>アウディ(Audi)

こんなコンセプトカーもあった。TT風ワゴン「アウディ・シューティングブレーク」

2018/05/26

| アウディは昔から「スポーティーなワゴン」を発売したがっている |

2005年の東京モーターショーでデビューした「アウディ・シューティングブレーク」。
画像の通り8J世代のTTをベースとしたもので、エンジンは3.2リッター250馬力、駆動方式はクワトロ。
0-100キロ加速は6秒、最高時速は250キロ(リミッター作動)というスペックです。
なお、初代アウディTT、後継の8J世代TTのワールドプレミアは「東京モーターショー」で、この「アウディ・シューティングブレーク」についてもその流れを汲んだものと言えそうです(その後の8S TTのワールドプレミアは東京ではない)。

2005年からアウディはワゴンに注目

もともとアウディTTは「クーペ」モデルとしての開発ですが、その後に「ロードスター」が追加。
アウディは「TT」をひとつのブランドとして独立させたく、そのためにアウディの他モデルとのデザイン的差別化を図ってきたわけですが、そのために何度か「シューティングブレーク(ワゴン)」の投入を検討。

そして最初の「スポーティーな」シューティングブレークがこの「アウディ・シューティングブレーク」となっていて、トランク容量は最大730リッターにまで拡大でき、市場の要望に応えたものだと当時語られていますね。

欧州ではワゴンボディの人気が高く、メルセデス・ベンツ、BMWもエントリー、ミドルクラスにはワゴンを投入。
ただし「所帯っぽく」ならないよう、アウディではその名称を「アバント」とし、「ワゴン」とは呼ばないなど配慮がなされ、つまりデザイン、イメージ共に「スポーティーなワゴン」「スタイリッシュなワゴン」をアウディは昔から求めていたと思われ、そこで白羽の矢が立ったのが「TT」だと思われます。※アウディはワゴンボディに対し「アバント」という名称を与えるものの、このモデルはなぜか「シューティングブレーク」

このアウディ・シューティングブレークについては2005年の発表ながらも「LEDヘッドライト」「OLEDテールランプ」を持ち、これらがようやく最新世代の8STTで装着されたことを考えると、相当に「進んでいた」と言えそうです。

ボディカラーは「エレクトリック・ホワイト(これはポルシェのミッションEコンセプトに引き継がれたとも言える)」、デザインは8JTTをベースに、映画「アイ ロボット」に登場したアウディRSQコンセプトにやや似たイメージも。

ただし残念ながらこの「アウディ・シューティングブレーク」が生産にいたることはなく、その理由は不明です。

2014年にもTTベースのワゴンをコンセプトとして発表

なお、こちらは2014年の「アウディ・オールロード・シュテーィングブレーク・コンセプト」(デトロイト・モーターショーで発表)。
エンジンは2リッターターボで292馬力、駆動方式はクワトロ(4WD)、0-100キロ加速は4.6秒、最高速度は250キロ。

2005年のコンセプトモデルに比べるとエンジンが3.2リッターから2リッターにダウンサイジングされながらも出力が向上し、しかも加速もずいぶん速くなっていて、もちろん燃費も向上していることも想像できますが、こういった数字を見る限りでは「大排気量エンジンはもう存在価値がない」とも思えます。

デザイン的には「TTをオールロード・クワトロ風に」して車高を上げたもので、2004年の「アウディ・シューティングブレーク」とはやや趣が異なるものとなっていますね。



中国市場を意識した「TTオフロード・コンセプト」も

そしてその後北京モーターショーで発表されたのが「TTオフロード・コンセプト」。
アウディ・シューティングブレーク系コンセプトではじめて「TT」を名乗るものですが、反面初の「4ドア(+リアハッチ)」を持ち、かつエレクトリックモーターを持つ「ハイブリッド」。

北京での発表ということからもわかる通り「中国市場を意識した」モデルで、というのも中国はSUVを好む一方でスポーツモデルにも憧れがあるため。
ただ、スポーツモデルは室内が狭く実用性が低く、かつ現地生産を行なっていない場合が多数なので「高く、使いにくい」モデル。

そういった背景があるためか、憧れと実用性とを融合した「スポーティーなデザインを持つSUV」が中国では人気があり(よって中国のメーカーはここに注力している)、アウディもここを狙ったのでしょうね。

TTオフロード。コンセプトはその後にフォルクスワーゲン・グループが直面するディーゼル不正事件の影響で「発売が先送り」にされたと言われますが、2019年に「Q4」として発売される、とも報じられています。
これが実現するかどうかはわからないものの、もし発売されれば「14年越しの」計画が実現するということにもなりますね、

関連投稿
アウディQ4が2019年に登場。TTオフロードコンセプト似のルックスで

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->アウディ(Audi)
-, , , , ,