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特別装備と雰囲気満載。ドイツ車よりもアメリカ車に近い?ビートル・デューンに試乗する

投稿日:2016/08/01 更新日:

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【フォルクスワーゲン・ビートル・デューンってどんな車?】

要するに車高を上げた、オフロード風味のビートル。
通常のビートルに比べて15ミリ車高が上げられ、足回りをワイルドに見せるために樹脂製のホイールアーチを装着し、アンダーガード風のデザインを持つ前後バンパーやリアスポイラーが装着されたアクティブさを感じさせるビートルですね。
通常モデルをリフトアップするのはVWが昔から(クロスゴルフやクロスポロなどで)よく使う手法ですが、クロスゴルフでは単に車高を上げるだけではなくジオメトリも変更するなど結構真面目に作っていた印象があります(ビートル・デューンはそのあたり不明)。

エンジンは通常ビートルが1.2リッターと2リッターのラインアップなのに対して1.4リッター(150馬力)。
ただし以前にシロッコで用意されていた「ツインチャージャー(スーパーチャージャーとターボチャージャーの2基がけ)」ではなく、ターボチャージャーのみ。

オフロードっぽい外観を持ちますが駆動方式はFFで、トランスミッションは7速DSGとなります。
燃費は公称値でリッター18キロ(1.2リッターモデルよりも優れる)、価格は321万9000円。
日本での限定台数は500台で、7/末の状態で150台ほど枠が残っている、とのこと。

【外観について】

上述の通り外観はワイルドな仕上げに。
なおビートルは2016年秋以降にフェイスリフトを受けますが、外観に関してはそれを「先取り」した仕様となっています。
左右分割式のエアインテークを持つフロントバンパー、サイドモールディング、ホイールハウスアーチ、ブラック部分が増えたリアバンパーなどはフェイスリフト後のビートル「R-Line」に採用されるもので、これがフェイスリフト前にビートル・デューンに与えられた、ということになります。

ただしフロントバンパー、リアバンパー、サイドステップのストーンガード風の(オフローダー風の)パーツはフェイスリフト後のビートルR-lineにも採用されない、デューンのみが持つ「専用装備」ですね。

デューン専用装備に加えてこれらフェイスリフト後ビートルに採用されるパーツの効果は非常に大きく、というのも現在フォルクスワーゲンの販売は「ジリ貧」と言われ、そして新パーツ群はフォルクスワーゲンがそれを立て直すために投入した肝いりのデザインであり、相当に力が入っている、というわけですね。

実際にこれまでのファンシーな印象から、ずいぶんスポーティーで力強いルックスへと変貌を遂げていると思います。
なお、リアバンパーにおいて下部分をブラックアウトして「視覚的なヒップアップ効果を狙う」のは最近のVWアウディグループ全体にわたりよく見られる手法で、最新のポルシェ、ランボルギーニにおいても採用される手法です。

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【内装について】

かなり大きなドアを開けて乗り込みますが、シートは大柄で柔らかく、ソファのような印象。
この辺り比較的タイトで固めの座り心地を持つゴルフとはやや異なるところです。
パっと目に入るのはやはりボディカラー同色塗装がなされたパネル類ですが、これは非常に特別な印象がありますね。
メーターもデザイン性の強いもので、はやりの液晶ではありませんが非常にカラフル。
「いかにも欧州車」的なゴルフに対して、ビートルはかなり「アメリカ的」だと感じます。
なお残念ながらビートルの特徴でもあった「一輪挿し」はオプションに。

ステアリングホイールが細いのはおそらくビートル固有の特徴と思われますが、これは過去のビートルへのオマージュかもしれません(VWの他のモデルに比べてもかなり細い)。
なおステアリングホイールに使用されるスムースレザーは品質が高く、ポルシェだとこのスムースレザーはオプション扱いとなるレベルで、この辺り(手に触れる部分の質感が高い。ウインカーレバーの操作感はポルシェを軽く超える)はゴルフ含めてVWの美点と言えます。
シートのトリムやステアリングホイール、シフトレバーブーツのステッチにもボディカラーが反復され、かなりなスペシャル感もありますね。

パーキングブレーキが電動式でないのは残念ですが、登場年式や価格を考えるとやむをえないところ。

【運転した印象】

1.4リッターエンジンは出だしでちょっとモタつく印象がありますが、いったん走り出せば問題なし。
低回転で負荷がかかるとインジェクターの音が気になる場面もあるものの排気量を考えると許容範囲内といえるでしょう。

乗り心地は非常に柔らかくソフト、しかしカーブでは以外と粘る印象があります。
総じて上品な乗り味ですが、試乗を通じて内装のきしみ音、ステアリングホイールから伝わる微妙な振動が気になりますが、これ室内が快適かつ静かすぎることに起因していると思われ、一般的に考えると総合して高いレベルと考えて良いでしょうね。

このあたりも内装の雰囲気や感触同様、ゴルフとは大きく異るところ。
おそらくはこれもアメリカ市場を意識したものと思われます。

ブレーキには回生システムが備わりますが、違和感の無い自然なフィーリングですね。

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【総括】

全体的な印象としては「おおらか」というもので、ゴルフのような精緻さとは(同じVWながらも)対局にあるのかもしれません。
テクノロジーを感じさせるのではなく雰囲気を楽しむ車だと言え、そしてその目論見は達成できていると考えて良いかと思います。

ただビートル自体の登場年がすこし前(2011年)になるので、ゴルフに採用される最新のMQBプラットフォームではなく旧世代のプラットフォームを採用することになり、それに関わるゴルフとの印象の差異は少なからずあります。

かつ、装備の近いゴルフTSIハイラインの価格が328万円、燃費もリッター19.9キロということを考えると、ビートルの不振は「身内のゴルフに食われている」と考えて良いかもしれません。

ビートルそのものは素晴らしい車ですし、価格的にも魅力があると考えていますが、いかんせんゴルフの性能の高さ/価格的訴求力が高過ぎ、「身内に出来過ぎた兄弟」がいるのがその不幸と言えるでしょうね。

ただ、車は性能やテクノロジーのみで語られるものではなく、ゴルフとビートルを比較して「どちらを買うか」と言われた場合、ぼくはビートルを選びます。

試乗記について
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