| ベースとなるいすゞD-MAXをマツダ顔にしなくてはならなかったデザイナーの心中は察して余りある |
さて、マツダが予告していたとおりに新型ピックアップトラック「BT-50」を公開し、まずはオーストラリアから販売する、と発表。
BT-50はマツダが以前より東南アジアとオーストラリアを中心に販売してるクルマで、今回の新型BT-50は9年ぶりの三代目となります。
なお、初代と二代目BT-50は(その間、マツダとフォードと資本提携していたということもあり)フォード・レンジャーをベースとした車両であったものの、現在はフォードとの関係がなくなっているため、ソース先をいすゞに代えてのリリースです。※下の画像は二代目。アクセラ顔なのがわかる
マツダといすゞとの関係は浅くない
なお、マツダは今回のBT-50のほか、「タイタン」をいすゞからの供給にて販売しており、けっこう深い関係にあると言えそう。
ちなみにこちらがマツダBT-50のベースとなるいすゞD-MAXですが、かなりアグレッシブなルックスを持っていることがわかります(画像はトップグレードのV-CROSS)。
これはタイにおいて非常に大きな人気を持つピックアップトラックであり、「D-MAXのD」はディーゼル、ダイレクト・インジェクション(直噴エンジン)、デュラビリティ(耐久性)、ドラゴン(イメージキャラクター)、ディーマーク(タイ語で”優れる””素晴らしい”という意味がある)を表す、とされています。
トラックにおいても魂動デザイン
マツダによれば、おなじみ魂動デザインによって「ピックアップトラックならではの力強さ、タフな機能性、道具感を表現した」とのこと。
全長は5,280ミリ、全幅1,870ミリ、全高1,790ミリとかなり大柄なクルマで、最小回転半径6.1メートル。
搭載されるエンジンは3リッターディーゼル(190馬力)となりますが、エンジン含む詳しい情報は公表されておらず、しかしいすゞD-MAXと同じだということになりそう。
そしてD-MAXと同じなのであれば、この3リッターディーゼル”ターボ”エンジンは新設計となり、ポルシェ911ターボと同じ”電制VGS”つまり可変タービンジオメトリを採用したハイスペックユニット(ガソリンエンジンでこの機構を採用するのは珍しく、しかしディーゼルエンジンでは他にいくつか採用例がある)。
トランスミッションはマニュアル(6速)/オートマティックを揃え、アルミ製プロペラシャフト、電制リアデフ、LED灯火類、パーキングセンサー、キーレス、ウェルカムホームライト、オートライト、デュアルゾーンオートエアコンを採用するなど、完全に商用車やトラックの範囲を超えているのもD-MAXの特徴です。
やはり違和感は拭えない
ただし外観については、オフィシャルフォトからも違和感が拭えず、どうみても「コラージュ感満載」。
マツダとしては魂動デザインを採用しないわけにもゆかず、そしてブランディング上は「マツダ顔」にする必要があるので、このデザインについても「最大限の努力の結果」だとは思うものの、このBT-50はマツダのデザイナーにとって”最大の試練”だったのかもしれません。
そしておそらく、このクルマの存在を知らない人がこのクルマの画像を見ると、まず間違いなく「コラ画像」と思うか「顔面スワップ」だと受け取られ、そういったコメントとともに草を生やしてSNSに投稿されることになりそうです。
さらにはマツダの進める「プレミアム路線」とも乖離も感じざるを得ませんが、それでも新型BT-50を投入したということは、「かなり売れている」のでしょうね。
参照:MAZDA