| 中には単月で20%近く下落した月も。これだけ乱高下となると企業側もたまったもんじゃない |
CNBCが報じたところによると、自動車の世界販売台数は年々減少している、とのこと。
2019年の販売については2018年比で4%ダウンし7750万台となる見込みだそうですが、2018年自体も2017年の8180万台から減っており、「2018年は、2009年以降で、はじめて自動車の世界販売が減少した」と述べています。
つまり、2018年から2年連続して「前年割れ」ということになりますが、この主な原因は中国の失速だと報じられ、1月から10月の統計だと、実に11%も(前年比で)落ち込んでいるようですね。
日本市場は意外と伸びている
なお、北米市場については2018年は2017年に比較して2%減少(1690万台)だそうですが、日本市場は2017年が5,234,165台、2018年が5,272,067台、2019年は1月から10月の累計で4,464,469台。
この数字を見ると、見本は2017年から2018年も伸びていることがわかり、かつ現時点での前年同月比較でも2万台ほど増えていて(つまり2019年通年でも成長する可能性が高い)、「若者の車離れ」「クルマが売れない」と言われる割には伸びていることがわかります。
現在、中国市場の急激な伸びによって日本の自動車市場としての存在感はすっかり薄くなってしまったものの、中国市場が「上下」が激しいのに対し、日本市場は「比較的堅調」という特徴があり、そこが最近になって多くのプレミアムカーメーカーが「日本は重要市場」と位置づける所以なのかもしれません(日本市場を重要視しているのはBMW、ランボルギーニ、アストンマーティン、ロールスロイス、フェラーリなど)。
ロールスロイスが日本市場に再注目。昨年−50%を記録した中国市場からの教訓か
中国市場はあまりに変動が大きい
そして中国市場についてですが、各自動車ディーラーが在庫一掃のために大幅値引きを実施して販売を確保した今年6月を除き、過去16ヶ月は(6月を除いて)すべて前年割れ。
この理由としてはいくつかが示唆されていますが、大きな理由は景気鈍化。
その対策として、中国はこれまで講じてきた(環境対策のための)自動車購入抑制措置を緩和するなどの動きを見せているものの、今のところ回復の兆しは見えていない、とも報じられています。
ちなみに「前年比20%マイナス」近かった月も4ヶ月ほどあり、新エネルギー車(電気自動車、ハイブリッド車、PHEV)は3ヶ月連続で減少しており、今年の累計だと33%も減少(これは新エネルギー車の優遇措置縮小が主要因)。
これまで新エネルギー車というと、政府のバックアップもあって「現地(中国)メーカー」のシェアが高く、しかし今年に入ってから外資系自動車メーカーがニューモデルを積極的に投入しており、そのために現地メーカーの販売は60%減ったという報道もありますが、こんなに販売台数およびシェアが上下するというのは日本では考えにくい状況でもありますね。
中国市場においては、制度一つで大きく販売状況が変わり、とくに外資系自動車メーカーにとっては中国政府の意向一つで天国にも地獄にもなりうるといった印象がありますが、これまでの成長から一転して「縮小」に向かうことで、いまだかつてない「サバイバルレース」が始まるのかもしれません。