さて、以前は「100万マイル(約160万キロ)」を走ったホンダCR-Xを紹介しましたが、今回ははんと「10マイル(約16キロ)」くらいしか走っていないというCR-Xが売り物として登場。
この1990年式のCR-Xは現在ポルトガルに保管されているといい、しかも現在販売中となっています。
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一体どうやってこの走行距離を実現?
このホンダCR-Xの走行距離は正確に表現すると(メーター上では)17kmだと表示されていますが、販売元のガレージスティによると、新車時にリスボンのサントマール・ホンダのディーラーから個人のガレージに運ばれ、その後、最近まで4柱ジャッキの上で数十年も放置されていたということですが、その間はタイヤさえも地面に触れていないとされ、まさに前代未聞の保管方法ということなりそうです。
さらにガレージスティによると、ディーラーで使われていた紙製のカーペットカバーや、工場出荷時のマーク、30年以上前にホンダが工場から入れたオイルが入ったままで、オリジナルでないものは「ブレーキフルードとバッテリーだけ」。
説明書、整備手帳もしっかり完備。
登録歴があるのかどうかについては触れられていませんが、登録されたことがないのであれば、それはまたこのクルマの価値を上げることになりそうです。
特徴的なリアの「バーチカルウインドウ(コーダトロンカ形状)」。
もちろんインテリアも新車同様です。
当時のクルマでは一般的だったモケット張りですね。
今見るとああまりにシンプルなステアリングホイール。
価格については表示されていませんが、おそらくは「えっ」となるような額なのだと思われ、買い手がつくかどうかは要注目ですね。
ホンダCR-Xはこんなクルマ
ホンダCR-Xがはじめて登場したのは1983年。
このときは「バラードスポーツCR-X」と呼ばれていましたが、それは「バラード(シビックの4ドア版)」の「スポーツバージョン」だったから(超ストレートなネーミング)。
要はシビックの遠縁にあたり、しかしボディスタイルはルーフからリアを下げたクーペ風で、ボックス形状を持つシビックとは差別化されています。
なお、最大の特徴はスパっと切り落とされたような形状を持つリアエンド。
これは一般に「コーダトロンカ」と呼ばれるデザインでもあり、アルファロメオTZシリーズでもおなじみです。
コーダトロンカは1960年代まで遡ることができ、当時無敵の速さを誇ったアルファロメオSZ(スプリント・ザガート)の空力的欠点をカバーするために採用されたものだとされています。
二代目CR-Xも「コーダトロンカ」
そして1987年には二代目CR-Xが登場。
このときには「バラード」が販売終了になっていたために「バラードスポーツ」が取れて「CR-X」という名称に変更されていますが、やはりシビックの派生車種という位置づけは変わらず(海外ではシビックCRXとして販売されていた)。※愛称は「サイバースポーツ」
そして見ての通り、初代同様にコーダトロンカ、そして印象的なバーチカルウインドウを採用していることがわかります。
同年代のシビックに比較すると軽量で重心が低く、しかしちょっと高価であったことからかシビックのほうがよく売れていたようです(CR-Xの後部座席が絶望的であったのもその理由か)。
サスペンションはF1マシン同様の「前後ダブルウイッシュボーン」という構造を持ち(初代はストラット+トーションビーム)、とにかく高い戦闘力を誇ったクルマとして記憶されています。
なお、当時ぼくはトヨタ・カローレレビン(ハチロク)に乗っていましたが、はじめてサイバースポーツCR-X)を運転した時、「こりゃどうやっても勝てんわ・・・」と感じたことを今でも覚えていて、まさに反則ともいえる速さを持つクルマであったと思います。
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参照:Garagisti