| まさかのポルシェ935「公道仕様」が存在した |
ポルシェ935といえば「(リアが長く、巨大なリアウイングを持つため)モビーディック」の愛称で親しまれるレーシングカーで、最近そのままの名称「935」としてポルシェがリバイバルを決めたことで一気にその名を知られることに。
その「新型」935は911GT2RSをベースとしたサーキット走行専用車両ですが、今回紹介するのは新型935ではなく「初代」935。
しかもレーシングカーを公道仕様へとコンバートした”世界で唯一の”個体です。
スーパーカーの歴史はウォルター・ウルフ抜きでは語れない
なお、この”公道仕様ポルシェ935”はポルシェのレーシングカーを走らせて数多くの実績を残した「クレーマー(Kremer)」が製作したもので、これをオーダーしたのはかの「ウォルター・ウルフ」。
そしてベースに用いられた935は1979年にル・マンにて実際に走行した個体である、とのこと。
ウォルター・ウルフというとカナダの石油王そしてF1チームのオーナーとして知られ、さらにランボルギーニ・カウンタックをランボルギーニに依頼してカスタムさせ、それを反映させた仕様のカウンタックがのちに「LP400S」として発売されたこともで有名です。
この935に積まれるエンジンは2.85リッター・ツインターボ、そして出力は740馬力(新型935よりも40馬力高い!)、駆動輪は後輪のみ、そしてトランスミッションは4速マニュアル(ギア比はル・マンの優勝車と同じ)。
燃料タンクもまんま「レース用」。
なおボディパネルはすべてケブラー製。
カラーはおなじみ濃紺とレッドです。
ドアミラーもエアロ形状となり、フロントウインドウ前にはキルスイッチも装備しています。
インテリアはこんな感じでスパルタン。
面白いのはウォルター・ウルフ氏が「エアコンをつけてくれ」とクレーマーに要望を出したところ、クレーマーがこれを拒否したこと。
これは技術的な観点からではないとされ、ウォルター・ウルフ氏はクレーマーから「夏には薄着(ポロシャツ)で運転すればいいだけだ」という回答を受けた、とされています。
メーターパネルにもウォルター・ウルフのロゴ入り。
エアコンはなくとも、オーディオシステムは追加されているようですね。
ちなみに1980年に販売された時の価格は約1億円ですが、今回売りに出されている価格は約2億円。
それでも「安いんじゃないか」とぼくは考えていて、この先まだまだこのクルマの価格は上がることになりそうです。
ポルシェは現代版935を改めて紹介
そしてポルシェからは新しく蘇った現代版「935」を紹介する動画が到着。
上述の通り911GT2RSをベースとするサーキット走行専用モデルで、エンジンは3.8リッターツインターボ(フラットシックス)700馬力というスペックで、その限定台数はわずか77台のみ。
動画にて解説を行うのはポルシェのエクステリアデザイナー、グラント・ガーソン氏。
同氏のお気に入りパーツ「チタン製エキゾーストシステム」について語っています。
VIA:Mechatronik