| ヒュンダイは他社を気にしすぎ? |
ヒュンダイは現在新しいデザイン言語を推し進めている最中で、それは「Sensuous Sportiness」。
これは「官能的なスポーティーさ」とでも表現できそうですが、ジュネーブ・モーターショーにて発表された「Le Fil Rouge concept(ル・フィル・ルージュ・コンセプト)」のアップデート版にこの新しいデザインを反映させる、とも言われます。
加えて今回、ヒュンダイの副社長であるサンヤップ・リー氏がカーメディア、Automotive Newsに対して「今後10年で、人々が”ヒュンダイは魅力的なクルマを造っている”と判断してくれるようになれば嬉しい、と語った模様。
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さらに同氏は「将来的に、ヒュンダイはアルファロメオより魅力的なクルマをつくるようになる」とも発言しており、これは相当に自信満々な発言。
ヒュンダイのデザイン部門を束ねるルク・ドンカーヴォルケ氏(ランボルギーニ・ムルシエラゴ/ガヤルドのデザインで知られる)も以前に、ジャーマンスリーの採用する「金太郎飴」を批判し、ヒュンダイは独自のイメージを個々のクルマに与えながらも共通性を出すという「ヒュンダイ・ルック」を用いると語っています。
ちなみにぼくが思うのは、「ヒュンダイは周囲を気にしすぎる」ということ。
ベンチマークを設定するのはある程度必要だとは思いますが、あまりに「~のような」「~を超える」「~よりもいい」という発言が多いように思われるのですね。
ぼくは常々、「なにか特定のライバルをターゲットにすると、それに追いつくことはできても、それを超えることはできない」と考えています。
つまり「二番煎じ」「コピー」は永遠にオリジナルを超えることはできない、ということ。
現在、どのようなジャンルであっても「一番」を取るような企業や人は、「一番目の企業や人を追いかけ、追い抜いた」例よりも、「自分らしさを追求し、それが認められて一番になった」ほうが多いのでは、と考えています。
その意味において、ヒュンダイはほかを追いかけるよりも「ヒュンダイらしさ」を追求すべきで、それによって信頼を得、ひいてはポジションの向上を目指すべきなのかもしれません。
おそらく、他を真似したり、ベンチマークを設定しないと前に進めないのは、自信がなかったり、具体的なヴィジョン、オリジナリティがないからで、そういった「中身の無さ」は必ず消費者にも伝わるものだ、と考えています。
当然そうなると消費者がついてくるわけはなく、真似したり、他社を意識するだけの会社は早晩見切りをつけられるのだろう、とも。
こういった例を見ると、いつも想起するのは「最強」時代のレッドブル・レーシング(F1チーム)。
レッドブルが常に革新的な手法を取り入れて結果を出し、それをほかチームが真似するという図式があったわけですが(今のF1は自由競争ではなくなったのでその構図がもう失われてしまった)、当時、テクニカル・ディレクターのエイドリアン・ニューウェイ氏がこう言っていたことを思い出すのですね。
「常にフォロワー(真似っこ)は現れる。だが、ほかが真似する頃には、我々はもう別の段階へと移行している。追ってくるものがあれば、それらよりも速く先に行くまでだ」。
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