| カーモジュールの顔つきにはちょっと無理がある |
先日、「ポルシェが空飛ぶ車を開発してタクシー事業に参入」という話が出ましたが、今回ポルシェではなくアウディがその「空飛ぶ車」を開発する、と正式に発表。
現在ポルシェとアウディとは同じグループに属し、両社ともエレクトリック化においては緊密な関係を保っていますが、アウディがかわりにこれを行うことで「ポルシェの空飛ぶ車」は消滅するのかもしれません。※グループの戦略上、もっともエレクトリックイメージの強いアウディを立てるのが最良だという判断だと思われる
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実現すればかなり便利な移動手段に
今回のプロジェクトについては昨年発表された、イタルデザインと仏エアバス社とのコラボレーションがベースとなっており、その「Pop.Up」をさらに進めるという意味で新たに「Pop.Up Next」と命名。
考え方としては「キャビン」と呼ばれる、人が乗るカプセルを核にして、空を移動する際にはヘリコプターのようなもの(フライトモジュール)とこれをドッキングさせ、地上を移動する際には走行用の車(カーモジュール)と組み合わせる、というもの。
フライトモジュール、カーモジュールともに「フルエレクトリック」「フルオート(自動運転)」を目指しており、フライトモジュールは時速120キロにて50キロの距離を移動でき、充電にかかる時間は15分。
カーモジュールは130キロを走行できる、としています。
たとえば「空港と都心部」「長距離列車の発着駅と都心部」をフライトモジュールで結び、そこから宿泊先までをカーモジュールで、といった使い方だと非常に効率的な輸送ができると思われ、この考え方を拡大させれば「人」だけではなく「モノ」も低コストで運べるかもしれませんね。
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地上と空を自由に移動。エアバスとイタルデザインが共同で「Pop.Up」コンセプト公開
仏エアバス社とイタルデザインとが共同にて「Pop.Up」を公開。
これは「パッセンジャー・カプセル」を核にした移動手段で、これの下に「地上移動用」のモジュール、「空中移動用」のモジュールを取り付けることでより効率的な移動ができるようになる、というもの。
こんな感じで「一定の場所まで地上を移動し、そこからは空中」という移動方法を取ることができるようになりますが、実現すればかなり画期的なシステムと言えます。
しかしながらこれは「絵空事」ではなく、エアバス社は2017年に(個人利用による)空中移動実験を行うと公表。
実験の結果を活かして少人数を輸送する公共交通機関として実用化することが狙いですが、今回のプロジェクトもその一部と考えられます。
なおカプセルの大きさは長さ2.6メートル、高さ1.4メートル、幅1.5メートル。
地上を走る「グラウンド・モジュール」は15分でチャージ可能なバッテリーを備えて最高速度は時速100キロ、航続可能距離は120キロ。
空を飛ぶ「エア・モジュール」は出力182馬力を発生するモーターを備え、やはり15分で充電が可能。
最高時速は100キロで、これ単体では100キロを飛行することができるとしています。
実際の導入に当たっては「個人所有」ではなく、グラウンドモジュールやエアモジュール、カプセル(コクーン)を共有しての運用が効率的と思われますが、もう「こういった時代が目の前に」来ている、と思わせるコンセプト提案ではありますね。
仏エアバス社が今年中に「空飛ぶ自動運転車」実験開始。タクシーとして2020年実用化を目指す
フランスの「エアバス」社が2017年中に「空飛ぶ車」の自動運転テストを行う意向を発表。
路上での自動運転だと路面状況や他の車、歩行者との距離、その他もろもろの事情があると思いますが、空中だと「もしかすると路上よりは制約が少ないのでは」と思うことも。
ただし、「走行」に比べて「飛行」のほうが技術的難易度が格段に高いことは間違いありません。
なおエアバス社はこの「自動運転で飛ぶ車」について、ドローンのように宅配に利用するのではなく、自動車に代わる交通手段として考えているようで、これの普及によって大都市の交通渋滞を緩和できる、そして信号や歩道橋、路面の舗装などインフラ投資を抑えることができる、ともしています。
実際に昨年報道があったようにエアバス社はすでに「都市空中移動部門」を設立し、2020年の実用化(あと3年ですよ!)に向けて動いていますが、車両(機体?)に関しては販売ではなく「公共交通機関」としての活用を考えており、利用者が(Uberのように)アプリで呼んで乗る、という使い方を前提としているようですね。
なお事故は「ゼロ」にすることはできないと思いますが、空中で事故やトラブルが発生すると直結するのが「墜落」。
このプロジェクトについては都市部での利用を前提としているとのことであり、都市部での事故が発生した場合は大きな影響が出ることになりそうです(上述のインフラ投資で節減できた費用が一瞬で飛んでゆきそう)。
エアバス社が無人航空機プロジェクトを公開。1人を乗せて都市部での移動に活用
エアバス社が自動操縦航空機プログラム「Vahana project」を公開。
シリコンバレーの企業と協力して開発を行っており、2017年末にはプロトタイプを製造した上で2020年には試験飛行を開始する、とのこと。
この航空機は8つのローターにてプロペラを駆動し乗員1人を輸送可能。
エアバス社によると都市部の有力な移動手段になり得るとしていますが、色々と問題はありそうです。
例えば一機あたりは確実に自動車より高くなるでしょうし、そうなると利用料もかさむ可能性があります。
また駐機スペースも結構広い場所が必要であり、多くの台数を飛ばすのは難しく、となると一機あたりの価格が下がらないかもしれません。
反面、仮にバッテリー性能が向上し「電動」で飛ばすことができるとすれば自動車よりも構造が簡単なぶんコストは大きく下がる可能性があり、飛行可能時間もある程度確保できるのであれば相当にメリットが出るのかも、とは思います。