車両盗難や車上荒らしの実体はこうだ。損害保険協会の公開した統計を見てみよう
たまたま見つけた、損害保険協会の調査した、「自動車盗難事故実態調査 結果報告」。
内容はかなり多岐にわたりますが、気になったところをピックアップ。
なお、車両の盗難や車上荒らしについては特定の傾向が見られ、なんらかの防止策における参考になればと思います。
車体における保険金の支払額は増加傾向
まずは「1件あたり支払保険金の推移(車両本体盗難)」。
これは年を追って増加していますが、おそらくは車両本体価格がどんどん高くなっているためでしょうね。
逆に「支払件数と1件あたりの支払保険金の推移(車上ねらい)」では、支払額が減少。
これは、「カーオーディオやカーナビの互換性が車種ごとになくなったので、盗む目的やメリットがなくなった」ことがあるかもしれません。
かつてはDIN規格採用のオーディオやカーナビを盗んで転売といったことが可能でしたが、今やそれらは標準装備化され、かつ「車種別専用設計」なので転売が難しく、またすでに標準装備されていれば「純正オーディオやカーナビを買う理由」も無いのだと思います。
大阪、愛知は盗難が多い
こちらは「車両盗難多発都道府県」。
意外なのが、「台数がかなり多いはずの」東京都での発生が少ない、ということ。
逆に愛知県はかなり多く、大阪府、千葉県、茨城県、埼玉県あたりが上位の常連。
都心は人目があって盗みにくかったり、保管がマンションや立体駐車場など、管理が行き届いているために盗みにくいのかもしれませんね。
車そのものの盗難ではなく、車上狙いに絞ってみると大阪府での事件発生がダントツ。
次いで愛知が多く、「車両本体の盗難、車上荒らし」については大阪/愛知に住んでいる人は要注意、ということになります。
新しい車の盗難が増加中。盗む車はあらかじめ狙いをつけられている?
年を追うごとに大きく変わってきているのが「初度登録から盗難までの期間」。
この統計を見ると、「新しい車ほど盗まれやすい」という傾向が明らかに。
こちらは車両の盗難場所。
自宅駐車場(屋外)、契約駐車場(屋外)が圧倒的。
コンビニやスーパーでの盗難が少ないところを見ると、盗難は「計画的」に、かつ下見を行ってから行っているのかもしれません。
自宅駐車場、契約駐車場であっても屋内だと急に盗難が減っており、これは明確になんらかの傾向が読み取れる内容ですね。
※車上狙いにおいても同じ傾向がある
加えて、車両盗難時の「施錠の有無」について、95%以上が「施錠していた」と回答しており、やはり車両盗難に関しては「狙いをつけた車両を、的確に」盗んでゆく、という計画的な犯行なのだと思われます。
こちらは盗難の発生時間帯。
やはり顕著な傾向がありますね。
やはり盗まれるのは圧倒的にトヨタ車が多い
盗難されている車種のランキング。
プリウス、アクア、ランドクルーザー、レクサス。
こちらは車上狙いにて盗まれる「モノ」。
年々外装品が増え、カーナビがやはり減少。
ただし一番多いのは「バッグ類」であり、とにかく車内の見える場所にモノを放置する、モノが入っていると思わせるのは避けたほうが良さそうです。
最後に、メーカー別の盗難、車上荒らしにあった件数。
登録台数も多いとはいえ、トヨタが圧倒的ですね。
「人気」を考えた場合、トヨタ車そのものが盗まれやすいのは理解できますが、「車上荒らし」までもがダントツとなると、「トヨタ車のドアは開けやすい」など、別の問題があるのかとも考えてしまいます。
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