| セナのリコールは二回目、しかし炎上に関するものはこれが「初」 |
マクラーレンが米運輸省高速道路交通安全局、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)にリコールを届け出。
内容としては「火災の恐れ」で、対象台数は2,763台だと報じられています。
対象となるのは2016年10月23日から2020年2月11日に製造された2,008台の720S、2016年5月1日から2019年1月9日に製造された570GT、2019年9月10日から2020年3月20日にかけ製造されたGT、2018年6月22日から2019年11月6日の間に製造された157台のセナ。
「燃える」理由は燃料漏れ
そしてこれらマクラーレンが燃える理由ですが、マクラーレンによると、「その環境の湿度によっては、燃料タンクの下にあるノイズ/バイブレーション/ハーシュネスを吸収するパッドが変形し、その影響でごく少量の燃料が漏れることがある」。
なお、燃料が漏れる位置は熱源とは遠いため直接の発火原因とはならず、しかしこれが「漏れつづけると」車体にガソリンが溜まってゆくことになり、発火リスクが高まるとしています。
対応としてはこのパッドの除去、それに代わる対処となるそうですが、燃料タンクにアクセスする必要があるため、けっこう大掛かりな工事になるのかも。
ちなみにセナは昨年にも「ケーブルと金属パーツとが接触して破損する可能性」があるとしてリコールを届け出ているため、今回で2件目ということになります。
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「セナ」はこれまでにも数件の炎上が発生
なお、セナはこれまでに少なくとも3件の炎上が見られ、最も有名なのは「納車11日で燃えてしまった」、ユーチューバーであるサロモン氏が所有していた個体。
同氏はこれまでにもP1や720Sを購入しており、かつクラシックモデル含む多数のスーパーカーを所有しているのでハイパーカーの扱いにも慣れているうえ、本人も「無茶なことはしていない」と言及。
にもかかわらず突然の発火→全焼となってしまい、しかし当初は「マクラーレンがなんとかしてくれる」という楽観ムードであったものの、その後マクラーレンが「対応しない」と決めたために怒りの投稿を行っています。
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そして2件目はマクラーレンが公式にて、F1GP本戦開催前のエキシビジョンとして、ゲルハルト・ベルガーのドライブにてサーキットを走らせたもの。
こちらも管理がしっかりなされた車両で、かつゲルハルト・ベルガーという一流ドライバーの運転であっただけに衝撃的です。
そしてセナの販売台数は500台に限定され、これら火災が発生したのはまだ「500台を納車しきっていない」初期でもあり、よってかなりの高確率で「セナが燃える」ということでもありますね。
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上述の通り、セナは過去にもリコール届け出がなされているものの、こちらは炎上とは関係がなく、そして炎上に関するものは今回が初。
そして正式に「炎上」に関するリコールが届け出られた以上、サロモン氏に対しても何らかの補償がなされるかもしれません。