ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」が日本にやってきた
現在大阪で開催中の”ブリューゲル「バベルの塔」展”。
そろそろ会期も終わりに近づき、ちょっとは人も減っているだろうということで訪問してきました(こういった美術展示は開始直後と終了間際が最も人が多い)。※画像はバベルの塔展の公式キャラクター”タラ夫”
バベルの塔展、大阪会場は国立美術館(中之島)
会場は国立美術館。
美術館に駐車場はないので、車で訪問の際は近隣のパーキングを利用する必要があります。
なお、近くにはリーガロイヤルホテルがあり、そこの1Fには「コーンズ・リーガロイヤル・ギャラリー」が常設されているので、コーンズ取り扱いとなるフェラーリやロールスロイスなどの滅多に見れない車を見て帰るのもオススメ(リーガロイヤルホテル内のブラッセリーでパンやケーキを買って帰るのもいい)。
会期終了が近づいているといえども人は多し。
作中にあるバベルの塔はこんなに大きい
館内は撮影禁止なので画像はありませんが、これは会場を出たところにあるバベルの塔と東京タワーとの比較。
ブリューゲルの絵にあるバベルの塔は510メートルくらい、東京タワーの高さは333メートル。
さらにバベルの塔の中身は「みっちり」詰まっており、とんでもなく大きな建造物、ということがわかります。
ただしブリューゲルの描くバベルの塔はブリューゲルが自身の生きた1500年代風にアレンジしたもので、建設機械や、横に映る船舶などが「当時」風(もともとバベルの塔は紀元前の話)。
バベルの塔内部の予想図もある
会場の外には大友克洋が再現した「バベルの塔の中」も。
ぼくはバベルの塔に対して並々ならぬ興味を抱いていますが、それはテッド・チャン「バビロンの塔」を読んでから。
その中に登場する塔は、その内部にコミュニティを持っており、ブリューゲルの描くバベルの塔にかなり近い捉え方となっています。
ブリューゲル自身はそれまでの作風などから、この「バベルの塔」についても一種の戒め(天に手を伸ばすと天罰が下る)を暗示したものとして制作したのではという見方もありますが、テッド・チャン「バビロンの塔」もそこは同じなのかもしれません。
人が神に近づくこと、そもそも神へと手を伸ばそうとする行為がどういったことなのかについて、ぼくは高い関心を持っていて(ぼくは無神論者)、その象徴たるバベルの塔、特にブリューゲルの描くバベルの塔はどうしても見ておきたかったのですね。
なおギリシャ神話しかり、やはり「神」に逆らうとどうなるのかということは古来からのテーマのようですが、神=運命と捉えるとなると、ぼくらはそれを受け入れるべきなのか、それとも抗うべきなのかは常に考えてしまうところ。
ただし「戒め」を受けるのは「神と同じ能力を持とうとした」「神と同じ場所に立とうとした」ことに対して行われるようで、「試練」に対して立ち向かうというのはまたこれと別の問題なのかもしれません。
バベルの塔展公式キャラクター「タラ夫」はゆるキャラグランプリに参戦中
こちらは「バベルの塔展」公式キャラクター「タラ夫」。
ブリューゲルの作品「大きな魚は小さな魚を食う」に登場するキャラで(絵の右上あたり)、古代エジプト神話の「メジェド様」的な人気を誇っています(なお、実際の絵には、タラ夫にある”スネ毛”はない)。
会場を出た売店ではポストカードやタオル、ぬいぐるみやキーホルダー、Tシャツなど多種多様なグッズが販売中。
「七つの大罪」をテーマにしたグッズもありますが、キャラクターによってはすでに「売り切れ」となっているものも。
↓前から見たタラ夫はこうだ!