| テスラの快進撃は(今のところ)とどまるところを知らない |
テスラはあと2−3年は優位性を保つことができるだろうと考えている
さて、世界中のプレミアム/ラグジュアリーカーセグメントにおいては、予想よりも速く電動化が早く進んでいるため、普及価格帯の自動車市場よりもさらに大きな混乱が起こっているもよう。
というのも、今回Automotive Newsが公開した米国におけるプレミアムカーセグメントの(2021年における)販売台数において”ちょっとした”異変が見られるためで、トップが(3年連続の)BMWというところには変わりがないものの、なんと二位につけたのがテスラという状況となっています。※テスラは地域別の販売台数を発表しておらず、Automotive Newsにおける推測値
テスラはなんとワールドワイドで87.4%も増加
なお、1位のBMWは33万6644台という堂々たる数字ですが、2位のテスラはBMWに肉薄する31万3400台を記録しています。※テスラは2021年、ワールドワイドで93万6172台を販売し、87.4%という驚異的な伸びを示している
これはつまり、レクサス、メルセデス・ベンツ、アウディなど、他のすべてのプレミアムカーブランドを追い抜いたという事実を示しており、加えてまだまだテスラは注文のあった台数をすべて納車しているわけではないこと、そして今後はテキサスの新しい工場の稼働が期待されていることからも更に販売を増加させることになると見られ、2022年終了を待たずしてBMWを追い抜く可能性が高いだろうと見られているようですね。
なお、アメリカにおけるプレミアム・ラグジュアリーセグメントの販売台数は約220万台だといい、これは自動車販売全体の14.3%に相当しますが、更にテスラはその中の14%を占めている、ということを意味します。
テスラはチップ不足も軽やかに乗り切る
今回テスラがほかのプレミアムカーブランドに比較して高い伸びを見せることができたのは「チップ不足の影響を他社ほど受けなかった」からだと言われていますが、そもそもチップ不足は「各自動車メーカーが、コロナウイルスのパンデミック初期において、自動車の需要が減少することを予測してチップの発注量を減らしていた」ことに起因しているといい、しかしテスラの場合は「生産台数が需要に追いついていなかったため」販売台数が減るとは想定しておらず、よってチップの発注量を維持していた、といいます。
加えてテスラはソフトウエアを自社で開発しており(多くの自動車メーカーはこれを外部に委託している)、よってチップが足りなくなって新しいサプライヤーにチップを発注する際、即座にそのチップに対応するソフトを準備できたとも言われています。
自動車メーカーが使用するチップはファウンドリー(受託製造会社)にて生産されていますが、このファウンドリーを増やしたり、より生産能力の高いファウンドリーへと移行させようとしたとしても、生産設備の構築や、特許の調整や各種契約、そしてソフトウェアの対応によって「1年以上はかかる」と言われるものの、テスラは(他社を尻目に)これに見事に対応したということになりますね。
そしてこのチップ不足はあと1年〜1年半ほどは解消しないと言われるので、その期間はテスラの快走が続くと考えて良く、そしてチップ不足が解消された頃には「モデル2(あるいはモデルQ、もしくはモデルC-Type)」「サイバートラック」の納車が開始され、さらに他社を引き離しにかかるものと思われます。
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2021年の米国におけるプレミアムカー販売ランキングはこちら
2021年の米国プレミアム/ラグジュアリーブランド販売台数。
- BMW 33万6644台
- テスラ 31万3400台
- レクサス 30万4475台
- メルセデス・ベンツ 27万6102台
- アウディ 19万6038台
参照:Automotive News