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ついにトヨタの反撃が始まる?「EV用バッテリー工場に対し80億ドルの追加投資を行う」。一方VWは2022年に「6つの電池工場建設」としたものの2工場へ縮小

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| この1年の間にEV業界ではあまりに多くが変わってしまい、今後のトレンドがほぼ決しつつある |

正直、トヨタが「仕切り直す」2026年には何をどうやっても中国製EVに勝てない時代になっているのかも

さて、なにかとEVに関する出遅れが指摘されていたトヨタですが、「対応が遅れた」ばっかりに中国の低価格EVとの競合を避けることができ、フォルクスワーゲンやルノーが直面した「大打撃」を被ることなく、むしろ「過去最高益」を記録することとなっています(まさに怪我の功名である)。

この「過去最高益」については為替の影響などもあるものの、ハイブリッド車の販売が増加したことが大きな要因であることは間違いなく、「BEVよりもハイブリッド」と言い続けたトヨタの勝利ということなのかもしれません。

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ここからトヨタの反撃が始まる

そしてトヨタはライバルたちがテスラや中国製EVという大きな壁に阻まれて思うように販売を伸ばせない状況を見るにつけ、まだダメージが小さいうちに自社のEV計画をリセットし、「2026年に再出発」できるように照準を再設定するという計画を発表したのは記憶に新しいところ(もちろん、それまでにもBEVの投入を行う)。

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そして今回トヨタが発表したのが「BEV向けのバッテリー製造工場への巨額(追加)投資」。

これはトヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)へと追加で80億ドルの巨額投資を行うというもので、この投資により、同施設では3,000人の新規雇用が創出され、トヨタの投資総額は合計で約139億ドルに増加することに。

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このTBMNCはハイブリッド車と完全電気自動車の両方の生産に対応しますが、既存の2つの生産ラインのほか、EVとプラグイン・ハイブリッド車用の8つの生産ラインが追加され、さらには通常のハイブリッド車用のバッテリーラインも4ラインが新たに設けられるのだそう。

この最新の投資は、トヨタが最近発表したバッテリー技術ロードマップに続くものであり、これは2027年には航続距離1,000km超、充電時間10分を可能にするソリッドステート・バッテリーが完成するというもので、トヨタは今から「BEVの大量販売に向け」大きく弾みをつけるということになそうですね。

ただ、トヨタの「新世代EV」が市場投入されるであろう2026年には、EV市場における勢力図が決定している可能性もあり、そこにトヨタが入り込む余地はないかもしれず、その意味では今回のトヨタの投資も大きな効果を産まないこととなる可能性も否定できません。

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一方、フォルクスワーゲンはバッテリー工場建設計画を「一部中断」

そしてこれと対象的なニュースも流れており、それは「フォルクスワーゲンがバッテリー工場計画の一部を中断する」というもの。

その理由は先般から報じられる「EV需要の伸び悩み」で、つまりは想定よりもEVが売れないため、フォルクスワーゲンは工場を建設してもモトが取れないと判断し、具体的にはチェコに建設予定であった工場の建設を見送り、チェコはフォルクスワーゲンの決定を受けてこの用地を”他の投資家へと売りに出す”ことにしたと報じられています。

VWがEV需要低迷につき再び工場を一時閉鎖。EVに関する計画は大幅に狂いが生じ、修正計画にて挽回を図る
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フォルクスワーゲンは2022年7月に「欧州におけるバッテリー工場を、2030年までに6つへと増加させる」という計画を公表しているものの、最新の計画では2つに縮小されており、この2つにあわせてカナダに建設する「合計3つ」にて今後対応することになりますが、それだけ「EVが(予想よりも)売れていない」というのは衝撃でもありますね。

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参照:Toyota, NNA, etc.

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