中国ORAの発売する「ビートルのコピー」、バレエキャットは女性にあわせたシートサイズや操作系を持ち、さらには「生理中の体調に配慮するモード」までもが内蔵されている！

｜ ここまで「女性がターゲット感」を押し出したクルマは世界中探してもけっこう珍しいと思う ｜

ただし世界は広いので、こういったクルマがあってもいいんじゃないかとは思う（コピーには反対だが）

さて、中国の自動車ブランド「ORA（欧拉）」の発売したバレエキャットは女性をターゲットにした設計がなされていることで有名ですが、今回「生理中の女性に配慮した」機能が内蔵されていることが報じられちょっとした話題に。※ORAはGMW（長城汽車）のいちブランド

このバレエキャットは見た目が「フォルクスワーゲン・ビートルのコピー」ではあるものの、どういった理由からか欧州特許庁にも「固有のデザイン」として認められており、VWとして法的な対抗ができない状態です。

さらにはEV、そして4ドアという現代の求められる要件を満たしたクルマでもあり、中国において「今年発売された自動車の中では最も注目すべき一台」とも評されているようですね。

ORAバレエキャットは何から何までもが「女性仕様」

そしてこのORAバレエキャットについて、そのカラー含む仕様が「女性向け」として企画されており、ここまで「女性向け」ということを押し出すと日本では逆に避けられたりもするものですが、中国では「女性が女性であること」を主張することはまったく敬遠されていないので、こういった女性向け商品も自動車に限らず多数見られるようですね（参考までに、パンクキャットという男性向けのビートルのコピーも準備中）。

加えて中国では露骨に「購買意欲を煽る」商法もよく見られ、さらには人口が多いので、たとえば日本では「ニッチ」でしかない層であっても、中国ではその人口比だと「日本におけるメインストリーム」に相当するくらいの潜在顧客がいるものと考えてよく、そして自動車メーカーの数も多いために”なにかに特化したり、特徴がないと”生き残れないのかもしれません。

ORAバレエキャットのボディサイズは全長4,401ミリ、全幅1,880ミリ、全高1,633ミリ、ホイールベース2,750ミリなので意外と大きく、しかしORAではバレエキャットを「女性に優しいエレガントなクルマ」と公式に謳っており、そのために「レディードライビングモード」なる機能を内蔵していて、このモードには、先行車との距離を保つアクティブクルーズコントロール（ACC）、音声操作による駐車、同じく音声操作によるバック、運転時の披露に対する警告システム（休憩しましょう、みたいなアナウンスだと思われる）などが含まれています。

さらには「ウインド・アンド・ウエーブ・モード」といった機能も内蔵され、天候が悪化すると自動的に窓を閉めて（ウインドウが曇らないよう？）エアコンを最適化し、加えてライトとワイパーを自動で動作させ、アクティブクルーズコントロールをオンにすると先行車との車間距離を平常時よりも長く取るのだそう。

そのほかバレエキャットには「自撮りカメラ」が搭載され、画像や動画を直接SNSへと共有できるデバイスも装備しており（このあたりはシトロエンに似ている）、シート形状はもちろん、ステアリングホイールも「女性の肩幅と手のひらのサイズに合わせた」設計を持っています（女神模式というらしいぞ・・・）。

その究極は「ウォームマンモード」

ただ、今回話題になっているのはそういった数々の装備ではなく、「ウォームマンモード」なる機能。

これは中国語だと「暖男模式」だと記載されており、文字からはどういったものなのか判断ができないのですが、説明を見てみると「女性の生理時の不快感を軽減することを目的に開発された」ものだといい、ORAによると「生理中の女性は寒さを感じるため、パニックになることがある」とし、ワンクリックで起動できるこの機能によってステアリングホイールヒーターを起動させるとともに暖房を強化し「身も心も温める」のだそう。

ちなみになんですが、中国では女性が生理中であることについて女性自身が普通に公言することがあり、それはちょっとびっくりするところ。

たとえば、初対面の女性が「今日は生理なんで」と発言したりするわけですが、「えっ何？お前オレの彼女だったっけ？」みたいに驚いたりすることがあり、しかしそれは周囲に対して「体調が優れない」「できないことがある」ということを理解しておいてもらうための気遣いなのかもしれません。

それはともかくとして、世界にはいろいろなクルマがあり、こういった仕様をみるにつけ、「所変われば品変わる」といったことを改めて感じさせられますね。

ORAバレエキャットを紹介する動画はこちら

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参照：ORA, CarNewsChina