もはやアウディにおいてはV10に未来はないのか
アウディは現行のエンジンから40%を廃版に
ボルボの研究開発部より移籍してきた現アウディの役員(技術開発担当)、ペーター・マーテンス氏によると「アウディは長期的に、現在のエンジンの40%を削減する」予定。
これはもちろん「エレクトリック化(アウディは2020年までにEVを3モデル発売予定)」によってガソリンエンジンの(車体に占める)重要性が減るであろうこと、そして「コストカット」が理由と思われます。
さらに、この「エンジンラインアップ縮小」はもちろん”大きなエンジン”からその対象になるとしており、つまりW12(A8)、V8(R8)エンジンが真っ先に「切られる」ことになりそうです。
ペータ・マーテンス氏が語ったところでは「我々に本当にV10やW12が必要だろうか?という問いかけに対し、”V8エンジンで十分ではないか”という結論に達した」とのこと。
将来的にはV8エンジンすら消滅
加えて「V8エンジンを必要とする顧客層は確実に存在する。しかし、そういった顧客層も永遠に存在するわけではない」とも語っており、長期的にはV8エンジンすらなくなってしまうことを連想させる発言も。
たしかに現在の2.5リッター直5ターボでもV10と同レベルのパフォーマンスを発揮するに至り、V10エンジンの優位性が揺らいでいるのも間違いのないところ。
「コストカット」という側面から見るとアウディ自体はすでにV8エンジンの開発を停止しており、今後アウディに使用されるエンジンは同じグループのポルシェが開発したものを使用することになっていて、これを見ても「グループ内で段階的にエンジンラインアップ縮小」となるのは間違いなさそうですね。
プラットフォームも共通化を図る
なお、プラットフォームについてもエンジン同様にその種類を削減する(もしくは増やさない)ようで、アウディのEVにおけるプラットフォームについては、ポルシェとアウディとの共同開発によるものになるだろう(グループ内ブランドで共有し、効率化を図る)とも述べています。
この「プラットフォーム共有」の効果は絶大で、現実的にVWゴルフに採用される「MQB」共通化を進めることで「グループ内で使用されるエンジンやギアボックスの90%が削減できる」とされることからも、今後強力に推し進める可能性が高そう(アウディTTも2代目では専用プラットフォームだったものが最新世代ではゴルフと共通のMQBとなり、エンジンもポルシェ・マカンなどグループ内車種で共有されるものとなっている)。
V10エンジンがなくなるということは、フォルクスワーゲン・アウディグループ傘下のランボルギーニについても「V10エンジン消滅」ということになり、そしてランボルギーニはすでに「次世代モデルはハイブリッド」と明言しているところを見るに、今の時点で「脱V10」を前提にウラカン後継モデルを開発しているのかもしれませんね。
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