| それでもホンダeは一定の人にアピールできるとボクは考える |
ホンダがフランクフルト・モーターショーにて、初の量産EVとなる「ホンダe」を正式発表。
加えて、その価格が29,470ユーロ(邦貨換算で約350万円)ということも発表されています。※この価格は政府の優遇措置適用後
このホンダeについては事前の人気が非常に高く、その予約は4万件入っている、という報道も。
価格帯は違えどポルシェ・タイカンの予約が2万件、フォルクスワーゲンID.3が3万件と言われるので、それらよりも多くの人がホンダeに対して購入意思を示しているということになりますね。※ホンダeの納車は2020年夏から
ホンダeはライバルに比べて割高な価格設定?
今回発表された内容によると、ホンダeはシングルモーター搭載、そして出力は134HPと152HP。
バッテリーは35.5kWh で、一回の満充電あたり走行距離は220キロ。
そしてその直前に発表されたフォルクスワーゲンID.3は45kWhのバッテリーパックを搭載して204馬力を発生し、航続可能距離は330km、価格については「目標340万円以下」だと発表されています。
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価格だけ見るとホンダeもフォルクスワーゲンID.3もほぼ同じように見えますが、出力だとVW ID.3のほうが30~50%ほど高く、走行可能距離もID.3のほうがホンダeの1.5倍。
ちなみに日産リーフのベースモデルに採用されるバッテリーは40kWh、出力は150馬力、航続可能距離は322km、価格は3,243,240円。
つまり、これらの中でもっともコストパフォーマンスが高いのはVW ID.3ということになりそうで、もっとも「割高」なのがホンダe。
しかしホンダeはその割高な価格設定を納得させられるだけの装備を持つようです。
ホンダeは先進装備でそのビハインドを埋めようとしている
ホンダeは134馬力のベースグレードの他、152馬力の「アドバンス」が存在し、こちらの価格は32,470ユーロ。
両グレードともバッテリーの80%までを30分で充電できる急速充電器対応となり、ホンダeの大きなセールスポイントとなる「サイドカメラミラーシステム」が標準装備。
オプションとしてはプレミアムオーディオシステム、パーキングパイロットが用意される、とのこと。
さらに「5つのスクリーン」を持つ、ダッシュボード左右に広がるモニターやインフォテイメントシステムはホンダeの大きな特徴でもあり、8.8インチのメインメーター、12.3インチ×2のインフォテイメントスクリーン、これに2つの後方確認用ディスプレイを備え、これらを合計すると、なんと「54インチ」という巨大さを誇ります。
もちろん、これらをもって他社製EVとの性能差を埋めることができると言い切れませんが、そもそもEVは経済性を重視して購入するモノではなく(どう考えても、トータルではガソリン車のほうが得)、かつ今の段階では「新しいモノ好き、ガジェット好き」の人が購入すると思われるので、価格の安さよりも、ホンダeのような「テクノロジー感」を表に出したほうが訴求力が強いのかもしれません。
実際のところホンダがどう考えたのかは不明ですが、ホンダeのやり方は「なんともホンダらしいのではないか」と考えています。
なお、ホンダによる、ホンダe発表に関するプレスリリースは下記の通り。
街中での取り回しの良さと力強いモーター・後輪駆動によるHondaならではの走りの楽しさを実現したHonda e量産モデルを世界初公開しました。EV走行距離は200km以上を達成し、30分で80%まで充電する急速充電にも対応。都市型コミューターによる使い勝手も考慮した性能としています。エクステリアは継ぎ目がない滑らかなデザインとし、ポップアウトドアハンドルやサイドカメラミラーシステムを採用しています。
インテリアはラウンジのようなシンプルな空間をイメージし、直感的に使いやすい2画面の大型タッチパネルモニターを搭載しています。また先進のAIを用いたコネクテッド技術による「Honda Personal Assistant」でユーザーの都市型ライフスタイルとクルマをシームレスに繋げます。Honda eはドイツ、イギリス、フランス、ノルウェーで既に先行予約を開始しており、2020年初夏より順次デリバリーを開始していきます。
VIA:HONDA