| 5.4リッターV8、自然吸気、700馬力。ここから想像できるのは興奮しかない |
ブラバム・オートモーティブがついにそのスーパーカー、「BT62」を公開。
かねてよりティーザーキャンペーンが行われていたものですが、F1史上唯一、「自身の作成したマシンでチャンピオンシップを獲得したサー・ジャック・ブラバム」の息子が率いるプロジェクトで、亡き父の意志を継いだクルマの登場だと言えそうです。
唯一残念なのは、これが「ロードカー」ではなく「サーキット専用」のクルマであること。
重量は972キロ、ダウンフォースは1000キロ
公開された実車は予想通り独自性あるデザインを採用し、少量生産メーカーにありがちな「何かに似ている」「スピード重視のためにデザイン性が不足」ということもなく、どこからどう見てもスーパーカー的な素晴らしいスタイリングを持っています。
フロントスプリッター、アンダーパネル、リアディフューザー、リアウイング含むエアロパッケージはなんと1200キロものダウンフォースを発生。
これはメルセデスAMGプロジェクト・ワンの700キロ、マクラーレン・セナの800キロよりもずっと大きい数字ではあるものの、アストンマーティン・ヴァルキリーの1800キロには及ばない数字(ヴァルキリーが異常だと考えるべき)。
ただ、ダウンフォース・ウエイト・レシオ(というものがあれば、ですが)としてはヴァルキリーが1.74、ブラバムBT62が1.2、マクラーレン・セナは0.6くらいで、ヴァルキリーとともに「圧倒的」な数値を記録しています。
エンジンは5.4リッターV8(700馬力)で、最新のハイパフォーマンスモデルには珍しく「自然吸気(さすがブラバム)」。
出力は700馬力、現時点では0-100キロ加速や最高速についてのアナウンスはなく、パフォーマンスは不明(しかしながらマクラーレンP1にも劣らない性能を持つと思われる)。
車体重量はわずか972キロで、これは信じられない軽さでもあり、これを達成できたのは何らかのベースがあったからではなく「完全に白紙状態から設計できた」ためだとブラバムは語っています。
フレーム構造にてついての情報はなく、しかしこれだけの軽量性を持つのであれば「カーボンモノコック」の可能性が大きそう。
ちなみにフレーキシステムはF1同様の「カーボン・カーボン(カーボン・セラミックではなく)」。
700馬力の自然吸気エンジン、972キロ、ダウンフォース1200キロ、F1のブレーキというところからするにとんでもないパフォーマンスを誇ることになりそうで、加速、ブレーキング、コーナリング時のGはアストンマーティン・ヴァルキリーに匹敵するほどかも。
インテリアにはカーボン製の骨格を持つシートが装備され(サイドだけではなくニーサポートも一体化)、デジタルメーターを装備。
ステアリングホイールも競技専用、他操作系も最小限となっていますが、それでも高いデザイン製を持っています。
わずかばかりのアルカンターラが張られるほかは「カーボンむき出し」、そしてロールケージが組まれるなど、やはり完全に「レーシングカー」。
生産はわずか70台に限定され、これはブラバムの活動開始70周年を記念してのこと。
そのうち35台はサー・ジャック・ブラバムがチャンピオンを獲得した際のF1マシン同様のカラーリングへとペイントされることに。
価格は1億5000万円とのことですが、すでに「完売」していると思われ、デリバリーされたうちの何台かは「公道仕様」へとコンバートされるのかもしれません。
なお、ブラバムはル・マンへの参戦も検討していると伝えられ、レースでもその勇姿を見ることができるかもしれませんね。