かなり昔の時点から「ザガート特有の形状」は健在だった
さて、京都は二条城にて開催されたコンコルソ・デレガンツァ2019京都。
1930年代のクルマから2018年の希少車までが一同に会し、来場者を喜ばせる素晴らしいイベントであったと思います。
そして今回は「ザガート100周年」そしてランボルギーニのレストア部門「ポロストリコ」が展示の主な内容となっていますが、まずはランチア、アルファロメオ、ポルシェとザガートとのコラボレーションによるクラシックカーを見てみましょう(正直、この年代のクルマにはあまり知識がないので簡単に。調べてもなかなか情報が出てこなかったり、不明瞭であったりする)。
Lancia Appia Zagato(1957)
ベース車となるランチア・アッピア自体は1953年に発表され、その後10年に渡り製造された人気車種。
ザガートはこのランチア・アッピアのクーペボディをベースとし、レースをたしなむ顧客向けにアルミ製のボディを架装したモデルを1957年から1962年にかけて製造したと言われています。
ルーフはもちろんザガート特有の「ダブルバブル」ですね。
Alfa Romeo Sport Zagato SZ(1958)
こちらはジュリエッタ(Giulietta)をベースにザガートが架装を行ったものと思われますが、詳細は不明。
フロントサイドからリアサイドにかけての直線、そしてリアフェンダーと直線との処理が秀逸です。
Porsche 356 A Speedster Zagato(1958)
こちらは珍しい、ポルシェ×ザガート。
ノーズとテールが延長され、より空力を意識したように見えます。
フィンは薄く、大きなデザイン。
ザガートは航空機の設計も手がけていたと言われ、そのノウハウが生かされているのかもしれません。
テールパイプはセンター一本出し(文献によると、マフラー二本出しの個体も存在する)。
Zagatoのサイトにも、このクルマの解説が掲載されていますね。
Alfa Romeo TZ Zagato(1964)
初登場は1963年、「TZ」とは「Turbolare Zagato」の略だとされています。
なんといっても有名なのはボデイ後部の形状「コーダ・トロンカ」で、これはのちの「TZ2」「TZ3」にも継承されています(TZ3は今回のコンコルソ・デレガンツァにも参加している)。
Lancia Appia GTE Zagato(1959)
こちらもやはりランチア・アッピアをベースにザガートがボディを架装した車両ですが、1957年の個体に比べるとボディがずいぶん流線型に。
この時代のクルマは樹脂製のパネルやバンパーが使用されておらず、そのために独特の美しさがありますね(製造に関しては高い技術が必要で、当時におけるコーチビルダーの存在理由もよく理解できる)。
Lancia Flaminia Super Sport 3C Zagato(1962)
こちらはランチア・フラミニアをベースにザガートがカスタムを行ったもの。
テールランプやテールエンドの「丸」はすでにこの時代から使用されていた、ということがわかります(フラミニアのボディ形状、テールランプはもっと角ばっている)。
もちろんダブルバブル・ルーフも健在ですね。
ランチア・フラミニアそのものは1957-1970年まで生産され、クーペやセダン、オープンモデル(コンバーチブル)と言ったバリエーションを持ち、12,633台が生産された、という記録が残ります。
Lancia Flaminia Super Sport Zagato(1966)
そしてこちらもベースはランチア・フラミニアですが、上とはまったくイメージが異なるもので、エッジが見られるのが特徴。
デザイナーは当時ザガートにてチーフスタイリストを務めていたErcole Spada氏。
バンパーが装備されることで近代的に、そしてクロームの加飾によって豪華な雰囲気もあります。
これらの車両について、他の画像はFacebookのアルバム「Concorso d'Eleganza LANCIA / Alfaromeo / Porsche」にて保存中。
動画はYoutubeにて公開しています。