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トヨタが累計生産3億台を達成し最も売れたのはカローラの5339万台だと発表。トヨタは今後も「最強」であり続けるとボクが思うワケ

トヨタ

| トヨタは欧米のライバルには見られない「グローバル+ローカル=グローカル」な手法を採用している |

何よりトヨタは「顧客に寄り添う」製品展開を行っている

さて、トヨタが「2023年9月の生産をもって、グローバルでの生産累計台数3億台を達成した」と発表。

最初の「トヨタのクルマ」は1958年8月に発売されたG1型トラックだそうですが、そこから88年2ヶ月にてこの「3億台」という偉業を達成しています。

トヨタによれば、この3億台の内訳は国内生産1億8,052万台、海外生産だと1億1,960万台とのことで、もっとも売れたクルマは想像の通り、そしてやはり「カローラ」。※1966年の発売以降5,339万台が生産されている

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おそらくトヨタは今後「世界で最も強い自動車メーカー」の一つとなるだろう

なお、トヨタはEVの展開が遅れたことで「気候変動への対応に熱心ではない」と糾弾され、電動化への流れに乗れていないとして株主からも強い批判を浴びていますが、なんだかんだ言いながら3年連続で「世界で最も多くのクルマを販売した自動車メーカー」の座に輝いています(おそらくは4年連続となるだろう)。

これはつまり、世間がなんと言おうと消費者はトヨタのクルマを支持しているということになり、トヨタ製の「壊れにくいガソリン車」、「高い経済性を誇るハイブリッド車」が一般に受け入れられていると考えていいのかも。

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一方、EVシフトを強く進めてきたフォルクスワーゲンはバッテリー工場建設計画のいくつかを断念し、GMもEVの販売台数が予定に及ばないことを認め、フォードも「EVでは利益を出せないのでハイブリッドにシフトする」というコメントを出していて、EVに注力した自動車メーカーは(テスラ以外)総崩れというのが現在の状況です。

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こういった傾向はつまり、豊田章男会長がずっと主張してきた「実際の消費者はEVを欲しいとは言っていない」説が正しかったことを証明していることにほかなりませんが、未来よりも「今」を重視したトヨタの判断が正しかったということなのかもしれません(未来は常に流動的であり、EVシフトを進めた自動車メーカーが思い描いていたような未来はやってこなかった)。

豊田章男会長がトヨタを変える

なお、豊田章男氏が社長に就任するまでは「トヨタは高い品質のクルマを作るが、(2000GTを除くと)コレクションに値するクルマを作っていない」と評されることが多く、つまりは面白みのないクルマを作るというのが一般的な評価であったと思います。

ただし豊田章男氏が社長に就任した後はスポーツカーに注力し、86やGRスープラ、GRヤリスなど多くの魅力的な(そして話題性のある)クルマを発売していて、こういった流れによって「次は何を出してくるんだろう」というワクワク感、そして「トヨタの発売するクルマであれば間違いない」という信頼を勝ち取ったとも考えられます。

実際のところスポーツカーは販売する絶対数が多くはなく、よって利益に貢献するセグメントではありませんが、その会社の考え方を世に示すには最も有効なツールでもあり、トヨタはこれを有効に活用したわけですね。

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そしてトヨタの戦略についてもうひとつ特筆すべき点は「グローバル」と「ローカル」を組み合わせていること。

たとえばアメリカの自動車メーカーは「どこの国でも同じクルマを販売しようとし」結果としてその国に受け入れられずに徹底することもしばしばで(そもそもコルベットだとC8まで右ハンドルを作ったことがなかった。アメリカ企業は自動車メーカーに限らず、アメリカをスタンダードとして捉え、それにほかを”服従させる”傾向がある)、欧州の自動車メーカーもこれに近いものがあります。

ただ、トヨタの場合は「販売する地域にあわせて」販売するクルマを変えており、日本だとコンパクトカーやミニバンをメインに、欧州だとコンパクトカーやコンパクトSUVを中心に、アメリカだとセダンやトラックを主とした展開を行っていて、また中東や東南アジア、南アフリカ、オーストラリアでもそれぞれの地域に合わせた車種を販売しているので、おそらくそれぞれの国の人々によって「トヨタのクルマと言われて真っ先に思い浮かべる車種」が全然違うのかもしれません。

こういったフレキシビリティもまたトヨタの強さだとも考えられ、これからも「顧客の要望に沿った」クルマを作り続けてくれるものと思われます。

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トヨタ自動車 豊田章男会長、そして佐藤恒治社長はこう語る

『自動車づくりはみんなでやるもの』。これは創業者 豊田 喜一郎の言葉です。トヨタの仲間、仕入先や販売店の方々、ステークホルダーの皆さまはじめ、数多くの先人たちが日々、積み重ねてきた仕事の証が『3億台』という数字の意味だと思います。そして、この歴史は1号車をつくった時に始まった訳ではありません。失敗と挑戦、いわば何台もの0号車をつくり続けた創業メンバーの苦労の上に、今のトヨタがあります。今日まで、トヨタには何度も危機がありました。その時、いつも最後に私たちを助けて頂いたのは、トヨタのクルマを好きでいてくださるお客様の存在でした。クルマの数だけ、お客様の物語があると思います。その物語の相棒として、トヨタのクルマを選んでくださったお客様のおかげで、私たちは今日もまたクルマをつくり続けることが出来ます。心から感謝申し上げます。私もクルマが大好きです。これからもクルマを愛する仲間とともに、一台一台、大切につくってまいります」。

豊田章男

トヨタのクルマを選んでくださったお客様、そして、その一台一台に想いを込めてクルマをつくり、お客様にお届けくださってきた仕入先・販売店の皆さま、ステークホルダーの皆さまに、心より感謝申し上げます。3億台は、クルマや部品の企画・設計から生産、輸送、販売・サービス、それらを支えるすべての仕事まで、会社を越えた多くの仲間のご尽力があってこその結果だと思います。仲間の皆さまと数多くの困難も乗り越えてきました。近年だけでも、東日本大震災をはじめとする自然災害、火災などの不測の事態、コロナ禍、半導体不足など、思うようにクルマをつくれない危機に直面するたびに、みんなで助け合い、生産復旧や生産変動への対応に取り組んできました。私たちはこれからも、クルマづくりを支えてくださっているすべての皆さまへの感謝の思いを忘れずに、お客様が笑顔になるもっといいクルマづくりに全力で取り組んでまいります。

佐藤恒治

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参照:TOYOTA

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