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「フォードは決断を誤った」。セダン撤退後にセダン人気復活、フォードのユーザーはほかメーカーに流れる

2018/09/30

| フォードの決断は完全に間違っていたようだ |

フォードはそのお膝元であるアメリカにて「セダンとコンパクトカー撤退」を決め、SUVとトラック以外は2車種(マスタングとフォーカス・アクティブだけ)しか作らないという究極の判断を下しています。※今でもこの判断が信じられない
これは当時のアメリカにおいて、「SUVとトラックしか売れていない」状況を考慮し、かつその前年に大きな減益を記録したことへの対処となりますが、アナリストはこれを「間違った判断だ」と今回指摘。

フォードの顧客はフォードの決断を支持していない

今回この見解を述べたのは「COX Automotive」。
調査によると、現在フォードのセダンやコンパクトカー(生産が打ち切られるフォーカス、フュージョン、トーラス、C-Max、フィエスタなど)に乗る人の半分は、買い替え時期が来たら他メーカーのセダンやコンパクトカーを購入する、と回答。
さらに「フォードのSUVかトラックに乗り換える」と答えた人はわずか10%しかおらず、つまりセダンやコンパクトカーに乗る人は「セダンやコンパクトカーを好んでおり」、フォードにそれらがなくなったら「フォードを選ばないだけで、ほかメーカーを選ぶ」ということですね。

おそらくフォードは「現在のフォード製セダンやコンパクトカーに乗る人々は、買い替え時にはフォードのSUVやトラックに乗り換えてくれるだろう」と考えての「セダン/コンパクトカー撤退」だったのだと思われますが、事実は全く違った、とも言えます。

そして回答者の多くは「フォードの決断は間違っている」「フォードに裏切られた」と考えているようで、完全に今回のフォードの決断は裏目に出そう。

しかも現在はどのメーカーもSUVに力を入れているのでSUV市場は競争が厳しくなっており、その中でフォードが存在感を発揮するのは並大抵のことではなく、場合によっては「利益が削られる」ことにも。

市場はフォードが予想した方向と反対に動いている

さらに現在は原油が比較的高めに推移しているため、燃費の悪いSUVやトラックの人気にやや陰りが見えているといい、むしろフォードが撤退を決めたセダンとコンパクトカーの中古人気が上昇する始末。

つまりは何もかもが「反対の結果」に出ているのがフォードの決断ということですね。

米中古車市場に異変。原油高でセダンとコンパクトカーが人気化し過去最高の相場へ

そしてフォードは日本市場を撤退していますが、フォードの撤退後に日本国内に置いてアメリカ車人気が上昇しており、ジープはじめシボレー、クライスラー、キャデラックなどの販売が上昇することになり、これも「もうちょっと撤退を遅らせていれば良かったのに」と思わせるところで、これほどまでに間が悪い自動車メーカーをぼくはほかに知りません。

なお、ビジネスにおいては「早々に不採算部門に見切りをつける」のも一つの有効な決断であることは間違いなく、しかし世の中のトレンドは常に変わりますし、そうやってライバルが次々と「撤退」してゆく中で”最後まで踏ん張った”メーカーの製品にユーザーが集中するのもまた事実。

要はその判断をどこでどう行うかですが、とにかくフォードはタイミングが悪かった、としか言いようがなさそう。

 

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