| ここまでピュアなクルマもほかにない |
さて、現段階ではラフェラーリよりもマクラーレン・セナよりも、ランボルギーニ・シアンFKP37よりもイケてるとぼくが考えるスーパーカー、ブラバムBT62。
今回はそのロードバージョン、「BT62R」が正式発表されています(RはRoadのRらしい)。
カラーリングは2種類あって、顧客の指定によってカラーを変更できる「シグニチャーシリーズ」、ブラバムの過去のF1マシンにヒントを得た「セレブレーションシリーズ」とが用意されている、とのこと。
ブラバムBT62はもともと「サーキット走行専用」だった
もともとブラバムBT62は「サーキット走行専用モデル」として2018年5月に誕生していますが、その直後からロードカー発売の要望が殺到することになり、2019年には公道コンバージョンキットの発売をアナウンス。
そして今回はそれを組み込んだ車両がリリースされた、ということになりますね。
そしてこのブラバムBT62Rについて、サーキット仕様からの変更点としては「最低地上高の確保」「公道走行にマッチしたエキゾーストシステム」「防音や制振」「エアコン追加」「ヒーター付きスクリーン」「行動走行向けのシート」「公道で使用できるタイヤ」「新デザインのフロントスプリッターとリアディフューザー」「オプションのスピーカーシステム」がアナウンスされています。
なお、もともとの設計時に公道走行を考えていなかったためか、ウインドウの昇降は実現できなかったようですね。
セレブレーションシリーズを選んだ場合、18金のバッジ(エンブレムやモデルネーム)、専用インテリア、これにしか装着されないトラックパック(リアウイング、スプリッター、リアディフューザー)が装着される、とのこと。※サーキット走行専用モデルを公道仕様にコンバートし、そこへまた”トラック(サーキット)”パックを装着した、ということになる
搭載されるエンジンは5.4リッターV8(自然吸気)、出力は700HP、トランスミッションは6速シーケンシャル。
今どき大排気量自然吸気エンジンを積むのは非常に珍しく、それだけでもじゅうぶんな希少価値がある、と言えそうです。
なお、ブラバム・オートモーティブCEO、ダン・マークス氏が今回BT62Rのリリースに際して発したコメントは下記の通り。
我々にとってブラバムBT62Rの発売はひとつの大きな達成でもある。もちろん公道走行可能な仕様に対応させるのは並大抵のことではないが、一つ一つの要件に対応するのは我々にとって知識との経験とを蓄積するチャンスであり、今後新たなるクルマを発売するのに必ずや役立つだろう。そして、それは当初からロードカーとして完全に適合したクルマになる
ブラバム・オートモーティブはこんな自動車メーカー
今回、「ブラバムBT62」を発売したのは”ブラバム・オートモーティブ”ですが、これは「F1」コンストラクターとして1992年まで活動していた「ブラバム」が母体。
その(F1コンストラクターとしての)ブラバム設立者はサー・ジャック・ブラバムで、その意志を引き継いで設立されたのがブラバム・オートモーティブ。
ただし、よくある「ビッグネームの使用権を購入してきて、第三者がビジネスを立ち上げた」のではなく、このブラバム・オートモーティブを運営するのはサー・ジャック・ブラバムの息子たち(とその仲間)。
この息子たち(三人)もそれぞれレーシングドライバーであり、特に三男のデビッド・ブラバムはF1参戦経験や、なんとル・マンでの優勝経験もある「腕利き」です。
サー・ジャック・ブラバムはドライバーズタイトルを4回も獲得した(1966年/1967年/1981年/1983年)優れたレーシングドライバーであっただけではなく、優れたレーシングカー設計開発者としても知られ、実際に「自身の設立したチームのマシンに乗ってチャンピオンを獲得した経験がある、唯一のF1ドライバー」。
そういった経歴を持つ父を持つ息子たちが運営する会社なので、この「ブラバムBT62」はまず間違いのないクルマだと考えて良さそうですね。