開する人であり、もちろん今回のRX-7も同氏の全面的デザインによるものです。
こちらはキジル・サリーム氏本人。
かなり長身の人物なので、その体をRX-7に押し込むのにも一苦労ですね。

運転席に収まるとこう。

それにしてもマツダRX-7にパガーニのV12エンジンを積むとは
そしてこのRX-7に搭載されるのはパガーニ・ゾンダに搭載されていた自然吸気V12エンジン(M120)で、出力は公表されていないものの、700−800馬力程度を発生するものと推測されています。

正確に言うならば、このエンジンはパガーニの要請によってメルセデスAMGが製作したもの。
いったいどうやってこのエンジンを入手したのかは不明です。

もちろんRX-7にこれを押し込むことは容易な作業ではなく、ドライサンプに対応するためのオイルパンをワンオフで製作したり、6 in 1等長エキゾーストマニホールドなど多くのパーツを特注にて製作しています。

もちろんインテークも特製ですね。

なお、このV12エンジンをボンネット内に収めることは非常に難しく、よってV12エンジンは今のところ露出したままではありますが、この後に(V12エンジン部分をカットアウトした)カスタムボンネットが装着される予定なのだそう。

ただ、V12エンジンが露出している点を除くと意外にその外観は「地味」。

前後オーバーフェンダーが装着されるものの、リバティーウォーク製エアロキットのような「いかにも」なものではなく、リアウイングも装着されずにけっこう「すっきり」。

それでも全体的にはコンセプトカーのような非現実感があり・・・。

超ディープなホイール、そして345サイズという極太タイヤがその存在感を強調しています。

パガーニのV12エンジンをスワップしたマツダRX-7のインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのマツダRX-7のインテリア。
おそらくは車体をドンガラにまで分解して改造を行っているようで、フロアはほぼむき出し、ダッシュボードは完全オリジナル、そしてフルロールケージが組まれます。

トランスミッションはおそらくシーケンシャル、そしてダッシュボードには整然とスイッチが並んでいますね。

メーターはシンプルな液晶タイプ。
ステアリングホイールは乗降性を考慮して脱着式を採用します。

リアにもガッチリとロールケージが溶接されますが、意外とストラットのトップ部分は強化されていないようですね。

V12エンジンをスワップしたマツダRX-7を紹介する動画はこちら
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参照:Larry Chen