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次期アウディR8はない→一転し次期R8はV10エンジンで登場との報道。なぜそうなったのかを考える

2019/07/17

| そこには様々な要素が複雑に絡み合っている |

次期アウディR8についてはその情報が交錯しており、「後継はない」「ピュアEVになる」等様々な話が出ています。

そして今回はアウディスポーツのマネージングダイレクター、オリバー・ホフマン氏が英国Autocarに対し、「次期アウディR8はV10エンジン継続」と語ったと報じられています。

アウディR8ほど運命に翻弄されるスポーツカーはない

現行アウディR8は登場から4年が経過し、先日フェイスリフト(マイナーチェンジ)を迎えたばかり。
基本構造はランボルギーニ・ウラカンと同一で、言い換えればランボルギーニ・ウラカンはR8と多くをシェアすることで開発や製造コストを節約できていたことになりますが、もしR8後継モデルが「ナシ」になるとウラカン後継モデルは開発パートナーを失うことになるのでどうするんだろうな、とも考えていたわけですね。※逆にアウディスポーツはこれを理由に次期R8にV10エンジンを載せようと画策している模様

なお、ランボルギーニ・ウラカン後継モデルは「V10+ハイブリッド」となることが決定していると報じられますが、一部ではポルシェ911(992)のプラットフォームを使用するという話も。

この話にはずいぶん長い歴史があり、フォルクスワーゲングループのスポーツカー向けプラットフォームはポルシェが一任されることになるというウワサがあって、そこで992のプラットフォームが次期ウラカンにも使用されるということになったのだと思われます。

ただ、いかにエンジン搭載位置が「前」に移動したとはいえ、リアエンジンレイアウト用、しかも6気筒エンジン搭載を前提に開発されたプラットフォームに10気筒を押し込めるとは思えず、しかも「オールアルミ+カーボン」のハイブリッド構造を持つプラットフォームを992と同じ「スチール+アルミ」にするのもちょっと考えにくいところ。

たとえスチール+アルミになったとしても、ポルシェの設計であればパフォーマンスに間違いはないと思いますが、「カーボンバスタブシャシー」を採用するマクラーレン、そしてこれから殴り込みをかけてくる新型アストンマーティン・ヴァンキッシュの存在を考えると、やはり「スチール+アルミ」はちょっと見劣りしそう。

アウディのV10エンジンは強い支持を受けている

なお、アウディスポーツからこういった話が出てきたのは、「V10エンジンは消費者から強い支持を得ている」ということが理由のようですが、もはや数少ない「自然吸気」であることもほかブランドとの競争に活用できると考えたのかもしれません。

そして、やはりスポーツカーの存在はよりブランドイメージを強固なものにする、と考えたのかも。
いずれピュアエレクトリックへ移行するにしても、今の段階でスポーツイメージを強化しておけば、その後の戦いが楽になると踏んだのかもしれません(ピュアエレクトリックカーは性能の差異を示しにくく、よってイメージが重要)。

そしてもうひとつ、(次期R8が登場するとして)ピュアエレクトリックに移行しない理由としてぼくが考えるのは、「次期R8の登場時期」。
順当にゆけばウラカン後継モデル、次期R8は2023年あたりに登場しそうですが、そのときにはまだ「ソリッドステートバッテリー」が実用化されておらず、この時期にEVを発売してしまうと数年後にはソリッドステートバッテリーが一般化して「発売してすぐ時代遅れになってしまう」可能性があること。

よって、次期R8はひとまずV10+ハイブリッドでしのぎ、「その次」でソリッドステートバッテリーを使用した「ピュアエレクトリックスーパーカー」へと変貌を遂げるんじゃないかと考えているのですね。


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