いつも参考になる動画をアップしてくれるシューチューバー、Engineering Explainedが「水平対向(フラット)4エンジン」と「直列4気筒エンジン」のメリット、デメリットを紹介する「ためになる系」動画「The Differences Between Inline Four & Boxer Four Engines」を公開。
いつもはホワイトボードを使用することが多いのですが、今回はなんと3Dプリンタで制作した、実働模型をその説明に用いています。
さらにその模型は機能をわかりやすくするためにパーツごとの色が変えられ、バルブもINとOUTでカラーが異なる、というこだわりよう。
まず「振動」について。
これは以前に「直列5気筒エンジンのメリット/デメリット」でも触れていますが、直列エンジンには特有の振動が発生することに。
対して水平対向エンジンは「ピストンの動きが反対側のピストンの振動を打ち消す”カウンター”の役割を果たす」ので振動が少ない、というメリットが。
次は「重心」。
画像のエンジンの位置が実際の車に搭載される高さとなりますが、両者ではこれだけ差があるということになります。
水平対向エンジンの方がずっと低くエンジンを搭載でき、それだけ重心が低く運動性能に勝る、と言えますね。
そしてエンジンルームの専有率。
青い部分が真正面から見た「占有部分」ですが、これだけ見ると面積的には差がないものの、実際の車にはサスペンションやステアリング関係、バッテリーなどがエンジンルームに備わることになるので、水平対向エンジンはレイアウト的にはかなり「エンジンルーム内を圧迫する」ことになり、設計の自由度がそれだけ減ることに(サスペンションはエンジンの横にしか設置できない)。
これは他のメリットとのトレードオフ、と考えるしかなさそうです。
加えてエンジンへのアクセスやメンテナンスに限界があり、例えばプラグ交換にしても水平対向エンジンは一苦労。
こういった感じで両者とも一長一短で、メンテナンス性を犠牲にでき、かつスペース的な制約という問題を解決できるのであれば水平対向エンジンが優れ、物理的に水平対向エンジンを積むとサスペンションを設置するスペースがなくなるようなコンパクトカー、メンテナンス性を重視する場合は直4の方がいい、ということに。
水平対向4気筒はスバルとポルシェが採用していますが、これらは「運動性能がトッププライオリティ」にある、と考えて良さそうです(スバルは量販車にもかかわらず水平対向エンジンに固執しており、これは凄いことだと思う)。