| ヤバイ、すごく欲しくなってきた |
さて、GRヤリスの特別展示会へ。
GRヤリスというとWRCのためのホモロゲーションモデルという触れ込みでデビューしたものの、肝心の2020シーズンを(コロナウイルスの影響にて)戦うことが難しくなってしまったという悲運のクルマ。
そんな中でも「1stエディション」の事前予約受付は継続されており、高い関心を集めている一台でもありますね。
-
トヨタがGRヤリスベースでの2021年競技参戦見送り!GRヤリスは発売前にして「活躍の場を奪われた悲運のホモロゲーションモデル」に
| 2022年シーズンからはハイブリッドが使用可能となる予定なので、ガソリンエンジンのみのGRヤリスは今年限りかも | トヨタが「GRヤリス」をベースとした新型WRカーにつき、2021年シーズンへの投 ...
続きを見る
最初にGRヤリスを見た印象を述べておくと、「本当にWRC用のホモロゲーションモデルだったんだな」ということ。
もちろん事前にそうはアナウンスされていたものの、「結局は話題作りと利益のためのクルマなんじゃないのか・・・」と猜疑心の強いぼくは疑っていて、しかし実車を見たとたん、「コレ本物のホモロゲーションモデルや・・・」と180度態度を豹変させています。
いったいどういったところがぼくにそう思わせたのか、ここで紹介してみたいと思います。
GRヤリスのここが本気だ(エクステリア・エンジンルーム編)
まず展示されていたGRヤリスの外観はこんな感じ。
グレードは1st Edition「RZ High Performance」で、ボディカラーはエモーショナルレッドII。
エンジンカバーには「GR」「Turbo」の文字が見えますが、このカラーは「456万円」という価格からすると、「え?」という暗い質素(エンジンそのものは1.6リッター3気筒ターボ、272馬力という超ハイチューン型)。
つまり、これくらいの価格帯の一般的なクルマのエンジンカバーのように、シボなどの加工が施されていない、「安っぽい樹脂」ということですね。
-
GRヤリスのフルラインアップが公開!CVT搭載の「RS」、競技用「RC」含めて3種類に。2020年9月から発売開始
| 正直、かなり「欲しい」と思わせるクルマだ | さて、トヨタがGRヤリスの「全ラインアップ」3種類を公開。現在は初回限定モデルである特別仕様車「RZ“High-performance First E ...
続きを見る
そしてこういった樹脂パーツもちょっと安っぽいイメージ。
これは期待外れか?と思いながら、ひとまずはほかの部分を見てゆきますが、ぼくの注意を引いたのはサイドステップ。
このホイールハウス下部のエッジ部分について、ここが丸い形状を持っているということがポイントであり、つまりは空力を考慮した形状を持つということ。
一般的なクルマだとここは丸く削られずに角張った形を持っていて、おそらくその理由は「マッドフラップ的な働きを持たせてボディサイドへ泥や汚れを跳ね上げない」ためだと考えられます。
ですがGRヤリスの場合はそんなことを気にせず、エアロダイナミクスを優先させた形状を持っているということになりますね。
さらにホイールはBBSの鍛造18インチ、ブレーキキャリパーは前後対向式。
ローターには前後ともスリットが入り、さらにフロントのブレーキローターは「2ピース」。
リヤスポイラーもグロスブラック仕上げではなく、ちょっと安っぽい質感の樹脂ではあるものの、ちゃんと表面が「反って」いて、つまりはダウンフォースをちゃんと発生する形状を持っているということがわかります。
そしてぼくはこのあたりで「ハタと」気づくわけですね。
このクルマは本気のWRカーのベースモデルであって、値段を吊り上げ利益を得るためのプレミアムモデルではないのだ、と。
つまりGRヤリスはトヨタが主張する通り、掛け値なしにWRC生まれの生粋のレーシングカーであり、目の前にあるのはそのホモロゲーションモデルである、ということですね。
そう考えると、未塗装の樹脂パーツや、見た目の美しさを追求したわけではないということにもすっと納得ができ、そこがむしろ「本気」を感じさせ、「やっぱこうでないとな。オシャレなスポーツカーほど信用できないものはない」とコロリと見方が変わってしまったワケです。
そのほかの部分を見てゆくと、フロントフェンダーはこんな感じで「ブリスター」。
リアフェンダーはこの張り出しよう!
リアオーバーハングは極端に短く、しかし直進安定性を確保するためかサイド部分が極限まで後方に引っ張られて「擬似ロングテール」化。
真後ろから見ると、さらにそのワイドフェンダー風がわかりますね。
テールパイプは左右二本出し、そしてセンターにはディフューザー。
GRヤリスのここが本気だ(インテリア編)
そしてこちらはGRヤリスのインテリア。
ブラック一色、豪華さは抜きにした合皮と人工スウェードのスパルタン仕様です。
シートはホールド製の高い「プレミアムスポーツシート」で、センター部分にはパーフォレイト(穴あき)加工が施された人工スウェード。
トランスミッションは6速マニュアルのみ、そしてけっこう重くショートストローク。
クラッチペダルともどもかなり剛性感が高いという印象で、ぼくの記憶でもここまでガッチリしたシフトフィールを持つクルマはそうそうないんじゃないか、というところ。
軽量な272馬力の4WDターボをMTで操ったらさぞ楽しいだろうな、と思わずニンマリしてしまうほどのタッチを持っていて、正直このシフトフィールだけでも「GRヤリスを買う価値アリ」かもしれません。
ちなみにドアはサッシュレス(これは高ポイント)。
そしてセンターコンソールにはWRCのホモロゲーションモデルであることを示すプレート。
インテリアについても外装同様に質素さを感じるところが多く、しかしそれがGRヤリスの素性を如実に物語っていて、しかもいざ走り出せばそんなことはまったく気にならないほど「楽しい」車であろうことが容易に想像できますね。
全体的に見て、いかにホモロゲーションモデルといえどここまで気合の入ったクルマは最近では珍しく、トヨタというか豊田章男社長の本気を見た、という思いです。
ある意味では「どうだ、お前れら?このクルマの良さがわかるのか?乗りこなせるのか?」という豊田章男社長からの挑戦状のようにも感じられ、正直かなり欲しくなってしまった、というのもまた事実。
たぶん今日の夢にこのクルマが出てくるのは間違いなく、注文するかどうかを思い悩み、眠れぬ夜が数日は続きそうです。
そのほかの画像はFacebookのアルバム「GRヤリス(110枚)」に保存中。